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ChatGPTと文学対話:なぜ『手袋を買いに』は愛され続けるのか?

ChatGPTとの出会いから始まる

鈴木秀樹さんが監修した『おとなもこどもも知りたい 生成AIの教室』(KANZEN)を読みました。鈴木先生は、東京学芸大学附属小金井小学校の先生で、教育AIの実践者として知られる方です。

『手袋を買いに』の謎に挑む

私は、長年抱いていた『手袋を買いに』に関する疑問を解明するため、ChatGPTと対話を始めました。まず、著作権が切れていることを確認した上で、ChatGPTに『手袋を買いに』の全文を表示してもらいました。そして、次のように問いかけました。

わたし:天才的な文芸批評家として答えてください。母狐が自分の恐れている人間のところに子狐を送り出すのは、文学作品として破綻していませんか?

GPT:たしかに、表面的には矛盾に見えますが、実はこの行動は物語全体のテーマやメッセージを強調するために重要な役割を果たしています。

現実とファンタジーの間にあるもの

わたし:文学的には破綻していないとしても、現実の親子関係だと「おかしな話」だと思いますが、どうでしょう?

GPT:おっしゃる通りです。しかし、この物語は現実をそのまま描いたものではなく、象徴的な要素が含まれたファンタジーの世界で展開されています。その中では、この行動は十分に筋が通るものです。

わたし:リアルでは「おかしな話」でも、ファンタジーの世界では筋が通る作品が他にもありますか?具体的に3つ挙げてみてください。

GPT:『不思議の国のアリス』『ハリー・ポッターと賢者の石』『千と千尋の神隠し』がそうですね。例えば、『ハリー・ポッター』では、魔法使いの子どもは11歳になるとホグワーツから入学通知が届くというルールが最初から決まっています。そのため、現実ではあり得なくても、その世界では筋が通る設定となっています。

『手袋を買いに』の魅力の秘密

わたし:なるほど。では、『手袋を買いに』には、そのようなルールや設定はありますか?

GPT:『手袋を買いに』には、はっきりしたルールの記述はありませんが、全体のトーンからそれを感じ取ることができます。

わたし:では、なぜ新美南吉は明確に設定やルールを描かなかったのでしょうか?

GPT:それは、物語の幻想的な雰囲気を大切にするためです。また、読者の想像力を尊重するため、物語の普遍性とシンプルさと保つためなどです。

作品の評価とその背景

わたし:新美南吉の「若さ」「技術的な未熟さ」がそれに影響した可能性はありますか?

GPT:たしかにその可能性も考えられます。南吉は若かったため、技術的な面での成熟度が影響しているかもしれません。

わたし:にもかかわらず、なぜこの作品は日本人や文学研究者に高く評価され、長い間、国語教科書にも使われてきたのでしょう?

GPT:それは、日本の伝統的な美意識、特に「無垢さ」や「自然」を大切にする文化が背景にあります。

長年の謎が解けた喜び

ここまでChatGPTと対話を重ね、ようやく長年の謎が少し解けた気がしました。鈴木さんの生成AIの教科書をきっかけに、楽しい時間を過ごすことができました。何だかとても嬉しいです。

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