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苦しい環境を変えた方がいいのか、踏みとどまった方がいいのか。判断基準は尊敬できるかできないか。
現在の環境が苦しくて、苦しくて仕方がない。という場合に、踏みとどまって食らい付いていく方がいいのか、今すぐその場を離れた方がいいのか、判断に迷うことは多々あると思います。
あの時、逃げないで食らい付いていれば、自分の夢や目標に近づけたかもしれない。
あの時、その場を離れなかったばかりに、精神的に追い詰められてしまった。
どちらの未来も起こりますし、この判断を間違ってしまうとなりたい自分への道のりがかなり変わってきてしまいます。
私もこれまでの人生で、どちらの状況も体験し、振り返ってみれば判断が正しかったと思えることも、間違っていたなと思えることもあります。
ここ最近、環境を変える決断をしたのは10年以上勤めていた会社を辞めたことです。
家族(子供5人)がおり、年齢も40代と環境を変えるには度胸のいる状況でしたが、このタイミングで会社を離れなければ、近い将来で確実にマズい状況になってしまうと判断し、次の職を見つける前に辞表を提出しました。
妻には苦労をかけましたし、不安がなかったといえば嘘になります。
結果的に、3ヶ月で憧れていた企業に転職することができ、職場環境は劇的に変化しました。体調面も精神面も金銭面も全てが上向く、良い決断だったと自負しています。
そんな私の残るか去るかの判断基準が、少しでも皆さんのお役に立ちましたら幸いです。
ネックになっているものは自分で変えられるか
踏みとどまった方がいいい状況
苦しい状況を打破するためのネックになっているものが、例えば自分自身の短所であったり、過去のトラウマであるなら、その場に踏みとどまり、できる限りの努力をした方がいいです。
なぜかというと、短所であったり過去のトラウマが原因の場合、環境を変えても原因がなくなることがないからです。
自覚しているしていないに関わらず、人として成長することが人生の目的です。
成長そものもは完全に個人に由来するものなので、課題や目標は個々人で異なります。一般的な基準もないため、具体的な例はあげにくいのですが、短所や過去のトラウマを克服することで、自分の成長につながり、夢や目標がスムーズに叶っていくというケースはあります。
また、ネックになっているものが人生の課題であるなら、環境を変えても同じような課題を突きつけられますし、目を背ければ背けるだけ、その課題は大きくよりストレートな形で目の前に現れます。
この場合は、苦しいけれど逃げ出さずに自分と向き合うことをお勧めします。
これは人間関係であっても変わりません。
人間関係における自分の短所や課題を克服することで、環境がガラリと変わることもあります。
離れた方がいい状況
逆に環境を変えた方がいい状況は、職場に行くと体調が優れなくなる時です。
まさに環境が合わないというやつですが、職場に行くと肩が重たくなるとか頭が痛くなるとか、気持ち悪くなるといった原因が分からないけれど、明らかに体調が悪くなる場合は、その職場そのものの場が悪いと考えられるので、すぐに離れた方がいいです。
そういう環境で無理をすると、交通事故にあったり、よきせぬトラブルに巻き込まれたり、大切な人に悪い事が起こる可能性があります。
この場合は、すぐに悪い環境を離れて、悪い環境に引き込まれた要因を探ることをお勧めします。もしかしたら仕事選びの基準が悪かったのかもしれませんし、嫌な予感があったにも関わらず妥協してしまったのかもしれません。
変えられるものと変えられないものを把握しておくことは大切です。
上司や社長を尊敬できるかどうか
アドラーが「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言うほどに、人間関係はとても重要です。
直属の上司とウマが合わず、転職を考えている人も多くいると思います。
ここで考えて欲しいことは、直属の上司以外の自分より役職が高い人たちの中で尊敬できる人がいるかどうかです。
先輩だったり上司だったり社長だったり、その中で尊敬できる人がいて関わる機会が多いのならば、環境は変えない方がいいです。
人生で尊敬できる人が身近にいる状況の方が少ないですし、その人がメンターである可能性もあります。そんな環境で苦しい場合は、自分の課題を突きつけられている状況も考えられるため、踏みとどまった方が結果的に上手くいく場合が多いです。
誰も尊敬できる人がいない、むしろ会社の役職者たちのようになりたくないと嫌悪すら抱く場合は、今すぐに環境を変えてください。
これは早ければ早い方がいいです。
ちなみに私が前の会社を辞めた理由はまさにこれです。
入社時は直属の上司や仕事でよく関わる人たちが好きでしたし、尊敬できる部分も多々あったのですが、社長とはどんな環境であっても仲良くなることはないだろうと思っていました。
直属の上司や先輩や仲のよかった同僚たちが次々と会社を去ってからは、職場の環境がどんどん悪化していき、副社長や役員になる人たちが気持ち悪くてどうしようもなく、出来るだけ関わらないように立ち回っていました。
思えば、会社を辞めるタイミングでベストだったのは5年前くらいだったなと。
5年ほどかなり厳しい環境で仕事をしてきたことで、反面教師としては参考になりましたし、自分もそんな人たちのようになり得たので、成長させてもらったと、離れた今はポジティブに振り返られます。
人事権のある人たちに黒いものを感じたり、嫌悪を抱く場合はかなり注意が必要です。
なぜかというと、その人たちが気に入った人たちが出世し、その人たちの気に入った人たちが採用されていくわけです。
つまり、黒いものを持つ人たちに気に入られるということは、その人たちと同じ価値観を持ち、同じような黒さを持つ人たちがどんどんと社員になっていくわけです。
これは時間が経てば経つほど割合が増えていきます。
退職してから半年くらいしか経っていませんが、前職を思い出そうとしても黒い靄のようなものに覆われていて、いまいち上手く思い出すことができません。
その環境で働いていた自分自身も曖昧で、全てが悪い夢だったように思えます。
成長することはできましたが、職場環境はどう転んでも立ち入り禁止レベルだったと思います。
環境を変えることに不安を抱き、現在の環境が悪いことは分かっているのに動けないという方は、将来の不安と現状を続けることのリスクを秤にかけてみることをお勧めします。
現状の環境をさらに10年続けた場合、悪い環境が改善される可能性よりも環境がより悪化する可能性のどちらの方が現実的か。
また現在の環境をあと10年続けた場合に、自分の精神面は果たして持つのかどうか。
今、環境を変えるのと10年後に環境を変えるのではどちらの方がリスクが高いか。
自分ではどうすることもできない原因で苦しんでいるのなら、その苦しみから脱出する方法は環境を変えることが早いですし、その場で環境を変えようとするには必要のない労力を強いられます。
その労力を使えるなら、自分の夢や目標に費やした方が建設的です。
最後に変態的なことを言いますが、私は前職で圧倒的に追い込まれ、どん底まで行き切ったからこそ、強くなれましたし、周囲に感謝できるようになれました。
それだけ私は自分の課題から目を背けていたんだと思います。
悪い環境から脱出することも大切ですが、自身の課題としっかり向き合うこともとても大切です。
苦しかったら逃げてもいいんだよ。というメッセージをいつからよく見かけるようになりましたが、逃げる前に一度苦しさの原因を突き詰めてみることも大切ではないでしょうか。
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