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花だかり

2005年「ピーポーピーポー」「命がかかっています」
ザザッ

「まだかなぁー。早く青にならないかなー。」
「あっ。」
「青になったぁ!」
「アハハハ」
「青になってよかったね。花(かお)ちゃん!」
「うん!ママ・・・」
「キィー」
「え?」
この時、この瞬間から微笑みが無くなる。100が0になるなんて想像もしていなかった。
「ママー」
「うわぁぁぁぁんー」
苦しみも、うれしさも喜びも悲しさも、全部手放した。
「あそこの公衆電話にっ」
「タッタッタッ」
もし1秒早くつけていたらママの命も助かっていたのかもしれない。
微笑みもまたもう1度見られたのかもしれない。
「ガチャ。」
10分後ー
「ピーポーピーポー」
「早く」
「はぁっ」
ぶつかってきた車の運転手の顔が見えた。もう殴り倒したくなった。
「ママを世界で1番大事なママに・・・こんなことさせるなよぉぁぁぁぁ~」
「か・・おちゃん」
「マ、ママー」
ママが運ばれる風で小さな小さな花だかりができた。その花が私の手にそっと触れた。
その花の温かみはママの暖かい掌のような温かみだった。
ママの笑顔をもう一度見たい。だから私はずっと笑顔を描こうと決意した。もしそれがママへの最後のプレゼントになるのならば。私はママの笑顔でしゃべっている動画を何回も見続けた。私にはママのシャドウが見える。家を出た。信号が青になった瞬間、ママのシャドウが車にひかれそうになった。「ええええ?」
「あぶなっ」
「キィー」
「ピーポーピーポー」
「命がかかっています」
そして私は病院に搬送され、手術を受けた。
「ぱっ」と目が開いた。
「なんでまだ生きちゃってるんだろ、私。」

                                           

私の名前の由来は、「花のように育ちますように」

           という由来

私は花のように育てなかった

                      ごめんなさい

  本当に

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