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4年ぶりの一時帰国:「外国人観光客」目線で日本を見てみました

この夏、4年ぶりに一時帰国しました。
いろいろ変わっていて一層のアウェイ感を感じた中で、一番の印象は「暑い(重い)!」。そして「安い!」でした。

が、今日は、「外国人観光客」の目線で日本を見てみたいと思います。

息子は、日本語で会話することはできますが、読み書きはできません。
ですので、彼の目から入る情報は外国人と近いのです。
前回までは彼もまだ小さかったので気づきませんでしたが、12歳となった今回は、彼目線の話を聞くことで、なるほどーと思うことが多々ありました。
そんな話をまとめてみようと思います。

一番に思うことは、「伝わってない」のではないかなーという心配です。

英語表記が少ない


まずは、街中全体に英語表記が少ないことです。
地方では、なぜか中国語と韓国語の表記はあるのに英語はないというところもありました。
地名、駅名、案内板などはっきりわからなくてはならない所は確実に、またメニューなど読めないと困るところではできるだけ、わかりやすい英語を、目に入りやすい大きさで記載するようにした方が混乱を防げると思いました。

とあるトイレでは、並び方を大きく絵に描いて表現していました。外国人の方も多くいらしていましたが、書かれた通りに並んで混乱もありませんでした。とても素敵な工夫だと思いました。

やたらと細かな注意書きが貼ってあるようなところも多くありましたが、おそらく、きちんと読む方は少ないのではという気がします。どうしても伝えたいことがある場合には、短くはっきりと。そして、絵やデザインで工夫するというのも伝わりやすくなると思います。

英語表記について、息子が一番ショックを受けた、というかがっかりしたのは、科学博物館を訪れた時です。
彼は科学博物館が大好きなので、日本でも2か所に行きました。
書いてあることをきっちり読んで、理解しながら見るのが好きな彼は、英語表記がほんの少ししかないことに相当落胆していました。
英語があったのは、導入部分の解説だけだったり、名前だけだったり。
しかも、私が説明してあげようとしても、彼の「何で?」の疑問に答えられるようなことは書いていないことが多く。日本の科学博物館は、子どもを科学好きにさせるのが苦手なのでは?と思ってしまうほどです。…と、これは英語とは別の話でした。

博物館や美術館には、外国人観光客も多く訪れていました。興味を持って見に来る多くの人たちが理解しやすいよう、日本語と英語を併記していただければ、もっと親切になるのではと思いました。

英語の発音


英語の発音が難しいのは、よーくわかっています。私には息子というかなり忍耐強い先生がついていますが、何度も何度も直されて、いつも最終的には「はあ」か「無理かな…」というつぶやきで終わるわけで。
なので、みんな英語の発音がんばろう!なんてことを言いたいのではありません。

英語は世界共通語になっていて、いろいろな国の訛りがあるのは当たり前のことになってきていると思います。ですので、対面で話すなら、発音がネイティブでなかろうが、いろいろ間違っていようが、相手の反応を見ながら、お互いに補い合いながら話せるので全く問題ないと思うのです。それでもがんばって話す方が交流できると思うのです。

問題は、アナウンスです。
駅や電車やバスの中でのアナウンス。これは録音で流すものなので、ネイティブの方にお願いできないものかなと思いました。
というのも、おそらく外国人の方は、日本語発音の英語アナウンスが流れていても、「日本語だー」と思って聞き流してしまうと思うのです。騒がしい中でのことですし。
初めての乗り物に乗るのは不安なものです。そんな時、車内アナウンスはとても助けになります。それが聞き取れないとなると、不安は大きくなるのではないでしょうか。WiFiを持っていなければ地図を見ることすらできないのです。

息子は、「え?今の英語だった?」と言う時と、「何言ってるか全然わからない」と言う時と、さらには「公で言ってはいけない言葉に聞こえてびっくりした」と言う時がありました。
日本語話者には難しい、ちょっとした発音の違いも、聞く人によってはよくない言葉に聞こえてしまうこともあるようです。こういうところはやっぱり、ネイティブの方の助けが必要なのかなと思うのでした。

スペルミス


スペルミスの多さにもびっくりしました。
せっかく英語表記があるのに、スペルミスはもったいない!
息子はあちこちにあまりにもスペルミスが多いので、見つけるのが楽しくなってきたようで、駅の看板、公園などの案内板、さらには教科書や本のタイトルなど、スペルミスを見つけては笑っていました。
よほど困った間違い(違った意味の、しかも悪い言葉になってしまうとか)でなければ通じると思いますが、やっぱり気をつけたいものですね。

ローカルルール


知らないと難しいことがいろいろありました。
それは、日本だけではなく、どこの国に行っても同じことが起こると思うのですが。

地元の人、よく行く人なら当然知ってるけれど、初めての人にはわからない。でも、ここでは当然こう振る舞うべきでしょう的な圧を感じる場面がいくつかありました。それを察して行動しろというのは、外国人には難しすぎます。「これでいい?」的におどおどしている外国人もちょいちょい見かけました。

私たちの場合は、よくわからなくて間違った行動をしてしまったことに対して、きつい言葉で怒られるということも何度かありました。

私たちが日本語を話して、見た目も日本人だから怒られても仕方ないのだと思います。わかっているはずなのに変なことをする人もきっとたくさんいて、お疲れなのだろうということも察します。
でも、見た目が日本人でもわからない人もいるのです。息子のように”日系〇〇人”で注意書きも読めない人もいるし、普通に日本に住んでいても初めてでわからない人もいるでしょう。

みんな同じじゃないということが、もう少し自然になっていくといいな〜と思いました。

もうひとつは、日本人なら「まさか」と思うようなことも、外国人には「まさか」ではないこともあるということです。

例えば、富士山の弾丸登山が問題になっているというニュースを見ました。日本人ならそれが無謀なことをよく知っているけれど、彼らはもしかしたら知らないだけなのかもしれません。悪く考えれば、「日本って、救急車無料なんだってよ」「まじで?じゃー余裕じゃん」などと言ってそういうことをしている可能性だって考えられちゃいます。(アメリカでは、救急車に来てもらうだけで$2〜3,000くらいはかかります。)

外国人の方がいらっしゃると、「そんなことあるわけない」と思っていたことも起こるんだということを頭に置いておくと、心臓に悪くないのではと思うのです。
日本の「常識」を全く知らない、普段の暮らしも考え方も、全然違うみなさんなのです。

治安


治安の良さは、本当に素晴らしいと思いました。
ちょっと荷物から離れるようなことがあっても全然大丈夫だったり。あんなに多くの人が近くに接する電車だって、概ね安全だったり。「日本だから大丈夫」という場面が多々ありました。

ある日、東京タワーの夜景を見に出かけました。帰りは9時近かったでしょうか。普通にそんなに遅くない時間です。でも、アメリカでは、そんな時間に身一つで街を歩いたりはしません。
駅から家までの道のり、息子はずっとキョロキョロしながら「危ないよ。こんなとこ歩いてていいの?危ないよ」と言いっぱなしでした(笑)
「日本は大丈夫なんだよ」と言いましたけど、「いや、それでもこれはよくないよ」と、かなりの早足で(笑)

電車の中で眠れたり、酔っ払って地べたで眠れたり。歩く時、周囲の様子を確認しなくても大丈夫だったり。これは全然普通のことではありません。
日本の治安の良さは、他の国ではなかなか得られないとても貴重なものなのではと改めて感心したのでした。

(余談)ローマ字


パッケージなど、おしゃれ感覚なのか、ローマ字がつらつらと書かれているものってちょいちょいありますよね。それを読んだ息子が困惑する場面がありました。
スペルミスや文法ミスを探すのが楽しくなっていた息子は、その日もシャンプーの容器に書かれた英字を読んでいました。
「あ、これローマ字だ」と、そこはすぐに理解しました。でも、「あれ?これって…?」と。
見てみると「care」をなんと読んだらいいのか悩んでいたのです。
よくよく見たら、「care」だけでなく「enjoy」とか「hair」とか、ところどころ本物の英語が混ざっていました。
私も初めて気づきましたし、日本人ならなんとも感じないことかもしれません。ですが息子にとってはびっくり。ちょっとおもしろいですよね。
外国人が読むのだとしたら、もしかしたら「kea」とか「enjoi」とかにした方が親切なのかもしれません。というか、そもそも英語を挟まない方がいいってことですかね。
ま、外国人が読むなんてことは滅多にないと思うので問題ないですね。
外国人から見るとおかしく見えるものにはこんなものもあるよ〜という余談でした。


日本は、親切で、緑豊かで、おいしくて、本当にいいところだなぁと改めて感じました。
日本を訪れる外国人のみなさんが、安心して、十分に楽しんで、日本に行ってよかったな〜と思いながら無事帰ってくださるとうれしいなと思います。

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ハル
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