披露宴の振り返りみたいなことをしてみる(後編)
さて、前編は結婚式の準備まで書きましたね。
今日は結婚式前日から当日のお話をしていこうと思います。
●前編はこちら→
前日
結婚式前日は、我が家に親戚一同が集まり、酒宴が催されました。
結婚式前日に吞むのって田舎特有なんですかね?
「今時そんなことやらないよ」と後日言われ、そうなんや!と思ったのを思い出します。
前祝の席中、私たち夫婦の結婚の仲人をつとめてくださる方からお電話をいただきまして、
「明日、君のこと紹介するけど、もらった資料だけではよくわからん。もっと君のこと教えてくれ」と電話がありました。
「今言うっ!?」となりましたがプレゼンしましたよ。
いかにラーメンが好きかをね…
当日
そんなこんなで当日。
外は土砂降り。
見せつけてやりましたよ。いかに雨男かをね…
お付き合いしてる時、遠距離恋愛だったんで、会えるのはせいぜい月に一回。月に一度の念願のデートの日はいつも雨。妻には今でも言われます。
「ほんとどうしようもないくらい雨男だよね」
気を取り直して結婚式会場に向かいます。
私の家は天理教なので、天理教式で結婚式を行いました。
妻の実家はおそろしく遠いので、前日に前乗りしている方や、遠くは北海道から来てくれている人もいました。
結婚式は滞りなくつとめさせていただいて、あまり緊張もしませんでした。
みんなで記念写真撮ったり、親族固めの杯をしたり、神様の前で結婚誓詞を奏上したり…
終始和やかに進みました。
ただ、やはり妻のお父様は目を合わせてくれません。
「ああ…当日になってもやっぱりダメかあ…いよいよこれは植毛しないと許してもらえないかあ…」と頓珍漢なことを考えていた訳ではないですが、やっぱりちょっとショックでした。
結婚式は終了し、ホテルに移動します。車で10分くらいの場所です。
やっぱり結婚式場と披露宴会場は近いに越したことはありません。
大人数が短時間に移動しなければならないので、それだけ大変です。
車とマイクロバスの大移動が始まりました。
みなさんより先に会場入りして、私の準備はそこそこに、妻を美しくしてもらいました。(元から美しいですよ?さらにです。さらに)
髪の毛やら、衣装やらを何人もの人たちにいじくりまわされる妻を見ながら、「女の子ってマジ大変」って、のほほんとしていたのを思い出します。
披露宴開始まで少し時間があり、ホテルロビーを覗きにいくと、たくさんの参列者で溢れかえっていました。
完全にビビり倒してましたが、友人や上司たちがここぞとばかりに大量のビールを注文して酔っ払ってる姿を見て、「いいなー俺もそっち側がいい」とかほざいてました。
開宴
いよいよ開宴。
重厚で高そうなドアを超イケメン風のホテルマンが開けてくれます。
入場のBGMはもちろんビートルズ。
『All You Need Is Love』の
「♪タンタターンタンタンタンターンタタ、タタンタタン、ターン」
「ガチャッッッッ!」
「バーーーン」(新郎新婦入場)
「♪ラーヴラーヴラーヴ」
みたいな感じですよ。
私、ビートルズ大好きなんですよ。
好き過ぎてイギリス行っちゃって、アビーロードスタジオ行って、友人含め四人で例の横断歩道渡っちゃったくらい好きです。
なので、披露宴で流れるBGMはすべてビートルズで統一しました。
以下、プログラムです。
新郎新婦入場
プロフィール紹介(仲人より)
主賓挨拶(新郎側・新婦側それぞれ)
ウェディングケーキ入刀
乾杯の挨拶
来賓挨拶(新郎側・新婦側それぞれ)
新婦お色直し退場
新婦(ドレス)入場
新郎・新婦紹介映像上映
祝電披露
キャンドルサービス
メモリアルキャンドル点火
新郎側友人芸出し
新婦妹全員で芸出し
友人スピーチ
両親花束贈呈・新婦手紙
両家代表謝辞(新郎)
退場
送賓
やばくないですか?
どこがアットホームやねん。大抵のやれること全部やっとるやないかい。
開演から終宴まで4時間超でしたかね…もはや私恥ずかしながら、緊張をほぐすために信じられないペースで呑んでたのでベロベロでした。
上記には書いてないですけど、カラオケ大会やら他にも何やら始まってた気がします。
新郎側芸出しに関しては、全く知らされてなくて、友人がサプライズでやってくれました。まあひどかったです。素っ裸になる寸前で止まってくれたから良しとします。
新婦側芸出しは、妻の妹三人がアイドルの格好をしてAKB踊ってくれました。妻もウェディングドレスのまま乱入し、踊り狂ってました。
妻はドレスだったので、ポロリしないか気が気じゃなかったです。
他にも、入場の際に渡す新郎・新婦紹介の冊子やら、ウェルカムボードやら、紹介DVDやら友人達が作ってくれて、感無量でした。
あまり人も呼ばず、アットホームに、和やかに、自分たちの身の丈にあった披露宴ができればいいと考えていた私ですが、たくさんの愛する友人や親族の「二人を全力で祝福しよう!」という気持ちが伝わってきて泣きそうでした。
それでも泣かなかったけどね。
ベロンベロンに酔っ払ってたけど、緊張はまったく解けませんでした。
「なにこれ。どんだけ呑んでも緊張してんだけど。ウケる」と心の中でずっと考えてました。
どんだけ注目されるの苦手やねんって感じですよね。ダメなんですよ。
妻はなんだかんだ言ってましたけど、度胸のある子なので、始まってからはこれっぽっちも緊張してませんでした。
終始にぎやかにやかましく続いていた披露宴は終わりに近づき、会場を退場し、新郎・新婦・両家両親と共に、出入り口で参列してくださった方にお土産を渡して、御礼していきました。
最後の方が無事に退場し、6人だけになった時、肩の荷がふっと軽くなりました。
「…終わった…」
死ぬほど脱力しましたが、最後に一つ残ってます。
無視されようが、妻のお父様に御礼と、これから夫婦そろってがんばりますという決意表明をしなきゃと思った瞬間。
後ろからポンっと肩を叩かれまして、すすり泣くような声で、
「…頼むぞ…」
とだけ言ってお父様は颯爽と去っていきました。
目から汁が止まりませんでした。
結婚の挨拶から今日に至るまで、ずっと目も合わせてくれなかったお父様が最後に一言だけくれました。
それだけで充分でした。
たった一言でも、思いや感情は伝わります。
可愛い可愛い愛娘を今この瞬間、私に託してくださったんだなと思い、目から汁出しながら深々と頭を下げました。
そんな結婚式、披露宴でした。
これだけ大きなことをやると、やっぱり今でも記憶に残ってます。
披露宴はやるべきなのか、やらなくてもいいのか。
盛大にやるのか、アットホームにやるのか。
形は多種多様です。すべて正解なんでしょう。
私たち夫婦は、やらなくていい、やるにしてもできるだけ小さくという希望でしたが、結果的には盛大になりました。
でも、それで良かったんだろうと今では思います。
私たちのために、全国から寄り集い、準備までしてくれて、人の手が通った披露宴だったなと振り返ることができます。
今日の夜、妻に、
「もっかい披露宴やりたい?」と聞いたら、
「ぜっっっっっっっっっっっっっっったい嫌」と超絶可愛く言ってました。
妻は妻で当時の披露宴から感じたこと、思ったことがあると思います。
今度は、当時の妻が何を感じていたか、思っていたかをじっくり聞いてみたいと思います。