第10章 のびしろ 短編小説|ぼくの人生
後渉は試合中ながらも目をつむって[イメージ]した。
力が抜けて、足に体の力を全振りしているようだ。
指の先まで染み渡るこの感覚を後渉は覚えた。
目を開けると、もう一位の海図と競り合っていた。
「あっ?」
後渉は思わず声を上げてしまった。
「やっと気付いたか。」
海図はもがき苦しみながら、ぼくを見て言った。
「じゃ、しつれいしま~す。上がれぁえ~!」
バシンッ!
ゴールテープが海図の体に巻き付いていた。
その時にはもう、海図の体重はどこかに行っていたらしい。
「やっとできると思っても・・・。」
後渉は言った。
次回予告「第11章 やめる」
第1章からはここで読めるよ
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