ギリシャ神話の話5 農耕の神?時間の神?クロノスの話
農耕神クロノスって?
ウラヌスとガイアの子にしてゼウス達オリュンポス神族の父であり、ティタン神族の長。
王であるウラヌスの男の魂を鎌で切り取り、王位を簒奪したやべーやつ。
その治世は穏やかそのものであり、食べ物は一年中実るし怪我はすぐ治るしで、人々は苦しみや死からも解放された『黄金時代』と呼ばれた。
( ^ω^)知恵の実食べる前のエデンみたいな感じ。
だが王位を失うことを恐れ自らの子が生まれたそばから丸飲みし、恨みを買ったあげく子であるゼウスに王位を追われた色々残念な神。
『神々の系譜』と『ティタノマキア』でだいたい書いた気がする。
クロノスの名前の由来
古いギリシャ言葉で「完全なもの」だったり「流れるもの」って意味。
農耕に関わる川を指してるとも言えるし、川の流れを指して時間を指してるともいえる。
クロノスの家族
父がウラヌス、母がガイア、妻(実姉)にレアーがいて、兄弟姉妹がティタン十二神とキュクロプス三兄弟とヘカトンケイル三兄弟。
キュクロプス三兄弟とヘカトンケイル三兄弟は見た目が怖かったのでタルタロスに幽閉されてる。
後に彼らをゼウスらスーパーオリュンポスブラザーズが助けて、クロノスを打倒する助力を得た。
子供たちは後のオリュンポス兄弟
ヘスティア、デメテル、ヘラ、ハデス、ポセイドン、そしてゼウス。
ゼウス以外は丸吞みにしちゃったが後にゼウスの腹パン吐き戻し薬で救出された。
それと後に数々の英雄の師となり賢者と呼ばれたケンタウロスのケイロンもクロノスの子。
ここまでがウラヌスの子である農耕神クロノスの話。
時の神クロノス
時の神クロノスはシロス島のペレキュデスという哲学者が既に存在していたギリシャ神話の同人誌土台とした思想から生まれた神。
ウラヌスやガイアと同じく、カオスから生まれた原初神の世代で、農耕神クロノスの親世代にあたる。
『時間』そのものを指した存在。農耕神クロノスとは別の神と元来されている。
クロノスとクロノス
じゃあなんで農耕神クロノスと時の神クロノスは同一神として扱われたのか。
まず発音が一緒。
ギリシャ語だと農耕神が「Κρόνος」時間神が「Χρόνος」で微妙に違うが、英語発音だと「Khronos」で完全に同じ。
口伝で伝わることが多い神話だからか、ここでまず「同じじゃね?」と広まったのかも。
もう一つ理由があって、古来では農耕は発芽、実り、収穫という時間の経過をあらわしており、農耕=時間となり二つの神が同一化してったのではないかと思われる。
あともう『時間の神』のが全能感あってカッコいいってのもあるのかも。
全農感じゃだめだった。
でも武器は鎌。草刈り用だよね?これ。
もう一人の時間の神
ついでだからもう一柱私の好きな神様の話。
あとから「時間の神クロノス」が出てきちゃって、元来いた「時の神」の影が薄くなってしまった。
時の神カイロス。薄くなったのは影だけではない、頭髪も薄くなった。
カイロスの方は時間の流れを司るわけではなく、瞬間瞬間の『時』そのものの神。
( ^ω^)メイド・イン・ヘブンとザ・ワールドみたいな?
カイロスは瞬間の時の神で、ギリシャでは今もチャンスを表す言葉となっている。
「チャンスの神は前髪しかない」ってことわざもある。
これは「チャンスというものは一瞬しか現れない。すれ違う瞬間に前髪を掴めなければもうチャンスは周ってこない」という有難いお話らしい。
そんなわけで後頭部ハゲにされてしまった可哀想な神。
Hadesでのクロノス
ひ孫娘に対して凄く上から目線で偉そうにしてくる嫌な爺さん。
最初畑とかあったから「あー農耕神だからなのかな。なるほどな」なんて思ってたのに、「時が~」とか「時間の流れで~」とかちょいちょい挟んできて、どや顔で
こんなん語ってたから冷や汗もの。
進んでみたら思いっきり時間を意識して時計の上で戦ったりしてるからもう完全にやっちまったなぁオイてなってた。
今じゃ時間の神=農耕の神だから、Hadesチームの解釈としては何も間違いじゃないんだけどどどど・・・。
ギリシャ神話の解釈は自由がモットーだから全然オッケーです!