見出し画像

ヒストリエ最新刊から予測する今後のカタルシス

ヒストリエ最新刊の12巻出ましたね!
5年ぶりに出たので以前の話忘れてるかな?とも思いましたが、アフタヌーン本誌でも読んでたおかげかなんとなーく覚えてました。

さて今巻では色々激動で悲観的な話が続いていましたが、あまりに悲しい話が続くからと言ってここで離脱するのは非常にもったいない。
というのも今後のギリシャ史を考えるととんでもなく身震いするカタルシスが待っているからです。

というわけで今回は最新刊でエウリュディケをいじめていたネオプトレモス君について語っていこうと思う。


ヒストリエでの現時点までのネオプトレモス

ネオプトレモスは作中では第四王妃であるオリュンピアスの側近の護衛兵士として登場する。
あくまでオリュンピアス第一で行動してるせいか、兵士としてはなかなか出世できずそれをオリュンピアスに揶揄されている。

ヒストリエ 岩明均
うっかり屋さんのアピールはこの頃からしてる。

オリュンピアスの懐刀として剣技の実力は作中でも高い方と思われるが、オリュンピアス暗殺未遂事件の時にパウサニアスと剣を交わした際はあえなく敗れている。
最新12巻ではオリュンピアスのもとエウリュディケの双子暗殺に加わるが、エウリュディケの胆力に怯み取り逃がす失態を演じる。

ヒストリエ 岩明均

アレキサンドロス大王時代のネオプトレモス

エピロス王家に仕える一族で重装騎兵として仕える。
アリアノスの『アレクサンドロス東征記』によると、アレキサンドロスのエジプト遠征時のガザ包囲戦で活躍したと記録がある。

マケドニアから見るとだいぶ遠くに来たもんだ

当時ガザは世界最大の帝国アケメネス朝によって支配されていた街であったが、マケドニア軍が三か月もの間包囲され長い間抵抗を続けていたが、最後は抵抗空しく陥落した。
おそらくではあるが攻城兵器によって城壁を打ち壊し、崩れた壁からマケドニア軍が攻めこんだが、その際に一番乗りで攻め込んだのがネオプトレモスであったようだ。
そういった功績を考慮すると自身の力に自信を持った、心技体揃った優秀な兵士であったと考えられる。

ディアドコイ戦争時代のネオプトレモス

アレキサンドロスの死後、ディアドコイと呼ばれるアレキサンドロスの後継者たちは各地で太守を努め、各地域の自治と力を付けるための富国に勤しんでいた。
ネオプトレモスも紀元前323年にアルメニアの太守に任じられ、アルメニアの統治を行っていた。

ギリシャ圏からすると、だいぶ辺鄙なとこ

しかし兵士として優秀でも太守としては力不足であったのか、アルメニアの民衆の怒りを買い反乱を起こされるなど順調な統治を行ったとは言えなかった。

当初ネオプトレモスは摂政ペルディッカス派閥に属しており、将軍派閥であるアンティパトロスやプトレマイオスと対立していた。
摂政からの命令で小アジアへ出兵の命令され、その後エジプト太守のプトレマイオスを攻めるためにエウメネスの指揮下に加わるよう言い渡される。
しかしその命令は兵士として剣で功績を上げてきたネオプトレモスは我慢ならなかった。
なぜならエウメネスは兵士として剣ではなく、書記官としてペンで功績を挙げてきた文官であったからだ。
ネオプトレモスは摂政と対立する将軍派閥と連絡を取り、エウメネスへの援軍を拒否した。

エウメネスと対峙したネオプトレモス

ネオプトレモスの裏切りを知ったエウメネスは直ちに軍を向け、ネオプトレモスが将軍派閥と合流する前にこれを叩いた。
ネオプトレモス軍は散り散りになりそのほとんどがエウメネス軍に吸収された。
ネオプトレモス自身はなんとか逃走し、少数の手勢とともに将軍派閥であったクラテロス軍と合流した。
ネオプトレモスは「このまま行くとあの外国人の文官が力を持ってしまう。」とクラテロスを煽り、エウメネス軍を攻め込むよう提案する。
提案を受けたクラテロスは軍を再編し、ネオプトレモスとともにエウメネス軍と戦うこととした。
紀元前321年、ヘレスポントスの戦いが起こる。

小アジアの北西 現在のダーダネルス海峡付近

副将として横陣の左翼に配置されたネオプトレモスは、主将として右翼に布陣したエウメネスと会敵した。
「ペンばっか持ってたヘナチョコ文官は剣なんて持てるんですか~?」とエウメネスを煽り、エウメネスはその挑発に応じる。
一騎打ちが始まり両雄はその剣戟により激しく火花を散らしあった。
しかし結果はネオプトレモスの惨敗に終わり、エウメネスに打ち取られる。

敵左翼の副将が打ち取られ戦線が崩れたことで、エウメネスは一気呵成に攻め込みクラテロス軍は敗北してしまった。ネオプトレモスのせいで・・・。

あとがき

とまあエウリュディケに対して非道を働いたネオプトレモスは、煽った挙句負けるという非常に恥ずかしい結果に終わってしまう。
今刊で王妃の威光を傘に調子こいてたムカつくネオプトレモス君は、ちゃんとその後きっちりリベンジされるので楽しみに待ちましょう。

あのところで岩明先生連載再開まだですか?
エウメネスがパフラゴニア太守になって、ボアの村に凱旋するの連載初期から楽しみに待ってるんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?