長沼洋一ダイジェスト
先日アップされた宮崎キャンプのハイライト。実は"長沼洋一ダイジェスト"だったということ、お気づきであろうか。
ぼくの予定ではいまごろ前線3枠をめぐってあらそっているはずの長沼洋一、なぜかキャンプではディフェンスの3枠をあらそってて、いやいやそういうんじゃないんですけどもとめてるの、とすこしおもったけれど、がんばってるから長沼。がんばれっておもうことにした。
でこのハイライト、そんな、なれていない位置で奮闘する長沼のすがたが、なんか妙に目につくなあとおもったので、注意して見なおしてみたらあらびっくり。あっちゃこっちゃに長沼長沼。長沼洋一のオンパレードだ。ためしにYouTubeのタイム表示にあわせてならべてみる。
01:03 とりかごでふりまわされる
02:53 うしろめ左よりのポジションでビルドアップ。以降基本的にそのポジション
03:51 よせきれず雄也にシュートをきめられる
05:21 長沼の背中からはじまるせまいエリアでのゲーム
06:15 じっくりビルドアップ。ジェラにスルーパス
06:36 フリーのチャンス到来、しかし今津にとめられる
07:05 ビルドアップ。ずばっとインサイドで縦、東のシュートの起点に
11:38 ガクとのパス交換からスタート。雄也にかっさらわれるもののすぐにうばいかえす
12:03 スライドしておそらくあぶないコースをきる
12:13 よせきれずジュニオールにシュートうたれる
12:41 プレッシングにおしかえされたボールをジェラにつなぎなおす
13:07 相手チームのカウンター。けなげにプレスバック
見よ、このおそろしいまでの長沼率。髪型の問題でちょっとだけ中野か満田マコあたりとまちがえてそうな予感もしなくもないが、いやこれはちょっとあからさますぎやしないか。
さらにこの映像には、長沼のすがたとあわせて、おそらく有馬さんの、長沼にむけたコーチングがやまほどおさめられていた。
「間延びするなよ、おそいよ洋一」「洋一、カバーもだいじだけど……」「洋一、はこべよ」「洋一、はなれすぎない」
きりかえがおそければ声がとび、よせきれなかったらまた声がとんで、ボールもっても声がとぶ。最後のはビルドアップのポジショニングか。ボールがあろうがなかろうがおかまいなし。キャンプ中、長沼のプレーに有馬さんがこれでもかってくらい言葉をつくしていたのが映像におさめられていた。
ははーん。これでぼくは理解した。つまりこの映像、キャンプハイライトというテイで、じつは長沼洋一がディフェンダーとしてうまれかわっていくその過程を映像におさめようってハラだな、と。大胆なことをする。編集したスタッフさんとは気あいそうだ。
そしてなぜこういう編集にしたのか、そのひめたる想いにも、ぼくはすぐにたどりつけた。あなたもぼくとおなじ、2021年6月16日をわすれられない同志なのですね、と。
あの日長沼洋一はこのキャンプとおなじように3バックの一角で、いってしまうとさんざんだった。そこからゲームにもからめなくなったし、長沼にとってもわすれられない日になったはずだ。
でもことし、そのさんざんだったポジションにあえてとりくむことによって、彼はあの日をのりこえようしているのだ。そのすがたに胸をうたれたスタッフさんが、ぼくたちにとどけずにはいられず、長沼ダイジェストこっそり編集してアップしたというわけである。いとあはれ。
もうすべて承知しましたスタッフさん。そこまでおっしゃるなら、ともに2022年、長沼洋一があの日をのりこえるさまをともに見届けましょう!