ペルソナ5 ザ・ロイヤル 10月下旬までのプレイ感想(ネタバレ・展開予想)

ペルソナ5がとてもおもしろい。そしてとても時間を喰う。
すでにプレイ時間60時間を突破してるんだけどマジでどういうことなんだ。

今プレイしているのは10月下旬に潜入開始できるパレスを攻略し始めたあたり。たぶんおそらくきっとターニングポイントなので、ここまでの感想をいったんまとめてみようと思います。話の順序は適当。
以下めっちゃめっちゃネタバレあります。

むせかえるほどスタイリッシュ

ペルソナ4もオープニングムービーや戦闘画面がいちいちオサレ・スタイリッシュで笑えたんですけど(人間は許容量を超えたオサレを喰らうと笑う)、ペルソナ5は前作を超えてきましたね。

誰が全UIをオサレにしろって言ったんだよ。
何をするにも主人公がカッコイイポーズで背景に居座り、マントを翻し、キメ顔をする。なんの執念なんだ、最高かよ。

個人的に好きなのは雨の日のシーン切り替えですね。傘のシルエットが画面いっぱいに浮かぶのめっちゃお洒落。

取り調べという名の次回予告

オープニング終了からニイジマパレス攻略までは「4月から主人公が体験したことの回想」と「新島冴による主人公の取り調べ」を往復するかたちでゲームが進みます。新しいパレス(敵、ステージ)の話に入るときには、かならず冴は怪盗事件のファイルを提示して怪盗の経緯を主人公に質問します。その際、冴が『次の悪人がどのような人物か、その事件について何が特に不思議なのか』を語るので、プレイヤーも冴の着目点に注意を向けながらゲームを進めることができます。

なんてクレバーなんだ。ペルソナ5は全体的に情報量が多いので、各章のはじめに大枠を提示してくれないとたぶんもっと頭がごちゃついたでしょう。怪盗ものっぽく自然に次回予告をするクールな手法。ミステリっぽくもあっていいですよね。(次は密室モノだよ、みたいな予告なので)

地を這う人々のモラル

前作ペルソナ4では転校生の主人公のスクールカーストがわりと最初から高めで、現実の高校生活よりも快適なスクールライフを送れたように記憶しています。あいつ最初から最後まで青春しっぱなしだったよな。

それが今作ではなんかいきなり冤罪前歴持ちだし、居候先のおじさんは冷たいし(堂島おじさんは不器用だけど配慮はあったのに…)、学校の先生も保身しか考えてないのが見え見えだし、生徒たちはあることないこと噂をしてるし裏サイトまであるし…。

なに?地獄?大人も子供も民度低くねえかこの世界???
ゲームでくらいハッピー学校生活を送らせてくれても良くない????

そんな状況で、乱暴ではあるけど人間としてまっとうなコミュニケーションをとってくれた竜司に対しプレイヤーの好感度が即ストップ高に。我ながらチョロかったけど、でも仕方ないだろ。真人間が少なすぎる。
次が鈴井志帆ちゃんな。4月時点で「噂、気にしないで」とか言われたら好きになっちゃうよなんでコープないの?カモシダまじゆるさねえ。幸せになってくれ志帆ちゃん。

メタ視点で考えると、モブたちのモラルの低さは精神崩壊事件の黒幕たち(獅童や検事部長)の計画と何か関わりがあるのかなーと思っています。メメントスのエリア名が「思想奪われし路」「節制奪われし路」など、ポジティブな人間性が集合的無意識から"奪われた"ことを示唆しているので、誰かが人々から人間性を奪っているのです。そのせいで民度が異様に低くなり、序盤のプレイがとてもつらかったんだー!うわーん!稲羽市(P4)が恋しいよー!ぜってえ黒幕ども改心させてやるからなー!

正当な手順では救われない人々

ペルソナ5の世界、モラルが崩壊していることもあって怪盗団メンバーをはじめとした被害者たちがかなり悲惨。竜司まさか脚つぶされてると思わなかったよ…(にもかかわらず「カモシダ殺すのはやりすぎじゃね?」って言えるの聖人か)。コープ対象キャラたちもたいてい誰かに踏みにじられていて、しかも加害者のほうが社会に守られちゃっている。大人のコープでさえそう。ぶっちゃけ今作の敵、「社会」なんですよね…。P4が自分探し型のジュブナイルだったのに対して、ずいぶん重くてデカい風呂敷を広げてきたなあという印象です。

作り手の誠実さを感じたのは、各パレスの主の造形です。敗北したマダラメ、カネシロ、オクムラは「俺もかつて被害者であり、被害者であることから逃れるために努力したらこうなった」という旨の告白をします。おそらくニイジマも似たような事情があるでしょう。男社会で女が認められるには~的なこと言ってたし(カモシダは微妙ですが、おそらく彼はバレー選手として成功したら女にモテたのが誤学習になってしまったパターン)。おそらくコープ対象者の一部も、将来のパレス持ちになりうる存在として描写されています。織田信也くんとかかなり危ないよね。

いじめられっ子がいじめっ子になるのは悲しい世の常ですが、いじめっ子になったいじめられっ子はある意味「社会適応を果たした者」でもあります。加害者にならなければ被害者になるのが社会のルールであるならば、加害者側に回るのは社会適応です。(フタバを除き)社会的強者であるパレス主たちはより社会のルールに応じている。だから金と名誉と権力がある。でも彼らに泣かされている人たちがたくさんいる。なんかおかしい。ということは…。

ということは、敵は社会そのものの在り方と言うべきで、これから怪盗団はあの世界の社会構造に戦いを挑むことになるのでしょう。

「義賊」「世直し」の危うさ

まっとうな手続きを踏んでもおそらく助からないであろう友人知人を怪盗団が救っていくプロセスは、個々のケースのみ見れば最適解かつハッピーエンドなんですよね。カモシダがのさばる世界よりは奴が社会的に死ぬ世界のほうが正しい。法治国家的な手段に従っていたら今頃竜司たちは退学だし春は身売りだ。しかしそれを容認するとどうなるかというと、支持率が60%超えたくらいからの怪盗チャンネルの惨状なんだよな…。

正直このテーマを真正面から扱ってくると思わなかったのでびっくりした。怪盗ブームが黒幕たちに作られたものであったとしても、恣意的な世直しの危うさは別に厳として存在するので。

アメコミ「ウォッチメン」では、覆面ヒーローたちによる私的な悪人討伐活動の危険性を"Who watches the watchmen?(誰が見張りを見張るのか)"という言葉で表しましたがまさにこれ。人の認知を直接いじるとかいう超科学手法で世直ししている集団を見張れる存在はいないから、暴走したら一般ピープルは震えるしかない。(そのことに気付いているモブが少なすぎるの、まさに思考を奪われた集団である)

そしてこれも凄い描写だなと思ったのが、怪盗団が暴走しかけた理由が「期待の声に煽られたから」「世間の声が無視できないほど大きくなったから」なんですよね。もちろん彼ら自身の名誉欲とかもあっただろうけど、単純に不特定多数の人々の声が延々かけられる状況は気がおかしくなるんですよ。
正しい手続き、法の支配の重要性を正義のアウトローたちが痛感するシーンがあるのはとてもとても良いゲームだと思いました。

モブたちがカギを握る

モブの民度が低いのは先述のとおりなんですが、怪盗チャンネルのコメントが治安があんまりよくないTwitterのTLみあっていいですよね。2ちゃんというよりはあれはスマホ世代の治安の悪いインターネッツ。

怪盗団の支持率低いときに「正義とかw」って煽られるのはまあ想定内だったんですが、支持率があがってからのコメントのキモさがあまりにもリアルで笑うしかなかった。こいつら喜ばせたくないから怪盗やめてえなと思ってしまった。(竜司はなんかやる気出してたけど。きっと彼はあまりネットをしないのだろう)

メジエドを下してからの民度の下がり方がまた良かったですね。「警察いらないんじゃね?」←いるわ馬鹿。
何が嫌って、あの民度の下がり方はプレイヤーの現実世界でもふつうに起きそうってちょっと感じるのが嫌。ペルソナ5はモブの愚かさがリアル。

またアメコミの話なんですが、バットマンシリーズ「キリング・ジョーク」に収められていた『罪なき市民』をちょっと思い出す。自分はどこにでもいる無辜の市民だという自意識が、どんなヴィランよりも醜悪な欲望を生み出す過程を描いた数ページの短編です。ペルソナ5のモブマインドだし、インターネッツに生息する我々のマインドでもある。

まあでもね、きっとこの物語の鍵を握ってるのはあのクソ底辺民度のモブたちなんですよ。

先ほど「ペルソナ5の敵は社会」と書きましたが、ラスボス:社会を改心させるにはおそらく黒幕たち(検事部長と獅童)を潰すだけじゃだめなんですよ。きっと頭がすげかわって同じことが起こる。社会を牛耳ってる人間がいるのは事実だけど、社会自体は人間一人一人が集団になったものにすぎないんだ。トップダウンとボトムアップ両方がラスボスの改心には必要。

なのでトゥルーエンドへの鍵を握っているのは、モブだろうと予想しています。あのモブどもの民度をあげないと駄目。オクムラフーズの偽装が内部告発で発覚して、もみ消そうとしても市民の声でちゃんと調査が入り内部告発者も守られるようなモブになってもらう必要がある。そのためにメメントスでの戦いがあるんですよきっと。モブたちに思考や節制や美徳を取り戻させたら、怪盗団は必要なくなる。

お前の好きにされるくらいなら私が私を殺す

序盤でおおっ!と思った描写が高巻杏がペルソナに覚醒したシーン。杏も竜司と同じくカモシダの言葉にブチ切れて目覚めたのだが、力を得て真っ先に攻撃したのはカモシダではなく、その隣でカモシダの”姫”をしている杏(の幻影)。一切の迷いなく、彼女は仇に弄ばれている自分自身を両断した。

うーんあまりにも納得感がありすぎて最高。そうなんですよ。ちゃんとプライドのある人間は自分を好き勝手されることを許さない。弄ばれ消費されるくらいならその自分を殺す。カモシダももちろんぶん殴りたいけど、あの状況での優先順位は絶対に自分を殺す方です。

これは我々の現実生活でも同様と言えるでしょう。鈴井志帆ちゃんのようにマジの自殺という形になってしまう場合もあるでしょうが、たとえば面と向かって「エロい目で見るな」「お前が嫌いだ」とはっきり言うのも相手の中での(相手にとって都合のいい)自分のイメージを殺す行為です。現実だとなかなか殺せなくてストーカーになったりDVに発展したりするんだけど…。

あとリアル自殺しても相手の中での認知が変わらないというのはカモシダ・アスモデウス・スグル戦で認知存在のスズイシホがカモシダの味方をすることにも表れていますね。他人の中で玩弄されている自分のイメージは、やはり生きて自らの手でぶっ殺していこうな。

奥村春が無理やり婚約者の家に行かされそうになることを「身売り」と表現することといい、ペルソナ5は被害者心情の描写の解像度が高いなあと感心しきりです。

授業による補助線

前作と同じくペルソナ5にも授業パートがあり、答えると知識や魅力がアップするシステムになっています。この授業の内容が面白い。

「人間の感覚は錯覚を起こす」
「確信犯は正しいと確信して犯罪を犯す者のこと」
「人間は弱いけど頑張ってるほうの味方をしたくなる(判官びいき)」
「権力を独占させると暴走する(日本銀行券と硬貨)」
「権力者は気分で無茶も通す(アウグストゥス)」
「革命者がその後独裁者になってしまうこともある(フランス革命)」
などなど、本編ストーリーにいい補助線を引いてくれる内容が満載。こういうちょっとしたところの上手さにニコニコしてます。

怪人二十面相VS明智小五郎~デスノートを添えて~

ペルソナ(仮面)をたくさん扱える怪盗である主人公を怪人二十面相になぞらえ、ライバル役に探偵明智をもってくるのめっちゃスマートで素敵。私は明智小五郎シリーズ読んだことなくてオマージュがあってもわからないのが悔しいところですが…!

確信犯(本来の用法by川上)の犯罪者とその信念を理解する探偵が、友情ともなんともいえない関係を育むのはデスノートっぽいなとも思いましたね。二人とも死なずに正義を全うできるといいな。プレイヤーも頑張るよ。

提示されている謎と展開予想

1.丸喜拓人
明らかにヤバイ人。たぶん精神暴走事件の実行犯である「黒い仮面の男」。ということは検事部長たちともつながりがあるんだよな~…。芳澤のナビが反応したときのキーワードはおそらく『丸喜先生 競技場 研究所』ですね。静かにやばいかんじのパレスで私は好きです。
あとおそらく双葉がパレスを作っちゃうまで追い詰めた黒い服の男コイツでしょ。声が丸喜だった。ルブラン来たときもさりげなく誘導かけてたのえげつなかったね。
丸喜は初手からめちゃめちゃ怪しんでたけど空振りじゃなくてよかった…。

2.芳澤かすみ
たぶん事故のときに姉妹が入れ替わってるんじゃないかな。かすみが丸喜のパレスに入る前の発言と、眼鏡をかけたかすみにそっくりの少女のシャドウ?認知存在?との会話から推測するとそうとしか思えない。
つまり「死んだのは妹、生きているのは姉のかすみ」ということになっているが実際は「死んだのは姉のかすみ、生きているのが妹。現在は妹がかすみを名乗っている」。
入れ替わりがあったとすると、かすみがスランプなのは姉妹が死んだのだけが理由ではなく「自分本来の持ち味ではない(姉かすみの持ち味だった)”大胆な演技”をしようとしているから」と思われる。選手生命が心配だ。

3.オープニングと取調室
ニイジマパレスがオープニングのカジノだったということが判明したことで、ちょっと不思議な点が出てきた。
オープニングではカジノで主人公が怪盗行為をし、カジノから脱出したところで警察に逮捕され、取り調べを受けているところに新島冴がやってきた。カジノ=パレス=認知世界。ということは逮捕されたのも認知世界で、取調室も認知世界なのではないか。裁判所以外の役所は現実そのままという描写があったので、取調室が現実の状態で冴の認知世界にあってもおかしくない。
ただ、取り調べ中の冴の言動からすると彼女は自分が認知世界にいるとは気づいていないっぽい。その辺は明智や真の作戦があったのかな。

キャラ語り

現時点までのキャラの感想とか。思うところがあるキャラだけです。

1.芳澤かすみ
かわいいよね~!!めっちゃかわいい。恋人にしたいんだけどいつになったらコープ先に進められるの?(※現在2股中)
昔はこういう礼儀正しい性格の良い文武両道のかわいい女の子って鼻について好きになれなかったんですが(P5モブマインド)、最近は素直に好きと言えますね。好きだよ。誰か一人選べと言われたらかすみちゃんを選ぶよ。本当に君がかすみって名前なのかはともかく。

2.岩井宗久
はじめて会った時から「しゅき~~~~!コープある!?ある!?仲良くなりてえ~~~~!!」と思っていたのに、まさかの度胸4レベルを要求されて凹んだ。めっちゃビッグバンバーガー通ったわ。
コープ終わりの「またな…(クソセクシー低音ボイス)」が腰にくる。いまCV調べたんですが江川央生さんという方らしいです。ベテラン声優だあ…。

3.三島由輝
推しっていうか胃を痛めさせられた枠。三島の自意識、めっちゃめっちゃ見覚えのあるやつでうわああああああってなるじゃん?あきらかやべーこと言ってんだけど、ストレートに注意するとキレたり拗ねたり泣いたりしそうだから口当たりいいことしか言えなくてプレイヤーが自己嫌悪になったわ。最近やっと目を覚ましてくれてよかったです。怪チャンつくってくれてありがとな。

4.川上貞代
転校当初はクッソやる気のない担任じゃん大外れかよと思ったら、あの世界ではかなりマトモな人格をしていたでござる。コープ始まったら「こいつコープMAXまでいかないと近いうちに死ぬのでは…?」としか思えなかったのでわりと優先的に交流してしまった。予感は当たっていた。鬱とかになる前に体が限界にきたのはむしろラッキーだったよね…。
恋人になったらめっちゃ色気がすごかった。卒業が楽しみである。

5.ジョゼくん
ジョゼくんかわいいよ~~~!お花たくさんあげようねえ♡はあ~かわいいわあ。ちょっと背伸びしてるちっちゃい男の子ってなんであんなかわいいんでしょうね。ぜってースタッフにショタ好きいるでしょ。あまりにかわいい。甥っ子くんとかにいたら嬉しいよねああいう子。お年玉万札あげちゃって親に怒られたい。織田信也くんもだけどペルソナ5は男の子がめちゃくちゃかわいいよね。
おつかれー!


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