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私は「三方よし」より「全方よし」でいたい。

「三方よし」


ビジネスを行う人にとっては、一度は聞いたことがあること言葉かと思います。

私、この言葉が苦手です。
というか、この記事を書きながら気付きましたが、正直嫌いです。

初めて聞いた時から違和感を持っていました。


世間一般の三方良しの図

私は長年、営業事務として受付窓口を行ってきました。

受発注に関わる会社の窓口&社内外への指示出しの立場。
営業・取引先・協力会社との間を繋ぐ役割。
責任感ややりがいもありました。

たくさんの人とやり取りをする中で、いい関係を築けた人もいれば、
なぜこの人(会社)は無理なことばかり言うんだろう。という相手も多々。

例えば、

「いいからやってくれよ」
「お客さん(エンドユーザー)が必要だって言ってるんだから必ずやれ」
「明日の納期に間に合わなければ、もうおたくの会社は使わない」

みたいなことを日常的に言われる。
(しかもこういう人は納品後に平気で「値下げして」とか言ってくる)

「出来るっていう返事しか受け付けない」
とか。
もはや仕事というより脅しでしょ。

あれ?三方よしとは??

でもこれ、社内でも上の人から同じ事言われるんです。

「下請けに絶対明日持ってこさせて」とか。

いや、なんで私が??自分で言ってよ。

そもそも、私自身はそういう言い方が出来ない人間なので、
自分がお願いをするときは、
受話器を握りながら机におでこをつけ、書類にファンデがつく勢いで電話していました。笑

(言いたくないことを事務に言わせる営業さんは結構いました。
でも売上成績は全部自分の手柄…セコスギル…
あと、下請けという言葉もなんか嫌いで、私は「協力会社」と言うようにしていました)

で、驚くのが、こういう人たちって決まって言うセリフ。

「これで『三方よし』だからさ」

え?どの口が????


人を脅して無理させておいて??

脅される売り手の裏の人。

なぜこういう人たちは、
正面はしっかり見るのに、その裏にいる人たちのことは見ないんだろう。
とずーーーっと思っていました。

正面がうまくいけば、裏にいて実際に手を動かしている人たちに、どんな無理をさせてもいいのか。

それがすごくすごく息苦しくてツラかった。

いろんな事情があるのは分かる。
無理を強要しないと、問題が発生する可能性があるのも分かる。
それが分かるからこそ余計に苦しかった。

でも、誰かが嫌な思いをしないと完結しない仕事ってどうなの?
もはやその時点で「三方よし」の理念は破綻してるんじゃないか。

と、会社員時代はいつも胸の中のモヤモヤや怒りと戦っていました。
だから「三方よし」という言葉で丸め込まれるたびに、強い違和感を抱いていました。


たぶん、私が会社員に戻ることに強烈な嫌悪感を抱いている理由の一つ。

フリーランスという働き方がそういう目に合わない、とは全く思わないけれど。

自分が自分を守るために、そういう場所(会社組織)から離れる。
そう決断してあげる。
今はそれでいい。

それに、これからの時代は淘汰されていくんだろうな。と思います。
ここに書いたような人達の仕事の仕方。
SNSの力はすごい影響力があるし、会社にしがみつかなくても働けるとみんな気付き始めてる。

あと、生き急がなくたって、テクノロジーが私たちを生きやすくしてくれると信じてる。
だって、昔からたくさんの人が、みんなが幸せになるために頑張ってきてくれたんでしょ?
だとしたらもう幸せにならなきゃだよ、私たち。

なので、
タイトルの「全方よし」は、決して八方美人になるってことじゃなくて、

無理強いをしないで、お互いに譲り合って心地よく生きていきたい。


そんな思いを込めました。

お読みいただきありがとうございました。

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haru-ハル‐|イラストレーター
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