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ねこがきた ④猫は水を飲みに来る

庭に猫がいる、
あるいは、
庭に猫もいる、ということがはっきり分かってから、そう思って庭に目を向ける事が多くなったためか、この頃、チラリと姿を見かけるということが何度かありました。

見かけて、庭に出てみると、影も形も気配もない、ということを繰り返して、
この猫が、人間を見て自分から寄ってくるようなタイプの猫ではないことはなんとなく理解できました。

うちの周りは野良猫が多く、今までもいろいろな猫の姿を見たことはありました。今まで見かけた猫はたいていは人を見ても隠れるということはなく、たとえ姿は見えなくても、鳴き声で猫ということが直ぐにわかることが多かったのですが、この猫は人の気配で姿を隠すばかりではなく、全くひと声も鳴かない、という、今まで見かけた猫とは違う不思議な猫でした。

近付かず遠目に観察、を心がけ、
10月22日、はっきりと姿をとらえることができました。

はじめてはっきり見た猫の姿 

猫は窓の下の植え込みの中から、のっそりと姿を現しました。
警戒しているようでしたが、私の存在には気付いていません。

この日の成果は、うちの庭に現れる猫の目的がわかった事です。

猫は、庭にあった植木鉢の下に敷く丸い受け皿に溜まった水を飲みに来ているようでした。
中に溜まっているのは雨水です。

周囲を警戒しています
お顔が見えた!

猫は辺りを気にしながら水を飲んで、来た方向へ静かに戻って行きました。

この日から、この受け皿の水を替えてあげるようにしました。
急に雰囲気が変わると警戒するかもしれない、と思い、はじめはジョウロで運んだ水道水を入れてあふれさせるようにして、容器に触らずに水だけを徐々に変え、数日かけて少しずつ容器を洗いましたが、猫は気にせず定期的に日に何度か水を飲みに来ている様子だったので安心しました。

これが、私がこの猫にしてあげた最初のことです。
もっと猫に慣れた方なら、この時点でご飯の心配をしたり、保護という方向を検討されるのだろうと思いますが、この時の私はほんとうに全く猫のことを知らなかったので、そこまでのことは考えられませんでした。

そして、これはこの猫にだけ当てはまることではありますが、
結果的にそれがこの猫との関係のために良かったということが、後々わかることになります。

🐈‍⬛つづく


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