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Photo by
ugto310
たかがマスクの色、されどマスクの色
「色が微妙だからあげる」
と母からもらった、
ちょっと派手な色をした不織布のマスク。
ある朝その存在を思い出して、
普段あまり派手な色の服を着ない私が
つけてみたところ、まるでマスクだけが
ぽっかりと浮かび上がるように
目立って見えた。
マスクの色ひとつで、なんだかものすごく
個性的な人になった気分だ。
その日、たまたま目の調子が悪くて、
まん丸いレンズのメガネをしていたことも、
個性的な印象に拍車をかけてしまった
理由のひとつかもしれない。
ちょっと奇抜かなぁ、と思いつつも、
色以外問題ないからとそのまま家を出た。
着いた駅で、いつも挨拶をする
顔見知りの駅員さんに二度見されたのは、
たぶん気のせいではないと思う。
(普段は白いマスクしかしていない)
電車の中でも、
誰も私のマスクの色なんて気にしない、
なんてことは重々分かっているのに、
それでもそわそわと落ち着かない。
結局悩んだ末、乗り換えの際に
いつもの慣れた白マスクにつけ替えたら
やっぱりしっくりときた。
慣れない(合わない)色のマスクは
するものじゃないな、と学んだ日。
さて残りの派手な6枚は、どうしましょうか。