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九日ナインソールの話 1


まえがき

高難易度のゲームが好きだ
もちろん無双ゲーのようにバッサバッサと俺つえーを楽しむゲームも時には癒しとなる。
だが敬愛するアントニオ猪木も引退時に「人は歩みを止めたときに そして挑戦を諦めたときに年老いていく」と語っていました。
であるならば甘ちゃんなゲームよりは自身の心身を共に極限まで追い込んでいく、そんな高難易度のゲームをクリアすることがゲーマーとして出来る『老いへの抗い』なのではないだろうか。

というわけで一部で「凶悪な難易度」と噂がのぼっていたが、プレイする時間が取れず発売当時は諦め。
しかし9月に入り少し時間が取れるようになってきたところで『九日 ナインソール』がセールになっていたので、せっかくだからと購入。

・横スクロールアクションゲーム
・世界観はタオサイバーパンク(なんじゃそりゃ?)
・猫?狐?みたいな獣人が主人公
・高難易度

という風の噂レベルの事前情報のみでプレイ開始。
すると出るわ出るわ私の好きな人物、設定、ボス。

購入してから1週間ほどプレイし、まだ未クリアですが紹介せずにはいられないのでこの場を借りて紹介させていただきたい。

九日ナインソールのゲームジャンル

ゲームのジャンルとしてはゲームに詳しくない方向けにも分かるように『横スクロールアクション』と書いたものの、これだけだとロックマンみたいなゲームなのか、それともファイナルファイトみたいなゲームなのかが分かり難い。
本作は『メトロイドヴァニア』および『ソウルライク』と呼ばれるジャンルとなっており、合わせて『ソウルヴァニア』と呼ばれることもあります。

メトロイドヴァニア

メトロイドヴァニアは任天堂が出した傑作アクションゲーム『メトロイド』とコナミが出した『悪魔城ドラキュラ(英名・キャッスルヴァニア)』を組み合わせたジャンルです。
2Dの平面のフィールドを移動やジャンプなどのアクションを駆使し、探索していく形のものを指すゲームジャンルとなっています。

ソウルライク

そしてソウルライクはフロム・ソフトウェアから発売された『Demon's Souls』や『DARK SOULS』に影響を受けたゲームを指します。
高難易度+死にゲー+死ぬと経験値(やお金)をその場でロストなどの要素があるゲームを指して呼ばれます。

九日ナインソールは上記の流れを汲むゲームで、
『メトロイドヴァニア』→2Dの画面を移動やジャンプなどを使い探索し、
『ソウルライク』→高難易度で死んだらその場に貯めた経験値をロストしてしまう。
という流れ。

見切れなさ過ぎて二日はハマった

そして死にゲー。死んで覚える。何度も強敵と戦って、攻撃パターンを覚えて、リトライを繰り返し強敵を撃破する。
また『凶悪な難易度』と言った通り、敵からの攻撃は基本回避orパリィのみ。防御なんて甘えは許されない。あと敵の攻撃めっちゃ痛い。ボスの攻撃は数発喰らったら死ぬ

まだ回避があるので、アクションゲームの操作に自信があれば回避だけでも進めないことはない。私も最初はそうしていた。
ゲームをしばらく進めると新しく覚える防御技を使えるようになる。

そう新しいパリィ(溜めパリィ)である。

新しく覚えた技もパリィであるため、敵の攻撃の見切りに失敗すれば当然のようにダメージを喰らう。
そしていつかは回避できないほどの連撃を敵が放ってくる(これは道端にいるような雑魚であってもだ)
つまりいつかはパリィと向き合う日が必ず来る。来てしまう。

パリィに自信がない人はお断りというくらい突き放したスタンスだが、その分の報酬は大きい。
パリィに成功すれば気力がたまったり、相手にダメージを与えたり、なんなら大きな隙を晒してくれたりするのだ。
そしてなによりパリィに成功した時の銅鑼の音が気持ちよく、敵の連続攻撃を見切り全弾撃ち落とした時などは「俺・・・上手くなってる!!」という目に見えない確かな手応えを感じることが出来るのだ。

九日ナインソールのストーリー

あらすじ

何を書いてもネタバレになりそうで迂闊に書けず苦しい・・・!!
というのも「荒廃したこの地(宇宙船?)で過去に何があったのか?」が明かされていく形となっているため、どこまで明かしていいかの線引きが非常に難しい。
個人的には神話にSFを融合させたストーリーが非常に面白いゲームなので是非ともプレイして感動を味わってほしい。
しかしそうすると「何が面白いんだよ」が伝わらなさそうなので極力当たり障りない様に書いてみる。

蓬莱という星からやってきた羿(げい)という科学者が何者かに攻撃され生死の淵を彷徨う。
本作の主人公である羿
武術の達人の猫人間
しかし羿は古木樹の不思議パワーで長い時間をかけ息を吹き返した。
時が過ぎ荒廃した『新崑崙』に何があったかを探るため、かつての同僚であった新崑崙の王たる責任者である『9人の太陽』を探すことになる。
各太陽が持つ王璽を集め、真相に辿り着くことはできるのか?

があらすじ。多分ネタバレはない。

といいつつも主人公の名前が「羿」で「9人の太陽」と言ってる時点で、
中国神話好きには「あーなるほどね」となるレベルでのネタバレとなる。

それはこの話が中国神話である『道教』を基にしたお話だからだ。

道教のとあるお話をモチーフにして、それをサイバーパンクに混ぜこんだ形でお話が展開されていく。

サイバーパンク

サイバーパンクはSFのジャンルの一つで、近未来のディストピアを描いたジャンルだ。
ディストピアとは科学や人口知能が現代よりも発展した社会で、特定の特権を持った階級の存在が人々を抑圧的に支配された世界、またそれらの支配階級に抗う人々の戦いを描いたものを指す。

本作は『太陽』と呼ばれる支配層が『猿人』と呼び奴隷のように扱う我々から見た人類(?)と、『太陽人』とよばれる一般階層の人々が支配された新崑崙での戦いの話。

猿人の中でも主要人物の軒軒
彼の優しさと器の大きさのおかげで
主人公である羿もそれを操るプレイヤーも荒んだ心が癒されていく

中国神話 道教

今後細かく中国神話について書いていきたいので、今回は『九日ナインソール』に関わっているさわりの部分だけの紹介を行いたい。
まず道教だが中国において三大宗教である儒教、仏教に並ぶ教えである。
道教は『三清』と呼ばれる道教における最高神の一人である元始天尊(あるいは開祖である黄帝)が老子に授けた教えと言われており、成立は老子がいた時代である紀元前の500年ごろの春秋戦国時代まで遡る。
老子は伝説の人物であり実在が疑われることもある。また本名は『李耳』という名であったそうだ。

ここで九日ナインソールプレイヤーはピンと来る方もいるはず。
私はゲーム内で名が出た瞬間「おおおおおおお」と叫んだ。心の中で。

老子・・・!?

道教の教義では神仙の力を得て最終的に不老長寿や永遠の命を得ることを目標としている。
また歴史として宇宙の起源から(当時の)中国成立までの神仙との関わりも描いている。

道教の開祖のひとりとされている黄帝は時には『皇帝』とも書かれる。
また姓は姫、氏は軒轅とも呼ばれていた。
頭に角が生えた牛の頭と鳥の蹄を持った人型の化け物『蚩尤』を討伐し、神農の後を継ぎ中国を治めたそうだ。

本作の蚩尤
キングダムでは美少女なのに・・・!!

もうここまでで『九日ナインソール』の登場人物がたくさん登場している。
そしてストーリー自体も上記の道教の伝説を下地としているため、ほぼ網羅されている。興味出てきた?

登場人物について細かく


書こうと思ったんですが、もうここまでで結構長くなったので、また次回!

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