シュレディンガーの猫
2024年8月25日 KSJ仮想地方大会 予選で読んだ詩
私は生きている
生きているから皆さんの前で私を読む
コップに水が入っていて
半分入っていて
まだ半分あると思う人
もう半分しかないと思う人
見る人によって現実は変わる
でも水はコップに半分入っているだけ
0歳児は男だとあと81.05歳生きられる
生きられる可能性が高い
今日は2024年8月25日
今日で生まれて22,493日の私は
7110日の余命
コップの水は1/4を切って残っている
可能性が高い
でも死んでみないと
いや生きてみないと
7110日後
生きているか
死んでいるか
わからない
7110日後
あんたが私を確認できなければ
シュレディンガーの猫
私は死んでいて生きている状態
私は生きていて死んでいる状態
コップの中の水の最後のひとしずくが
残っていても蒸発していても
あなたが私を確認できなければ・・・
でも私は【今】生きている
今生きているから皆さんの前で私を読む
あなたは今私を確認している
あなたが確認することで
私は生きている
だからこの【私】が詩になり
皆さんの耳に届く
今、皆さんの目の前で
見えない皆さんの目の前で
今日、今、この瞬間
この瞬間を共有している
コップの中の最後の一滴が蒸発しても
その痕跡はあなたに残る
だから私は詩を読む
今この瞬間を記憶するために
あなたと共に生きている証を
あなたと共に確認し続けるために
私は生きている
あなたも生きている
共にこの瞬間を
永遠に刻み続けるために
私は死なない
あなたが私を確認し続けるなら
覚えていてくれて ありがとう
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