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自分に寄り添ってあげたいとき、自分のために読む本


あなたは自分自身が好きですか?
わたしはあまり、自分自身を好きではありません。

料理ができない自分。
素直になれない自分。
決めたことを実行に移せない自分。
友人と会う約束をした日が近づくと面倒になってしまう自分。
恋愛がいつもうまくいかない自分。
親孝行ができない自分。
過去の失敗をした自分。
過去の失敗をした自分を、許してあげられない自分。

いかなるときでも、自分自身を愛し続けるといいうのは難しいものです。

愛せない自分が増えるたびに、自分から自信というものは消えていきます。そのやるせなさをぶつけるところもなく、その苛立ちの矛先は周りの人々へと向かっていきます。大切にしたい人にひどい言葉をぶつけて、大切にしたい人とも距離ができていく。どうしてわたしの気持ちを分かってくれないのかと嘆く。そんな自分がさらに嫌になる。無限ループです。

こんなにも息苦しい世の中で、愛せない自分を背負いながら明日も変わらず生きていかなければいけない。そんな何もかも捨てて逃げ出したいときに、そっと寄り添ってくれる一冊の本があります。

レディーダッグ/趙 蘭水の『私は私に時間を上げることにした』


彼女が紡ぐ言葉やそこに寄り添うイラストは、疲れてしまったとき、焦っているわたしたちの心にそっと手を差し伸べてくれます。そして、自分のペースで生きていくことの大切さに気づかせてくれる、そんな心の薬のような本です。

わたしはこの本を読み終えたあと、自分が持っている価値観が変わっていく感覚を覚えました。

今の自分の価値観はどこからやってきたのか

そもそもわたしたちが今持っている価値観というものは、たった今できあがったものではありません。これまで色々な人と関わり合い、色々な経験をしてきてできたものです。

たとえば恋人や友人、家族との喧嘩をとおして、この言葉は相手を傷つけてしまうから言ってはいけないという教訓。
自分では気にも留めていなかったことが、相手にとっては心底大切に思うことだったのだと気づく瞬間。
仕事をするために生きる人と、生きるために仕事をする人がいると気づくこと。
人との待ち合わせは余裕を持って行く人と、いつだってぎりぎりを目指す人がいると気づくこと。

そうして自分と人の関わりを持ち、傷つき傷つけ合い、教訓を得ていく過程で、自分の中でこれだけは譲れない軸のようなものが少しずつ作られていきます。それを価値観といいます。

今までお伝えしてきたところから分かるとおり、価値観というものを語る上での登場人物は自分ひとりだけではありません。必ずそこには人がいて、人がいるからこそ自分の価値観、自分の存在意義に気づくことができます。

本のなかにこのような文があります。

過去に起こったことは私のせいではない。堂々としていればいいし、恥じる必要もない。誰もが完璧な家庭で育っているわけでもないし、完璧な恋愛だけをしているわけでもない。みんな似たような人生なのだと思うと、心が軽くなる。そして気づく。私のせいではないのだと。
P40 似たような人生に励まされる

人と関わりを持てば持つほど、羨望や嫉妬、劣等感に苛まれることもたくさんあるのではないでしょうか。そういうとき自分の殻に閉じこもってしまいがちにはなりませんか。わたしはそうでした。

ある意味負の感情を抱くことは、何もできない、何も持たない自分自身を責めている行為で、あるいは自分をこんなでき損ないに育てた親や環境を責めていて、はたまた恵まれたように見えるあの人を憎んでいるのかもしれません。

まずは今の自分を受け入れていく。そして、完璧なように見えるあの人にも、あの人にしか分からない悩みや苦しみがあるのかもしれないと、一度冷静に考えてみることが大切です。そうするためのヒントが、この本にはたくさん隠されています。起こってしまったこと、忘れられない過去の傷は、自分のせいにも、誰のせいにもしない。そんなつもりではなかったけど、そうしてしまっていた自分に気がつけるきっかけとなるでしょう。

みんなちがうから、みんな輝く

本を紹介したときにお伝えしたとおり、わたしはこの本を読み終えたあと、自分の視野が広がっていく感覚を覚えました。薬が効いてきて身体のだるさが軽くなっていくように、心がすっと軽くなったのです。

ありきたりな毎日の中でも、色々な角度から見れば幸せは転がっていること。
世の中で固定された価値観やしがらみには囚われなくていいということ。
目まぐるしく回る世の中で、見落としていたものについて考えること。
わたしはわたしに時間をあげることで、自分自身を好きになれるということ。

なんとなく、わたしも人すら愛せなくなっていたときがありました。

だいすきな人たちがいるからつくられたわたし。
わたしの夢は、わたしにとっての生きるエナジーになります。一度きりの人生、だからこそ情熱をもって生きていかなければと思わせてくれる本でした。

そのためにも、まずは自分を愛することことからはじめていこうと思うます。
わたしと同じような境遇の方と、一緒に共鳴しあえる日がくることが、今のわたしの楽しみです。


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