大切ものを失ってまた大切なものに気づいたはなし。
私はひとりの女性を愛していた。
しかし、ある日突然私は最愛の人を亡くした。
それは絶望という言葉さえ出てこないくらい私の中にある何もかもを失ってしまったようだった。
その女性は愛に溢れていて、素敵な女性だった。
もちろんそんな素敵な一面だけでなく、嫌なところもたくさんあったんだけれど。それでも深く深く愛していた。
なぜだろう。私はそれからというもの愛というものがなんなのか分からなくなっていった。
今目の前にいる人を愛そうとしても、どうしても同じように愛することができない。
それが私にとって何よりも苦しかった。
私は愛したくて愛したくてたまらなかった。だけれど、愛というものがなんなのか分からなくなっていく。
私は探した。探し続けた。
そして、今思うことがある。
大切なものを失ったからこそ、気づけた大切なものがそこにはあった。
それはね、私とあなたとの違いを受け入れるということ。
私とあなたは違うという感情が私を苦しめていた。どうして思い通りにならないんだろう。もっとこうだったらいいのに、、と。
でもね、もしみんなが私と同じような人だったらどうだろう?
私とあなたは違うからこそ、
受け入れ合い。
愛し合い。
あらゆるやさしさ。に気づくことができるんじゃないかなぁ。
日々、愛を育んでいける。それはそれはこんなにも素晴らしい機会だったんだ。違いを知ることは喜びになり得る。
違いを受け入れた先にあるのは愛だった。
それは女性を愛していた愛と同じ。
私もあなたも同じ愛だった。
どんなことも愛へと繋がっている。
ゆえに、今起きているどんなことも愛なんだね。
この素晴らしき世界で。
今日も生きている。
今日も私は
紆余曲折しながら
愛を知る。