見出し画像

いま注目の国内アートホテル10選【東日本編】

こんにちHARTiの田邉英也です!

今回は第三弾として、ホテルへのアートの活用事例について紹介したいと思います!

前回はCDジャケットへのアートの活用事例を紹介していますので、まだご覧になられていない方はぜひご覧ください!


1. BnA_WALL(東京)

画像1

画像引用:BnA_WALL - 変化を楽しむアートホテル

BnA_WALLは2021年2月にオープンし、アーティストの制作空間の併用や、宿泊費がアーティストに還元されるシステムを通して持続可能なアートシーンの活性化を目指すホテルです。

また、制作・展示スペース、巨大壁画、カフェ、バー、ラウンジを併設し、「Play」「Work」「Life」「Creation」と幅広い活動を目的としたオルタナティブホテルです。

客室に絵を飾ることや描くだけではなく、各客室ごとの床・壁・天井から家具に至るまでアーティストとこだわり抜いて作り上げられており、YOSHIROTTENSIDE COREなど気鋭のクリエイター23組と共同制作した宿泊型アート作品26部屋を楽しむことができます。

創業者である田澤氏は大学時代にアメリカ北東部で過ごしており、たくさんのアートを作るパーティーを主催したり、砂漠で開催するアートフェスティバルに参加したりと、学生時代の日常には常にアートがあったそうです。
そこで、人を行動に導くアートの力を感じ、BnAを創業する際に普通にホテルを作っても面白くない、「東京で一番尖った・面白い部屋を作ろう」と考え、日本での若手のアーティストにはなかなか仕事の機会などが与えられないという現状に対して、若手アーティストにもっと機会を提供できるようにしたいという考えから、アートを取り入れたホテルを作るようになったそうです。

【BnA】 Room306 昼がみた夢 -daytime's daydream-

【BnA】都市の巣

【BnA】氷帽

引用:https://prtimes.jp/a/?f=d52136-20191209-5523.pdf
https://exp-d.com/interview/6703/
https://www.bridgine.com/2021/04/07/bna_wall/


2. BnA HOTEL KOENJI CENTER BUILDING(東京)

画像5

画像引用:BnA HOTEL Koenji - Meet Tokyo's Art Community

BnAホテル高円寺は2016年3月にオープンし、アーティストの制作空間の併用や、宿泊費がアーティストに還元されるシステムを通して持続可能なアートシーンの活性化を目指すホテルです。

ホテルには、カフェ/バー、ギャラリー、屋上テラス、2つのアートホテルの部屋があり、フロントデスクと呼ばれるカフェ/バーは、チェックインポイントとして機能するだけでなく、地元のアーティストが互いに「チェックイン」してアイデアを共有するためのハブとしても機能させています。

また、屋上テラスは日中一般に公開されており、クリエイティブな人々が互いにネットワークを築き、刺激し合う場をとして提供し、地下のアートギャラリーでは、新進気鋭の国際的なアーティストにユニークな機会を提供するようにしています。

画像6

画像7

引用:https://www.bna-koenji.com/


3. BnA STUDIO Akibahara(東京)

Main_img_templateのコピー

画像引用:BnA STUDIO Akihabara - Art Hotel in Tokyo

BnA STUDIO Akihabaraでは、東京のアーバンカルチャーを体現するアーティスト達、StudioBOWL81 BASTARDS51.3 G-WAVEとコラボレーションして泊まれる作品空間をプロデュースしています。

ただ部屋に絵を飾る・描くだけではなく、部屋の形から特注家具、素材まで全てが1つのコンセプトを形作っており、宿泊者はアーティストの世界観に引きずり込まれるかのように、他にない実験的空間を楽しむことができます。

2020年4月の地点では、稼働率は9割近くあり、宿泊者の7〜8割は海外から訪れている人だそうです。

また、一階にはクリエイター集団のMIKKEが会員制コワーキングスペースを運営しており、日常感と非日常感の両方を楽しむことができるホテルとなっています。

画像9

画像10

画像11

画像12

引用:http://bna-akihabara.com/


4. パークホテル東京(東京)

画像13

画像引用:Official Website | Park Hotel Tokyo | Art Hotel in Tokyo

パークホテル東京は、「日本の美意識が体感できる時空間」というコンセプトのもと、館内各所でアートを意識した空間づくりを進めています。

アーティストフロア(31階)の全客室は、壁に直接絵を描いた「アーティストルーム」で、客室そのものが作品空間となっており、各階の廊下やロビーなどでは作品展示なども行われています。

アーティストルームは、アーティストが実際にホテルに滞在し、そこで生まれるインスピレーションを元に部屋の壁紙に直接絵を描いたり、原画やオブジェを壁に設置し、アーティストの世界感が伝わる、世界にひとつだけの独創的なお部屋の提供しています。

また、ホテルの客室をアート空間にするという先駆的な取組であることや、インバウンド市場での差別化を進めると同時に日本の魅力を増加させている点などが高く評価され、2017年には「ジャパン・ツーリズム・アワード」の大賞に次ぐ賞である「領域優秀賞」を受賞しています。

画像14

画像15

画像16

引用:https://parkhoteltokyo.com/ja/art-at-park-hotel-tokyo/artist-in-hotel/


5. KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS(東京)

画像17

画像引用:KAIKA 東京 by THE SHARE HOTELS【公式】|KAIKA 東京(カイカ トウキョウ)


KAIKA 東京は、アートストレージとホテルが融合したコンテンポラリーアートの拠点です。

館内には、複数の日本を代表するアートギャラリーが、絵画や彫刻、工芸など様々な作品を収蔵・展示しており、通常は決して覗き見ることができないアートの現場を楽しむことができます。

また、随時企画展を開催していたり、ギャラリーの活動と連動しながら常に収蔵・展示している作品が変化したりするので、定期的に訪れても楽しむこともできます。

画像18

画像19

画像20

画像21

引用:https://www.thesharehotels.com/kaika/


6. 新宿クランベルホテル(東京)

画像22

画像引用:【公式】新宿グランベルホテル|東京 新宿のクリエイティブホテル

グランベルホテルは、その街らしさの新しいスタイルと新しいデザインを愉しむ「FUN to STAY」をコンセプトにし、歌舞伎町のイメージ「HIP」「エッジ」「官能的」をテーマにして斬新な空間を作り上げています。

日本の中で最もアジア文化を感じる新宿歌舞伎町で、歌舞伎町らしく「FUN to STAY」するため、新宿グランベルホテルはアジアの若手アーティスト達を迎え、ホテル空間とコラボレーションした新しい感覚のホテルを創造しています。

日本のデザイナー達がつくる繊細なインテリア空間に、アジアの若手アーティスト達のダイナミックなアートや音楽を組み合わせ、定期的にホテルで企画展や音楽イベントなどを開催し、滞在する世界のゲストに、アジアの新しいカルチャーを愉しみながら過ごせる空間を提供するとともに、アジアの若手アーティスト達を対外的に発信しています。

画像23

画像24

画像25

引用:https://www.granbellhotel.jp/shinjuku/


7. ハイアット セントリック 銀座(東京)

Hyatt-Centric-Ginza-Tokyo-P035-Reception-Light-Art.16x9のコピー

画像引用:ハイアット セントリック 銀座 東京 [公式] | 銀座の新しいライフスタイルホテル

ハイアット セントリック 銀座 東京は、銀座のメインストリート並木通りに位置しており、ギンザシックスや東急プラザにも徒歩圏内の位置にあります。

また、かつては新聞社があった場所に作られており、周辺には出版印刷業が栄えていたこの土地の歴史を「メディア」「ファッション」「ランドスケープ」「エンタメ」の4つのテーマのもと、アートワークで表現しています。

ホテル内の至る場所にアート作品があるため、普通のホテルとは違った雰囲気を味わうことができます。

画像27

画像28

画像29

引用:https://www.hyatt.com/ja-JP/hotel/japan/hyatt-centric-ginza-tokyo/tyoct


8. 白井屋ホテル(群馬)

画像30

画像引用:【公式】SHIROIYA HOTEL / 白井屋ホテル -アートで五感を満たす前橋のホテル-

今回、日本を代表する建築家・藤本壮介が設計を担当し、創業300年の白井屋の歴史が新たな食文化とアートの発信源として蘇りました。

この白井屋ホテルは、ジンズホールディングス代表取締役CEOである田中仁氏が、「生まれた街をなんとかしよう、盛り上げていこう」と言うところからリニューアルプロジェクトが始まり、2014年から6年以上の時間をかけて、めまぐるしく変化し成長してきたプロジェクトで、世界中のアーティストやデザイナー、街の人々たちが関わりながら現在の形になったそうです。

館内には、レアンドロ・エルリッヒの巨大なインスタレーションがあったり、1960年代から現代美術の第一線で活動してきたローレンス・ウィナーの作品が常設展示されていたり、杉本博司の作品が展示されていたりと、宿泊施設にしてはとても贅沢な空間となっています。

画像31

画像34

画像35

画像33

画像34

引用:https://www.shiroiya.com/


9. 板室温泉 大黒屋(栃木)

画像36

画像引用:板室温泉 大黒屋 – 保養とアートの宿

板室温泉 大黒屋は、「保養とアートの宿」をコンセプトに、旅館敷地内には、現代美術家・菅木志雄氏の作品が約300点が展示されている「倉庫美術館」や若手作家の作品が展示された「しえんギャラリー」、そして、現代美術、陶芸、工芸など毎月異なる作家の展覧展が開催される「大黒屋 サロン」などがあります。

また、館内や客室にもアート作品が展示されており、自然だけではなく、アートも存分に感じ、楽しむことができる場所となっています。

アートを取り入れたのは、宿泊施設としての独自性を高めるためだそうです。近年はアートの導入事例などはかなり増えてきていますが、取り入れた当時はまったくアートというものに馴染みがなく、「こんな訳わかんないもの集めて金を取るのか!」などと怒鳴られることもあったそうです。
しかし、乱暴な人たちが自然と近寄らなくなり、アートを楽しみたいという同じ目的や興味を持った人たちが集まるようになり、穏やかな空間をつくることができたそうです。

画像37

画像38

引用:http://www.itamuro-daikokuya.com/
https://shigoto100.com/2020/10/daikokuya-2.html


10. クロスホテル札幌(北海道)

画像39

画像引用:NEWS

クロスホテル札幌の客室全66室は「アートルーム」として、北海道で活躍する8組のアート作家の作品を壁面に設置することで、お客さまにはアートや文化に触れながらゆっくりとくつろげる空間を提供しています。

また、展示されている各作品は、各作家に北海道をテーマにホテルのオリジナルとして制作いただいた新作アート作品で、購入することも可能となっています。

さらに、札幌における現代アート市場の活性化を目的に、2013年から毎年の期間限定イベントとして、北海道在住作家の作品を客室に展示・公開するなど、地域文化の発信にも取り組んでいます。

ラグジュアリーツインNATURAL_AR_makoto_iga1-768x512

ツインURBAN_AR_WABISABI1-768x512

デラックスツインNATURAL_AR_R_kobayashi1-768x512

引用:https://www.crosshotel.com/sapporo/


本記事では、東日本にあるアートを楽しむことができる宿泊施設を10箇所紹介しましたがいかがだったでしょうか。

僕自身、調べるまではアートを活用したホテルこんなにもあるとは知りませんでした。

近年、コロナウイルスの影響により、宿泊施設への宿泊者が激減し厳しい状況下にあると思います。また、他社との差別化が難しくなっていると思います。

そこで、差別化の手段として、アートを活用するのは面白いのではないかと思います。

差別化のポイントとして、提供する食事の味や品質の向上、サービスの向上などがあります。しかし、これらは口コミなどでは評価されると思いますが、多くの人に知ってもらうためにはなかなか難しいかと思います。ついつい写真を撮りたくなるようなロケーションやスポットなどがあると、SNSでの拡散が期待でき、より多くの人に自社のことを知ってもらえるようになります。

株式会社JTB総合研究所が公開した「スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査」では、Z世代・ミレニアル世代女性の5割以上がSNSの投稿を見て旅先や買うものを決めているなどの調査結果が出ており、観光地やホテルなどでは今後、インスタ映えするようなスポットやロケーションなどを意識することも一つポイントとなってくるのかと思います。
そこで、アートを設置したり飾ったりすることでの効果も期待できるでしょう。

画像43

画像引用:スマートフォンの利用と旅行消費に関する調査(2019)|JTBグループサイト

宿泊施設がアートを導入する例として、他社との差別化や企業理念やコンセプトの表現、アーティスト支援などの要素があります。

例えば、パークホテル東京は「日本の美意識が体感できる時空間」というコンセプトのもと、ホテルを運営しておりますが、訪れた人が日本の美意識が体感できるように、実際に日本のアーティストの作品を展示していたり、アーティストがデザインした客室を提供していたりし、コンセプトを表現しています。また、BnAホテルは宿泊したら売り上げの一部がアーティストに還元するようなシステムや、アーティストが作品を披露できる機会を提供するなどし、アーティスト支援も行っています。

宿泊施設側がアートを導入することで、SNSから情報を得たZ世代やミレニアル世代、国内外のアート好きや非日常感を味わいたいと考えている大人たちなど、企業がアプローチ出来ていなかった層の認知拡大や新規顧客獲得に繋げられる可能性があります。また、近年国内でアートが盛り上がっているというのもあり、話題性にもつながり、さらにアーティスト支援につながるような取り組みを加えられると、自社のCSR活動としての広報活動にも繋がります。

中には、BnAのように、宿泊したら売り上げの一部がアーティストに還元するようなシステムがありますが、普段あまりいい値段のホテルに宿泊しない人でも、アートを楽しめることができるし、アーティストの支援につながるのであればということで宿泊する人も中にいるのではないかと思います。

これからも、宿泊業での差別化は重要になってくると思いますが、その中でもアートを導入し、アーティストの活躍の場を作り出すような宿泊施設が出てくるのを個人的に楽しみにしています。


もしこの記事を読んでいいなと思った方は、この記事にスキやSNSでシェアなどしていただけると嬉しいです。

次回は、西日本のアートホテルをご紹介しますのでお楽しみに!


文責:田邉英也


いいなと思ったら応援しよう!