びりびり、じーん
小さな頃から、
アスファルトと建物に囲まれた、
どちらかといえば
空があんまり広くない景色の中で
暮らしてきた。
親も近くの出身だから、
祖父母の家に行っても、
景色はそれほど変わらなかったし、
普段の生活で目にする緑も、
公園や庭などの、
誰かに管理されたものがほとんどだった。
その反動なのかもしれないし、
そうではないのかもしれない。
大人になってから、
遮るもののない広い景色を見ると、
なぜか涙がこぼれてしまうことがある。
胸がいっぱいになるような、
びりびりと、じーんと、
まるで内側から揺らされ、
震わせられているような。
もしかしたら、
その大きさに
圧倒されているのかもしれない。
もしかしたら、
自分の圧倒的な小ささを
あらためて思い知るのかもしれない。
広い空
広い海
広い地
その景色を眺めるのは、好き。
けれどその大きななにかに、
思わず涙がこぼれてしまう。
(だから、あんまり人と一緒には眺められない)
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