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子供たちの作るビジネスモデル

昨年3月に外出禁止令が出てから、息子たちの学校生活はがらりと変わってしまいました。
突然の休校から一度も登校できないまま終わってしまった3年生。
そして迎えた4年生は、途中から対面とオンラインのハイブリット。
様々なことが中止になったり形を変えたりしながらも、なんとか一年を乗り越えてようやく夏休みに入りました。

息子たちの学校では、学年の終わりに「Funny Money」という毎年恒例の行事があります。
Entrepreneurship(起業家精神)という授業の一環で、4年生が考えたビジネスで、他の学年の子供たちが遊ぶというものです。

去年も中止。今年ももちろんできません。
一番楽しいはずの4年生のこのタイミングで「Funny Money」ができないのは残念だと思っていました。
それが、バーチャルで開催されることになったのです。
実際に店舗を運営してみんなに遊んでもらうことはできないけれど、企画は固めてクラス内でプレゼンテーションしましょうというわけです。

子供たちは大喜びで、本当に楽しそうに取り組んでいて、私も時々のぞかせてもらって一緒に楽しくなりました。

グループ分けがいい

まずはチームを作ります。
それが素敵なのです。
なんと、チームは4人以内なら何人でもいいということだったそうです。
そう。1人でやった子もいるです。

よくありがちな仲間外れ問題は起こらないのですね。
そして、働かない子や意見の合わない子がいるくらいなら1人でやってしまいたいという希望も当たり前に通るのです。
自由でいいな~と思いました。

現実的でいい

子供の遊びだから適当でよいというわけではありません。

まずは何をするかを決めます。
そして、ビジネスネームを決めます。
名前が決まったら、ロゴを考えて、アピールポイントを整理して広告内容を考え、ポスターを作ります。
同時に、原価を考えながら値決めをし、どの程度の利益が見込めるかを計算します。
利益が出た場合、そのうちの何パーセントをどこに寄付するかを検討し、残りはどうするのかを決めます。
実際に店舗を出すことになったら必要となるものをリストアップします。

といった具合です。

きちんと原価率を計算しながら値段を決めるところや、利益の中から寄付すること、しかもなぜその団体に寄付することに決めたのかも明確にしなければならないことなどが、さすがだ~と感心しました。

息子は、いつもチャットアプリを使って一緒に遊んでいる仲間4人でチームを作ったので、あっという間にそれぞれの得意分野を活かして役割分担をし、Google Driveにおいてあるスライドに各々同時に書き込みながら着々と進めていました。
授業時間でない時にも、遊びながら打ち合わせをしたりしていました。
時には経験者である仲間のお兄さんが登場してアドバイスしてくれたりしたのも、オンラインならではです。

実際に開催できれば、どんなビジネスが人気があり、どんなビジネスは人気がなかったかということもはっきりわかります。
それは、とてもいい勉強になるだろうと思います。

個性的でいい

子供たちは、どんなビジネスを考えたのでしょう?

息子は、仲間のうちの1人の希望に合わせてドリンクスタンドを作りました。
先生には「実際にやるのだったら、食べ物飲み物はダメだったのよ~」なんて言われたそうで、笑ってしまいましたけど。

お水、レモネード、アップルジュース、ソーダなどメニューを考えて値段を決めて、氷の値段もちゃんと決めていました。
広告文句も、オーガニックのレモンを使ってハンドメイドだとか、それなりに考えていてなかなかおもしろかったです。

他には、紙飛行機を売るお店を考えたチームもありました。
実際には売らないのに、いろいろなものを作って楽しんでいました。

水風船投げゲームを考えた子もいました。
そのまま持って帰ってもいいし、的に投げて当たればプライズがもらえるとか、5個で$5、$10出せば11個もらえるとか。

ルービックキューブを$70で売ろうと考えていたチームは、クラス中から「ちょ、ちょ、ちょ」と総つっこみを受けていたそうです。

一番おもしろかったのは、詐欺ビジネスを考えたチームがあったということです。
先生も、「Funny Moneyで詐欺を考えた子は初めて見た!」と大笑いしていたそうです。
ほとんどあたりのないくじを買わせて、しかも値段が1回$1、5回$10とかめちゃくちゃだったそうで。計算できなかっただけなのでは?なんて思ってしまいましたけど。

何かを売るというだけでもいい。しかも、自分で作ったものでなくても、例えば家にあるおもちゃとかでもいい。
もしくは、ゲームや、髪の毛をスプレーで染めるなど、アクティビティを提供してもいい。
くじを買ってもらうなど、お金を払った人が必ず何かがもらえるという形でなくてもいい。
自由があって、個性的で、とてもいいと思います。

お金の使い方が学べていい

他の学年の立場になると、お金の使い方を学ぶことができます。

子供たちには、ここでしか使えないおもちゃのお金が、全員に同じ金額分配られます。
小さなおもちゃを買ってあっという間に使い果たしてしまう子。どれにしようかなと迷っているうちに時間が足りなくなってしまう子。いろいろな子がいるのです。

息子は、一番最初のキンダーの時には、どうしたらいいのかわからないままにお金をあまらせてしまったようですが、その後、年々遊び方に対策を立てるようになり、いかに効率よく望むものにお金を使えるかを考えるようになっていきました。
ある時は、くじにあたって、当時の息子と変わらないんじゃないかくらいの大きな犬のぬいぐるみをゲットしたこともあります。迎えに行ったらおんぶして現れたので大笑いしたものです。(茶色くてクマだか犬だかわからない感じなので、犬田熊太郎と名付けて未だにかわいがっています。)

こんな風に楽しみながら、お金の使い方、商売の仕方を学ぶことができるこの行事、素晴らしいなと思っています。

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ハル
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