出産後の記憶、ときどき爆発
三人産んで一人前、早く子を産めってよく母親に言われて育った
今で言う呪いだ
結婚してからはその呪いが大いに発動した
生きている子供は一人しか産めなかったし
三途の川を渡りながら産まれたのは低出生体重の男児
即座に次は女の子ね!女の子の方がかわいいから!
お姉ちゃんちの子は親が二人とも色白だから白くて可愛いね!
真っ黒ね!あっちの家に憎らしい程そっくり!
と笑顔で畳み掛けられた傷が時々破裂する。
義母から「あーあー あと何日か我慢してれば私と同じ誕生日だったのに云々」
これも呪い。
産まれた息子を祝福するのはこの子の親しかいないんだ、思い切りめでたいと思おう と悲しんだっけ。
わたしは親の欲求不満で殴り付けられやすいみたい。
物理的にも数えきれないほど殴られたけど、
精神的にも殴られていたんだ と自覚したのは大分経ってから。
そんな親でも嫌いになれなかったんだ、私はね
人を嫌いになるのが下手くそで苦手なんだ
いまわの際、「あの時傷ついたことを理解してほしい」と言ってしまいたくて何度飲み込んだだろう
他の某なんかは結構バンバン言葉を投げつけてたね。死にかけている人に。
「おむつ替え?!私は絶対イヤ!」とかね、大声で聞こえるように。
色白のあの人もまた呪いをかけられてたのかな。青天井の親の望み通りに生きてきた学生時代のこと、よく愚痴っていたもんなあ
娘に呪いをかけたと当人は露ほども自覚ないままもういない。
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