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昔の電話番号

お正月に書いたSFショートショートです。画像はAI作。
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正月に実家の勉強机を開けたところ、小学校時代の連絡網を見つけた。小田中くんの名前に丸印がついていて、彼との思い出が蘇る。

小学生時代、小田中くん家で毎日のように漫画を読んだり、絵を描いたり、ゲームウォッチをして遊んだ。しかし、小田中くんがファミコンを買ってもらうと、持ってない私はついて行けず、いつの間にか疎遠になってしまった。中学高校で会話した記憶がほとんどない。

「別の人が出たら切ればいいや」

約40年ぶりに軽い気持ちで小田中くんの家に電話をかけてみた。
出たのは小学生の小田中くんだった。

「何で連絡くれないの?ゲームをしよう」と誘ってくれ、流れで会いに行くことになった。

クルマで行ってみると、そこには別の家が建っていて、表札の名前も違った。

「やっぱりそうだよな。」

念のため携帯から電話をかけると、

「今、開けるね。」

彼は言い、目の前の扉が開いた。現れたのは、小田中くんそっくりのメガネをかけた少年だった。

「入って。ゲームやろうよ。」

小学生時代の反動か、大人になってから新旧ハードを揃えて
相当ゲームをやり込んできた。負ける気はしない。
今の状況について考えるのは後にして、少年との時間を楽しもう。

#ショートショート #SF #ゲーム #少年時代 #はりこま文庫

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