「〈ラーニングフルエイジング〉プロジェクト」について(東大編)
ワークショップ研究を10年続けたあと、私は博士論文提出を期に、2013年からシニアの学習に関する研究に大きく舵を切った。きっかけは、ワークショップ実践者の熟達過程(成長)を追って行く中で、人の長期に渡る学び、あるいは如何に人は輝き続けるのか、学び続けていけるのかに興味が変わっていったからだと思う。
40代を前にして、自分にとっても切実なテーマになってきていたからだと思う。40代になって同じ働き方はできない。そうだとするならば、私自身にどんな成長の仕方がありうるのだろうか。
人生100年時代と言われる中、自身の成長の課題として超高齢社会と学びの可能性に関心を持ち、研究を開始したのが2013年からになる。
「超高齢社会」を「高齢者の問題」として捉えてしまうと、取り組むべき課題がわかりにくくなってしまうのではないでしょうか。本プロジェクトでは、人間を死ぬまで学び続ける存在として捉え、揺りかごから墓場まで学び続ける社会について、生涯学習と他領域とのクロスオーバーで研究・実践を進めます。 (<ラーニングフルエイジング>プロジェクトHPより)
このプロジェクトにはいくつかの時期があって、1つ目は私が東京大学にいた頃である。その頃は研究会を14回開き(アーカイブには1回分残っていないのだが)、その成果を書籍としてまとめた。
それと同時に、多世代共創というキーワードで、ワークショップも試みたのだが、東京大学本郷キャンパスに高齢の方を呼び込むツールが見つからず、本郷での実践はなかなかうまくいかなかった。
東大勤務時代に行った高齢者向けのワークショップのは一つだけである。大宮にあるデイケアにて、近隣の小学生と高齢者と、ファシリテーター(大学生)で行った2013年10月19日実施の「「ワークショップ:お話をつくるお茶の会」」だった。海外では様々な事例を知ってはいたが、実際にデイケアで実践をする難しさを感じた。
子どもと若者、高齢者の3者をつなぐワークショップをテーマに、NPO法人演劇百貨店の柏木陽さん・NPO法人コラブルとの協働のもと、ワークショップを2013年10月19日に実施しました。さいたま市大宮区にあるデイサービスセンター「しあわせ三橋」を会場に、土曜日の利用者さんと、公募で集まった子どもたちと一緒に、「お話をつくる」という試みです。デイサービス利用者のみなさまに加え、5名の小学生の子どもたちが参加してくれました。(<ラーニングフルエイジング>プロジェクトHPより)
このあと、私は八王子市にある帝京大学に2014年に移籍し、フィールドとしてキャンパスから徒歩圏内にある百草団地で活動するようになる。以降は、様々なアクションリサーチを行ってきた。これについては、また別の記事に書こうと思う。
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