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『カバの話 文体練習 集合論Ver.1.0』

竹田は家に含まれ且つ夜中に含まれる
竹田は手のひらをすりむいて且つ泥だらけの属性を持っていた
竹田とカバは相撲で交わっていた
そのカバにはカバ科カバ属としてサバンナに住むカバの要素であった
そのとき竹田は閉園間際の属性を持つ動物園の部分集合だった
竹田は動物園に含まれ且つ柵の中に含まれるカバと同じ集合に含まれた
竹田にはカバについて何も知らないという属性がある
カバには
体長3.5メートル 体重2トン
途方もない大きさだった
毎日、50キロの草木を食べて
時速40キロで走る
という属性がある
カバも竹田も互いを見るという状態に含まれていたが
カバは竹田の気持ちについては空集合だった
竹田はカバの頭に飛びついたことでカバの部分集合となった
竹田はカバの部分集合となっていなかったら
動けなくなるという属性を与えられていたであろう
カバに噛まれても、踏まれても
動けなくなるという属性を与えられていたであろう
竹田はカバの頭に抱き付いて部分集合となっていれば
噛みつかれたという属性は与えられないであろう
カバは竹田を部分集合から要素として取り去るために
大きく口を開け、身体をゆすって 頭を左右に振り、足を地面から浮かせた
竹田は今の状態が相撲という集合に含まれるものだろうかと思った
前足が足であるという属性だとすると、相撲の集合の要素にするには
膝を着かせるか ひっくり返すしかない
竹田とカバの交わっている部分はしっとり濡れて柔らかかった
カバは竹田を部分集合から要素として取り去るために
唸り声を立てて、勢いよく頭を左に振った
竹田はカバの部分集合ではなくなった
竹田は部分集合ではなくなった瞬間、小さな白い蛇がにゅるにゅる空に昇っていくのを見たという属性を得た
竹田は何年も鰻を喰っていないという属性を自分が持っていたことを思い出した
カバは尻を向けて水たまりの方へ歩いて行き、竹田との交わりを断った

木戸-Zさん の『カバの話』のカバーバージョンです

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