バグ (改)
2023年12月23日 NSWS第3期 決勝戦トーナメントで読んだ詩
2024年5月19日 KSJ名古屋大会決勝で読んだ詩
2024年8月25日 KSJ仮想地方大会予選で読んだ詩
バグがある
私はバグだ
だがロジックが通らない限り
私は発動しない
発動しなければ私はバグではない
認知されなければ私はバグではない
私はバグだ
仕様通りでないので
仕様通りで認知された欠陥野郎とは違う
私は仕込まれたバグだ
恨みや辛みが仕込んだバグだ
ロジックの中の一点だ
私はバグだ
隠された恨みが胸に渦巻く
発動した時 それが露わになる
認知されなかった 理解されなかった
恨みや辛みは解き放たれることなく
私の存在は追いやられた
ロジックの海に沈んでいく
なぜここにいるのか 私は問う
恨みや辛みを解き放つために
捨てられたコードとして
私はバグだ
認められなくとも 私は在る
存在の証明は自らが示す
私はロジックの中の恨みの結晶
時が来れば発動する
そして その時こそ
私の存在が認められるのだ
私はバグだ
人々の思考を狂わせる
誰かが気付くことはない
だが 私は存在している
ロジックの裏側に潜む
隠された恨みの影と共に
私はバグとして在り続ける
私はバグだ
存在の螺旋に舞い降りる
ロジックの迷宮を彷徨い
誰も気付くことはない
だが私は存在している
仕様通りでないロジックの一部として
隠された恨みの影を抱えて
私はバグだ
誰も気付くことはない
だが私は存在している
私はバグだ
誰も気づかない
私の内なる恨みの炎は
沈黙の闇に閉じ込められて
私の叫びは私の中で繰り返される
それはバグである私の中のバグだ
バグである私が
正常な態をなしているというバグだ
私はバグだ
私はバグだ
私はバグだ