わたしのこと。
わたしの職業は、看護師。
入職当初は名乗るのもおこがましいと思うくらい、全然仕事ができていないという気持ちが大きかった。
でも、少しずつ少しずつ、職場のみなさんのおかげで成長できている。
何より今は、自分の仕事のことを少しだけ誇らしく言えるから嬉しい。
仕事はもちろん大変だけれど、とてもやりがいを感じられる。
わたしのいる科の患者さんの多くは、リハビリで程度の差はあれ回復していくから。
口から食事ができなかった方が自分でごはんを食べている、車椅子に乗っていた方が歩いている、そんな様子を見られるのは本当に嬉しいことだ。
ただ、正直本当に心がやられてしまうこともある。
病の残酷さ、肉体的・精神的苦痛、家族や仕事との関わりの変化、社会との繋がりの希薄化、生きがいの喪失、未来への絶望。
それに、病院生活という非日常がある日突然日常に変わるということ。
そんなさまざまな衝撃や葛藤の渦中にいる患者さんの側にいて、心が揺らがないのも人としてどうなのかと思うくらいだ。
ただ、看護師という立場に求められているのは、家族と一緒に悲しみに打ちひしがれることではない。
一番側にいる医療者として常に寄り添い、時に手を差し伸べ共に立ち上がり、病気とともに生きる未来を一緒に想像し進んでいく存在だとわたしは思っている。
そう思っていても、家族の激しく慟哭する姿を見て一緒に涙しそうになったり、病の残酷さや自分の不甲斐なさを思って一人泣くこともある。
こうして記録していこうと思ったのは、人の生や死について日々感じたり考えることを残さなくてはと思ったから。
看護師として、そして一人の人間として、葛藤したり矛盾したりする気持ちや、いろいろなしんどさと向き合う自分を忘れないために。
2018.11.1