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19歳がヨーロッパキャンプ旅に行ってみた。
19歳も終わりかけの夏、僕はヨーロッパへ旅立つことにした。
普段から環境問題や若者の政治参加の促進などに対して活動する中で、なんとなく、ただなんとなく、ヨーロッパに行けば何かが掴めると思った。
いままで学んできた民主主義のあり方や、アクティビズムのほとんどは、ヨーロッパを参考にして派生したものであり、それらを創造し一般化させた社会や、人々を体感したかった。
などなど、まあヨーロッパに行こうと思った理由はまだある。
しかし、なんていうか、振り返って思えば「バックパッカーへの憧れ」が最も僕を突き動かした理由なのかも知れない。
多分それが諸悪の根源。
この最高に面白くて、最悪な今回の旅の始まり。
※自分でも書いてて恥ずかしくて笑ってしまうような反省ばかりで、それすらも楽しくなっちゃってます。バカだなあと思いながら読んでください。色々な勘違いに気がつきながら進んでいった僕の旅を。
バックパッカーってすごい!!
昔から、旅をすることに強い憧れを持っていた。
旅行ではなく、旅。
そこを間違えられると内心腹が立つほど、旅に焦がれていた。
何も決めずにとりあえず行く。泊まる場所もその時決める。なんならキャンプで朝を迎える。ご飯も釣りで現地調達。
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その計画性の無さから生まれる「余白」の中に、僕(たち)の旅の価値があると信じていた。
漁師さんからタイや牡蠣を貰って豪華すぎる食事をしたこと。全く魚が釣れなくて、岩に張り付いてる貝で腹を満たしたこと。
それすらも楽しめるのが、楽しかった。
個人的に、出会ってきたバックパッカーたちは、幼少期は自然の中で遊んで、中高生で日本を旅するように、そして大学生になったら1年くらい海外に行っていた。僕もその流れに乗りたかった。海外に行きたかった。1年くらいは。
19歳、ヨーロッパに旅立つ!
高校を卒業して、大学に1年間行った。
「このレベルの大学生活に満足したまま、2年生になるのは嫌だ!」と思って、休学届を出した。
海外に行くしかない!!そう思った。
オランダ行きの格安飛行機(6万5000円)のチケットを取る。
60Lのリュックを買う、
暖かい寝袋を買う。
あと服を真空にできる袋も。
買ったものはそれだけ。あとはテントとかカメラを詰めた。
変換プラグとかを買ってないあたり、何も考えてないことが手に取るようにわかる。マジでなにしてんだ。
9月12日、空港まで来てくれた友達に別れを告げて、飛行機に乗った。
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出国すらできなかったらどうしよう…とか思ってた。
実際は、顔写真のゲート通るだけでもう搭乗口。つまんないの。
成田→上海→アムステルダムの飛行機だった。
上海での待ち時間は脅威の18時間。けどそれすらも楽しい。
上海空港の床で寝るバックパッカーたちに紛れ込んで「こういうの慣れてますけど感」を出すのが楽しかった。
バックパッカーになってる!!!って気持ちで溢れてた。溢れ出した興奮を発散するために、いろんな人に話しかけてた。
「どこから来たの?」「どこに行くの?」「なにしに行くの?」「僕はね…」
こんな時間がずっと続くって、バックパッカーになるって素晴らしい!!
中国のご飯って美味しいし、トイレは汚いし、どこに行くにも荷物チェックはあるし、習近平の顔はどこにでもあるし。
なんにでもワクワクしてた。ずっと笑顔だったし。
オランダに到着!
夜、アムステルダム空港に到着。
まずは男子トイレの高さにびっくり。え?僕でギリギリって、オランダ人どんだけ背高いの?(19歳の平均身長は182センチらしい)
ドキドキの入国審査。
I am a touristじゃなくて、I am a travelerって答える徹底っぷり。
なんなら、
テント持ってます!
帰りの飛行機?取ってません!
宿?決まってません!だってバックパッカーだから!
もう滑稽すぎる。職員の方、よく入れてくれた。
※帰りの飛行機を持ってないと入国できないかもしれないらしい。みんな気をつけてね
無事入国してから、3時間くらいかけて友達の家に。
最初からキャンプとかやらなくてよかった。このテンションでやってたら多分荷物盗られてるか、死んでた。
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3日間くらいいたんだけど、毎日散歩してた。石畳、レンガの家、おしゃれなパン屋、ブリトー屋さん、スーパー。
ヨーロッパ最高!!!全部可愛い。
デンマークに!!NYNJのみんなと視察
旅行者の味方、FLIX BUSを使って、陸路でオランダからデンマークへ。ベルギー、ドイツとか何カ国も通って、デンマークに着いた。
ついて街を散歩していると、最高にChillな芝生を発見。
近くにいたおじさんと話した。
「おじさんにとってのHYGGEってなに?」
「ビールを飲むことだよ」
ガハハと笑うおじさんを見て、なんだか幸せな気持ちになった。
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その日から、NYNJのみんなとAirbとかに泊まりながら、いろんなところを見に行った。
幸福だと言われてるデンマーク社会はどう成り立ってきたのか。
民主主義が育ち、発展していく環境に、ビリビリと刺激を受けた。
特に学校教育の先進具合は、半端じゃなかった。いま日本で広がりつつあるオルタナティブスクールは、もうこっちでは公教育だった。
就活、受験戦争、ネオリベに取り込まれた「正解ルート」から、どう子どもたち、大人たちの幸福を尊重する社会へとトランジションしていくのか。そんなことに悩むことが馬鹿馬鹿しくなるほどに、ここの社会は何歩も先を進んでいた。
9年間の義務教育が終わったあと、1年間「リラックスするため」の学校(エフタスコーレ)へ進学するという選択肢を、4分の1の学生が選んでいること。
高校を卒業してすぐに大学に行く選択肢は当たり前ではないこと。日本では約60%の人がストレートに大学に行くが、デンマークでは学びたくなった時に大学に行くのが普通。デンマークで出会った19歳は、ギャップイヤー2年目らしく、来年から大学に行くとのこと。(進学率とかで比較しようと思ったけど、いいデータが見つからなかった!ごめん)
けど何より驚いたこと。
日本で自由教育が広まってる背景は「子どもの幸せ」を追求するべき。という意見に基づくもの。
でもデンマークでは、「健全なデモクラシーのために」こういう教育を行っていた。教育の主語が「子ども」ではなく「社会」だった。
子どもたちが、1人で、みんなで、自分や社会と向き合える時間を作ることは、もちろん子どもの幸福にも繋がるけど、何よりデモクラシーの発展に繋がる。
そんな考え方が国民の共通認識で、子どもも親も教育を信頼している。そんな国があるのか!!!
飼っていたマムシに噛まれた時くらい衝撃だった。
やっぱり僕は、学校が作りたいのかもしれない。学校じゃなくてもいい。
子どもたちが自由に育つことが、その子自身の幸せはもちろん、民主主義も成熟させていく。
僕は、民主主義が育つ環境を増やしたいし、自分の手で作りたい。
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ここは動物を専門的に扱ってた。
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面白かったけれど、僕は企業じゃないな〜と再認識
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気候変動のワンイシューでも多様な若者団体があった。
何回も「へ〜」を超えてきたデンマーク視察。
けど、どんな視察先よりも刺激を受けたのは、みんなが「NYNJでもこれしよう」とか「これにワクワクしたから、日本に持ってく!」って言葉にしていたこと。
僕って、なにがしたいんだろう。なににワクワクしているんだろう。今の僕には何が必要なんだろう。
僕がやりたいこと、社会に必要なこと、
僕にしかできないこと(僕以外やらないこと)
3つの円の重なりには、何があるんだろう。
ヨーロッパ旅がスタートして1週間も経たずに、この問いの答えを探す必要が出てきた。
このタイミングでキャンプ旅スタート
いや、本当にいいタイミングで、キャンプが始まった。
問いへの答えを探すために、僕は何をするべきなのか。
僕がとても尊敬している、上司みたいな、仲間みたいな、友達みたいな人が教えてくれた、「バッドに入っている」状態だった。
もう、何もかも見直したい。新しい自分にならなきゃいけない。
この感覚はこれまでも何回もあったので、迷わず自然の中に飛び込みに行った。考えるには、街はうるさすぎる。
てことで、湖へ。森の中で、何もせずに過ごした。自然享受権。
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なんかお腹も空かなくて、ほとんど食べなかった。僧侶?
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Silkeborgの駅から歩いて30分。
いっぱい考えた
まず考えたのは、僕はバックパッカーであるべきなのかってことだった。
なんでバックパッカーになったんだっけ?
ヨーロッパでの旅を振り返って、僕はいくつかの危機感に気づいてしまった。
先進国のバックパック旅、全然面白くないぞ…?
いや、もちろん最初の1週間は最高だった。けれど、このまま2〜3ヶ月滞在できる気がしなかった。
→飽きることへの危機感。てかほぼ飽きていた。石畳見ても何も思わなくなっていた。
先進国って、英語が通じる。死にかけてもお金さえ払えばなんとかなる。マックどこにでもある。
→特権に溢れた旅を続けることへの危機感。
こんな旅で、何か掴めるものってあるのだろうか?
→ヨーロッパに行くという理由で、断ってきたイベントがたくさんある。日本でそれに参加した方が、よっぽど有意義なのでは?という危機感。
円安やばい
→何をするにもお金かかる。マックでセットとか頼んだら2000円とか飛ぶ。親には絶対にお金を返すって決めてるから、将来の自分のお財布への危機感
(というよりも、何か買うたびに高いなあって思いながら暮らすの精神的にキツい)
1年くらい行ってるのが格好いいと思っていた
→バックパッカーたるもの、期間は長ければ長い方がいいと思っていた。それがモチベーションになっていることへの危機感。
そんな危機感の他にも、たくさんの勘違い。
勘違い:海外に行くことがバックパッカーへの登竜門だと思っていた
勘違い:無計画であることが「最高」という認識
勘違い:旅は長ければ長い方がステータスになる
勘違い:想定外のトラブルや優しさを、どれだけ享受できたか=旅の満足度
勘違い:ヨーロッパの街は、歩くだけでずっと暇を潰せると思っていた
勘違い:野宿ってめっちゃ楽しい
勘違い:僕って、なんでも楽しめる!
勘違い:新しい世界、人、制度、文化、なんでも面白い!最高
etc…
なんか、もう書きながら笑ってしまうくらい笑
もうだめだ!!先進国バックパッカーは向いてない!!
バックパッカーでは居続けたいので「先進国」に限り向いてないアピールをする。
決めた!!ヨーロッパを出よう。
そう決めたら早かった。すぐ親に一応連絡。
僕は親に連絡するのを怠る傾向にあるので、直そうとしている。
日本にそのまま帰るんじゃなくて、最初はベトナムとかタイに行こうと考えていた。このままじゃ帰れないぞ!!とか思ってた。
まだバックパッカー神話に取り憑かれている。
結局、どちらにせよ一度日本に帰った方が安かったので、日本行きのチケットを取得。2日にコペンハーゲン発。あと1週間くらい。
帰ることは決まった。けど帰る前に、バックパッカーぽいことは全てやっておこうと思った。
まだバックパッカー神話に取り憑かれている。
けど、憧れは止まらないよね。
バックパッカーぽいことやってみた
ヨーロッパに来る前に見ていた、バックパッカー系ブログを参考にして、色々やってみた。
まずはヒッチハイク。Ry stationで降りて、湖まで行く。
ダンボールもペンも持ってないので、直接声掛け。けどおそらく、そっちの方が勝率いいのは日本も海外も同じだね。
2組の車に乗せてもらって、近くまでこれた。
けど達成感はあまりない。もう冷めてしまってるのだろうか。ヒッチハイクが目的になっているからだろうか。
次は、人の家でご飯をご馳走になる。
これは、、無理だ。
さすがに、ご飯食べさせてくださいとは言えない。
次は、寝袋だけで野宿。
湖の近くに数個置いてあるウッドデッキに寝袋を敷いて、リュックを枕にして寝てみた。
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綺麗すぎて涙が出てきた。
この景色を見ながら、僕が大好きな『地球そして生命の誕生と進化』を思い出していた。1時間かけて46億年の歴史を説明する動画。
ヨーロッパ来たの失敗だったかな、とか、浅はかだったかな、とか考えていた自分を、ずっと変わらない湖と星空が包み込んでくれた。
あーーー。もう最高。自然最高。なんて圧倒的なの。
そうこうしてる間に、いつの間にか眠りについてた。風が吹くから、かなり寒かった。
寒かったのに、夜中に湖に飛び込むデンマーク人の音で起きたから、本当に感覚違うんだなって思った。本当にどこまでも寒ブリ。
ということで、もう少しだけデンマークにいます
なんだか大変な遠回りをしたようで、近道だったかもしれない。
なんだか最高だったようで、最悪だったかもしれない。
もうよく分からないけど、まずはこんなに赤裸々に自分の反省とか勘違いを書いている自分に、スタンディングオベーション。本当すごいよ。
『はるかの行き当たりばっ旅』で応援してくれてたみんな、ありがとう。
今回の旅はとりあえず帰るけど、また来年デンマークのフォルケホイスコーレに行くので、まだフォローはしといてね。
それじゃ!だらだらと長すぎる文章を読んでくれてありがとう。
2023.9.27
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