湘南ベルマーレ戦を観てきた
レモンガススタジアムの指定席がせまいのなんの。このご時世にまさかのすしづめである。身じろぎもできやしない。おかげでとなりのあんちゃん2人組の、さめかけたピザのチーズのツンとしたにおいからも、選手がミスするたんびにいちいちこぼれてくる愚痴の数々からも、逃げようがなかった。
ただチーズのにおいもピザがなくなればきえたし、愚痴のほうも途中からなんだかこちらのツボにはいって、けっこうたのしめた。まさかプレー観た感想で「きしょい」があるなんておもわなかった。おどろいた。「オレのほうがシュートうまい」とえらそうにしてたのも初々しくて花丸。ゲームそっちのけで連中の会話に耳をかたむけたときもあったぐらいだ。
そんな絶妙なコンディションでのぞんだアウェー・湘南ベルマーレとの一戦は、こちらが観たいものをまるっと観られたゲームとなった。
リーグ戦初勝利はもちろん、満田マコさんのゴールはほぼ目の前で観させてもらえたし、シバコー先生がいろいろ責任せおっちゃってくたびれていたキャプテンをねぎらう、なんてオツなシーンも観られた。おまけに石原直樹さん。彼を間近に見られたのはたまらなくうれしかった。
ほかにもガミさんのいまいち愛のたりてないパス、ジュニさんの「勝負!」からのあっさりめのボールロスト、決定機に絶対あらわれる東俊希さんや、ボールひとつにきりきりまいな荒木さん……大事なポイントはひととおりおさえられていた。ひいきの永井さんのゴールと、まえに書いた東さんの直接フリーキック弾は観られなかったのは残念だったけど。つぎに期待。
あらたな収穫もあった。ひいきをみつけた。川浪吾郎さんだ。
クラブのYouTubeを見ていて、いいやつだとおもってはいた。あれは学校でいうと、教室のまんなかで上手にイジられながらワイワイしているるけど、端で息をひそめているぼくみたいなやつにも声をかけてくれて、しかもこちらをイジらないでいてくれるタイプ。たまにいるのだ、そういうオトナびたヤツって。
そんな彼が、こどもみたいにはしゃぎながら、90分をたたかいおえた選手たちを出むかえていた。広島にきてからずっとむずかしい立場にいるというのにあんなにオープンふるまわれたら、そりゃあスキにもなる。ぼくにとっての"ゴロー"が名古屋の彼から川浪吾郎さんに更新された瞬間だった。
観たいものも観られて、あたらしいひいきもみつかって、せまい席もそれなりにたのしめた。おかげさまで、この日はすっかりおなかいっぱいになって家路につけた。いうことなしだ。
ただひとつ心残りがあるとするなら、帰りに大黒庵でラーメンをたべられなかったこと。あの麺をわしわしたべたかった……。
お昼にたべた大陸のカツ丼+餃子をどうしても消化しきれなかった。でもカツ丼はカツ丼でスキな味だった。カツはうすめ、甘味でごまかさない中華系硬派。タレしみしみのごはんが餃子と中華スープによくあった。ながくつづく中華屋さんのカツ丼にまちがいはない。ごちそうさまでした。