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PLではしっかり利益が出ているのに、なんで銀行預金の残高は少ないの?
※standfmで音声でも配信しておりますので、音声で確認したい方はこちらをどうぞ!
https://stand.fm/episodes/677ce2f0cae0e52519b51a30
「利益が出ているのに、なぜお金が増えないの?」
会社の経営者や個人事業主として、「PL(損益計算書)では利益がしっかり出ているのに、銀行の預金残高が思ったほど増えない…」という違和感を抱いたことはありませんか?
「もっと利益が出ているはずなのに、なぜ現金が足りないんだろう?」
「来月の支払いが心配で、売上よりも資金繰りに頭を悩ませている…」
このような悩みを持つ方は少なくありません。特に、ビジネスが順調に成長している時期ほど、キャッシュフローの問題が表面化しやすくなります。
実は、利益と現金の増減が一致しないのは、経営の仕組みとしてはごく自然なこと。
その背景には「入金タイミングと支払タイミングのズレ」や「見落とされがちなキャッシュフロー管理」が深く関係しています。
この記事では、 「なぜ現金が増えないのか?」を解き明かし、具体的な改善方法を解説 します。
利益は出ているのにお金が足りない理由を理解し、健全な経営を目指すためのヒントを一緒に探してみましょう!
まず、考えられる原因として、「入金より支払が先にある」が挙げられます。どういうことかというと、事業を運営する上で、売上が発生してから実際にお金が入金されるまでにはタイムラグがあることが一般的です。一方で、仕入れや人件費、家賃などの支払は、売上が入金される前に支払わなければならない場合が多いです。
たとえば、以下のようなケースを考えてみましょう。
ケーススタディ: 売上の入金が遅れる
A社は月商500万円のサービスを提供しており、顧客からの入金はサービス提供から60日後です。しかし、従業員への給与やオフィス家賃、仕入れ費用などは、月末に現金で支払う必要があります。この場合、PL(損益計算書)上は毎月利益が出ているように見えても、実際のキャッシュフローがマイナスになる可能性があります。
キャッシュフローを圧迫する原因
「入金より支払が先」という状況が続くと、以下のような問題が発生します。
運転資金の不足
入金の遅れが積み重なると、日々の経費をまかなう現金が不足する可能性があります。取引先との関係悪化
取引先に支払が遅れることで信用を損なったり、追加の利息負担が発生したりすることがあります。予期しない支出の対応が難しくなる
急な設備投資や修理費用が必要になった際、十分な現金がないと迅速な対応が難しくなります。
では、どうすればいいのか?対策3選
こうしたキャッシュフローの問題を解決するために、以下のような対策を検討することが重要です。
1. 入金タイミングの短縮
取引先との交渉により、請求書発行後の支払サイトを短縮してもらうことを検討します。例えば、60日後の支払条件を30日後に変更してもらえれば、キャッシュフローの改善につながります。
2. 仕入先との条件交渉
仕入れ業者や取引先に対して、支払期日の延長を交渉することで、手元のキャッシュを確保できます。ただし、相手との信頼関係を損なわないよう、慎重に進める必要があります。
3. 資金調達の工夫
運転資金を確保するために、銀行からの融資やファクタリングの活用を検討します。特にファクタリングでは、未回収の売掛金を売却して現金化することで、早期にキャッシュを手に入れることが可能です。
キャッシュフロー管理の重要性
PLが黒字でも、キャッシュフローが悪化している場合、会社の経営は危機に陥る可能性があります。そのため、経営者は「利益=現金が増える」ではないことを理解し、PLと同じくらいキャッシュフロー計算書を重視する必要があります。
以下のような視点で定期的にキャッシュフローをチェックしましょう。
売上の入金タイミングと支払タイミングのギャップはどうなっているか?
予期しない支出に備えた現金の余裕はあるか?
資金調達の選択肢を確保しているか?
まとめ
「利益が出ているのに現金が足りない」という状況は、多くの経営者が直面する問題ですが、適切な対策を講じることで乗り越えることができます。キャッシュフローを制する者がビジネスを制する、といっても過言ではありません。現状の入出金の流れを見直し、効率的な資金管理を目指してみてはいかがでしょうか?