シネ・ウインド 『丘の上の本屋さん』 鑑賞 座談会 ハリ書房
前回の記事
新潟へ
今日は、早起きをして新潟へ向かいました。ハリ書房(新潟本店)は新潟市西区です。まずは本店へ戻ります。今日のイベントで紹介する本を用意します。午後の回、14時05分の上映を鑑賞、座席には新潟本店の店員くん(ハリネズミ)も一緒に鑑賞です。
『丘の上の本屋さん』
以前、3月にシネスイッチ銀座で鑑賞したのが『丘の上の本屋さん』との出会いでした。あまりに理想の本屋人生で目頭が熱くなりました。というか泣いて劇場を出てきました。最初の鑑賞記事はこちら
今回は2回目の鑑賞です。綺麗な風景や登場人物に、優しさを感じる作りが心地良い作品です。ストーリーを知っている分細部に注目して鑑賞することができました。
特に登場人物達の表情です。店主の「リベロ」さん、少年「エシエン」に注目です。リベロさんのイタズラっぽいユーモラスな表情にも優しさが滲み出ているようです。エシエンくんは本を読むたびに表情が変化していくようで見どころの一つです。
これから見る方も、もう一度見る方も、もう一つのストーリーに過去のアイテム「日記」が登場しています。こちらも注目して欲しいと思います。
最近本屋さん同士でお話しした際も、日記を書かれているクリエーターさんともこの映画を見た後にお話しをして、イタリア映画でも日記がキーになっている点が現実の本屋と不思議とリンクするものだなと感じていました。
トークイベント 本屋店主と鑑賞後の座談会
映画を鑑賞して、実際に本屋をしながら感じることなどを紹介させていただきました。ハリ書房は新刊の移動書店と、少し特殊な部類の本屋です。その分お話をしながら本をお勧めしたりしているので、作中とリンクする場面もいくつか感じます。知り合いの方がゆっくり滞在してお話をしてから購入していってくださる感じが似ています。
座談会も読書会にも似たような、ゆったりとした時間の中でお話ができました。
本屋が減る世の中は、必然なのか? ディストピアの始まりなのか?
バタバタと日帰りの新幹線で神保町へ戻る時、イベント後にいつも移動書店で思ったりする事が頭をよぎります。
今回の映画のように人と人が関わる本屋さんが、現実には減ってしまうことは悲しいと感じています。
スクリーンから現実に戻ると、「本屋さん」だけでなく、街のさまざまな場所でレジがセルフレジに切り替わりコミュニケーションを取る必要がなく買い物が出来てしまう。また自宅にいてもスマホのボタンひとつで「本」だけでなく、幅広い商品が届く買い物がなんでもできて一緒に届くそんな現在があります。
便利でありスムーズなのかも知れないけれど、その先に本当に人が関わる助け合える社会があるのだろうか?という、寂しさだけでなく、一抹の不安もよぎります。
映画本編では個性豊かなお客さんが本屋を通して助けられている様子を感じ胸が暖かくなります。そのような店主が店を維持していくことが難しい現代があるのかも知れません。
ハリ書房はそんな現実に少しだけでも、できるところまで、抗ってみたいと思います。この映画を見た皆さんと、劇中を離れてこれからも自分の暮らす街についてもお話ししたいと思いました。
今回、ご参加いただきました皆様、そして皆さんとお話しできる機会をいただきご準備いただきました皆様に改めまして感謝申しあげます。