ハル教育研究所| 教育AI・異文化理解・自由進度学習

ミッション: 教育の未来をリードする。教育AI、異文化理解、自由進度学習、インクルーシブ教育など、革新的な学びの実践を研究。現場教員、大学の教員、学生と連携し、教育現場でコミュニティを形成。代表: 上條晴夫(教育学教授)。『リフレクションを学ぶ!リフレクションで学ぶ』等の著者。

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ミッション: 教育の未来をリードする。教育AI、異文化理解、自由進度学習、インクルーシブ教育など、革新的な学びの実践を研究。現場教員、大学の教員、学生と連携し、教育現場でコミュニティを形成。代表: 上條晴夫(教育学教授)。『リフレクションを学ぶ!リフレクションで学ぶ』等の著者。

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教科書で勉強する世代/動画で勉強する世代/AIで勉強する世代

「進研ゼミチャンネル」で落合陽一さんが「僕が小学生のころは教科書とか紙で勉強する世代だったんですよ/今の子たちは多分、動画で勉強する世代で/今年生まれた子はきっとAIで勉強する世代なんですよ」と語ってました。 保護者向けのYoutubeチャンネルです。 先日発表のChatGPTのデモを見ると、個に寄り添う対話型AIが完成しちゃったようで、昨日は一日中、AI教育のことを考えていました。AIと対話しながらどんな教科学習や探究学習をするようになるか。ワクワクします。 たとえば

    • AIとの教育の未来を考える:教師とAIの新たな関係性

      教師とAIのコラボレーションへの関心近年、AIの教育分野への導入が進む中で、教師とAIがどのように共存し、協力していけるのかが注目されています。教育者としての私も、このテーマについて深く考える機会を持つようになりました。 AIの可能性は非常に広範囲にわたりますが、その中でも特に関心があるのが、「AIアシスタント」「AIエンハンサー」「AIコラボレーター」という3つの役割です。これらの概念は、教師とAIの関係性を再考する際の重要なポイントとなるでしょう。 3つのAI論:アシ

      • フィールドワークレポート:蓑手章吾さんのオルタナティブスクール「ヒロック」での発見

        ヒロック訪問:初見の印象先日、世田谷にある蓑手章吾さんのオルタナティブスクール「ヒロック」を訪問し、フィールドワークを行いました。1日活動を観察する中で、教育的な実験の断片が詰め込まれた場面に数多く出会い、頭の中が整理しきれないほどの刺激を受けました。 自由進度学習:ICTドリルの多様性に驚く9時から2時半までの活動の中で、いわゆる自由進度学習に相当する時間は1時間程度でした。この時間中、特に印象的だったのは、子どもたちが「(良い意味で)非常に雑多なICTドリル」を使って学

        • 教材開発:「難しい」をチャンスにしよう!– ChatGPTの回答方式をヒントに-

          学生のリフレクションを読んでいると、時折「難しい」と書かれているものを見かけます。おそらく、それは思考が一旦ストップしてしまったサイン。しかし、その「難しい」という感覚は実は、成長のチャンスであり、前進するための鍵でもあるのです。 そこで、学生たちに新しい視点を提供したいと思い、2つの読み物教材を作りました。そのタイトルはズバリ、「『難しい』を味方(チャンス)に!」です。この教材では、学生自身が自分に合った方法を選べるよう、「ロジック」を重視するタイプと「イメージ」を重視す

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          ✨ ドバイ在住のDさんとのZoom対話で発見した「冒険のような学び」の可能性

          先日、定期的に行っているリフレクション対話で、ドバイの日本人学校で教員を務めるDさんとZoomを通して興味深い対話がありました。今回のテーマは、「ディズニーランドやオープンワールドゲームのような自由で冒険心をくすぐる環境を教育に取り入れることの利点」。新しい視点に気づかされたので、その内容をまとめました。 🎢 ディズニーランド的な「自由進度学習」と冒険心Dさんは、学びを子どもたちが自由に進められるスタイルを「ディズニーランド」に例えました。ディズニーランドで地図を見て好きな

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          アクティブ・ブック・ダイアローグ体験

          ゼミ論の新しい取り組みゼミ論を「アクティブ・ブック・ダイアローグ」という方法を使って読み進めています。この方法は、ゼミ生がそれぞれ論文の担当部分を分担し、ミニホワイトボードに要約して共有するという形式です。各自が自分のパートを深く理解し、それを仲間に伝えることで、全員が論文の内容をより深く理解することができます。 6人のゼミ生による積極的な発表今年のゼミ生は6人で、全員が担当箇所をしっかり準備し、積極的に発表に取り組んでいるのが非常に印象的です。特にミニホワイトボードを使っ

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          アルゴリズム時代に学ぶ、プログラマー的な生き方と幸せの哲学

          プログラマー(×発信力のある人)を意識的に追いかけています。いまはアルゴリズムの時代と言われていて、いろんなことが機械仕掛けで動くようになってきています。そのアルゴリズムを作っているのがプログラマーの人たちだからです。 たとえばネットメディアで大人気のひろゆきさんの考え方の土台を書いた「1%の努力」という本をよみました。(他だと堀江貴文さん、落合陽一さん、松尾豊さん、清水亮さんなど)これまで読んできた文系の知識人との違いが面白いです。 たとえば、ひろゆきさんの本の中に(忙

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          学生の食と学びを支えるAI:月額3000円の価値とは?

          学生にとって毎月の3000円の支出は、特に生活費の限られた中では大きな負担と感じるかもしれません。しかし、もしその投資が栄養管理や自炊サポート、さらに幅広い学習にも役立つものであれば、価値ある支出と捉えられるのではないでしょうか。この記事では、実際の授業事例を通して、学生にとってAIがどのように役立つのか、またそれが将来への投資となる可能性について探ります。 目次 AIが学生の自炊サポートに役立つ理由 ゼミ授業でのAI活用例 AIを活用した栄養管理とそのメリット 月

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          「マトリックス」に見るデジタル・ネーチャーの美学と新たな発見

          AIと「マトリックス」を見直して AIについてぼんやりと考えながら、映画「マトリックス」シリーズを久しぶりに見直してみました。 この作品は、改めて見ても本当に多くの要素が詰まっていて、観る度に新しい発見があるように感じます。 スタイリッシュな格闘シーンと「デジタル・ネーチャー」 「マトリックス」シリーズといえば、誰もが思い浮かべるのがそのスタイリッシュな格闘シーンです。 特に、ブルース・リーを彷彿とさせるような動きが頻繁に登場します。 あのスピーディーで流れるよう

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          AIと概念理解する方法を考える-AI共創ラーニングの可能性―

          最近、研究仲間の田原真人さんから「AIで概念理解を深める」という新しいアイデアを伺いました。認知科学者の三宅なほみさんは「深い概念理解には従来の大学の教え方を改革する必要がある」と述べています。 大学授業でよく行われている概念の背景・定義・事例を説明する方法だけでは概念理解は不十分だとずっと感じていました。これまでにも様々な方法を試してきましたが、今回は「AIと共に概念理解を深める方法」を探るため、ChatGPT4oと対話をしてみることにしました。 わたし: まず、中学校

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          写真で捉える教育現場: 授業の瞬間をどう分析するか

          イントロダクション: 教育現場での活動を写真に収めることは、学習者の学びや関係性を視覚的に記録する効果的な方法です。しかし、それをどのように分析し、教育に役立てるかは難しい問題です。本記事ではゼミ活動や授業の写真を分析する際の方法やポイントを紹介します。 目次: 写真ドキュメンテーションの教育的意義 写真によるグループ活動の分析方法 各グループの関係性から見る学びのアプローチ 学生リフレクションとの連携 教育現場での写真活用の今後 1. 写真ドキュメンテーション

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          生成AIで遊ぶ日常—新しい視点と驚きが広がる5つの体験

          生成AIの世界に足を踏み入れると、予想外の発見がたくさんあります。効率化や仕事のサポートとしての利用はもちろんですが、私はまず遊び心を大切に、生成AIと一緒に様々な「実験」をしてみました。その結果、普段の生活が少しずつ新しい視点で見えるようになったり、小さな驚きや感動が増えたりしました。この記事では、私が試した生成AIとの遊び心満載の体験を普段書いているFacebookから厳選5つをご紹介したいと思います。 1. チャットGPT4o-miniとの世界の首都クイズ(2024年

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          中学生のためのリフレクション入門①

          先生が教える勉強法のベースにはPDCAモデルがありますPLAN(計画)・DO(行動)・CHECK(評価)・ACTION(改善)。計画して実行します。うまくいったらそれを継続し、うまくいかなかったら改善を加えていくという考え方です。 このモデルを別の言い方で言うと「先生がこんなふうにするといいよと(計画を)教えてくれたやり方で勉強します。もしもうまくいかない部分があれば、自分でそれを少しずつ変えていきます」です。つまり計画には正解があります。 一度くらいは聞いたことのあるか

          中学生のための「成人発達理論」入門

          みなさん、こんにちは。今日は「成人発達理論」という面白い考え方についてお話しします。この理論は、ハーバード大学の有名な先生、ロバート・キーガンさんが中心となって研究してきたものです。 成人発達理論とは?以前は、人間の発達は青年期までで終わると考えられていました。でも、キーガンさんは、そうじゃないって教えてくれたんです。人間の成長は子どもの時期で終わるんじゃなくて、大人になってからもずっと続くんだよ、って。この考え方は、すごくワクワクすると思いませんか? 成人発達理論では、人

          AI時代の教育を切り拓く!武藤佳恭氏の考えを教育現場に取り入れる方法

          武藤佳恭さんの『AIとオープンソースで真贋を見る目を養う―素人の発想力・玄人の技術力』(春秋社・2022年10月)を読みました。武藤さんは、AI技術を活用して、カメラ付き携帯電話や紙幣鑑別機、脳腫瘍判別機などの革新的な技術開発を行い、さらに東日本大震災後には温度差発電や床発電などの代替エネルギー製品を発明するなど、広範な分野での活躍が知られています。本書を通じて、私は武藤さんのAI技術開発に関する考え方が、教育学の分野にどのように応用できるかについて考えを深めました。 ①

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          AIで広がる作文の世界:ChatGPTと子どもの文章力の共通点

          かつて小学校の教員として、子どもたちに作文の書き方を指導してきました。その経験から『書けない子をなくす作文指導10のコツ』(学事出版・1992年12月)という本も出版しました。最近、山田稔さんの『コンテンツホルダーのためのChatGPT超入門』(太陽出版・2023年6月)を読み、教育現場での指導方法とChatGPTを活用したコンテンツ作成法に多くの共通点があることに気づきました。 作文指導のコツとChatGPTの活用法の共通点 書き出しの指示 感想文で「満足度○点である。

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