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モノとの出会い

この間、友人と訪れた画材店で
思いがけない物との出会いがありました。

その日は特に何かを買うつもりもないまま、
店内をゆっくり見て回っていたのですが、

いろんなアイテムがある中で、あるものに目が留まって
見つけた瞬間になんて可愛いんだ!と心が踊った私。

“楽”という一文字の小さな手彫りの遊印でした。

その印は鳥蟲篆(ちょうちゅうてん)という書体で
石に彫られているもので、初めて目にするものでした。
一見何の文字かは分かりにくいのですが、

漢字自体が鳥の集まりに見えるような
鳥たちが木にとまって歌っているような
まさに楽しげな様子が伝わってくる印を見つけたのです。

しかもそれがセールになっていて。
それでも、買おうかどうか迷っていた私。
印は一つも持っていなかったし、何かに使えるかなというくらいで
友人たちが「あなたにぴったりだよ」と強く勧めてくれたおかげも
あって、購入することにしたんです。

目的が明確にあったわけじゃないんですけれど、
それを手にしてから、
なんだかとても良いものと出会えたような気がずっとしていて、
帰り道に「これも何かの縁なのかな」と思い始めたら、
なんだそうか!とわかったことがあって、またさらに嬉しくなったんです。

小瑠璃という名前は小鳥の名前から付けたものだったので、
私の描いた作品に押す印として使えること。

これから私の描く作品を気に入って求めてくださる方に
販売していきたいと考えていたので、
作品にピッタリじゃないか!と気がついたんです。

これからのことに必要な贈り物だったような気が勝手にしています。

自分で買ったものではあるのですが、
このような巡り合わせは大いなる存在からのギフトのような感じがして
今もじんわり心が温かくなります。

この独特の書体がとても好きです。
印の飾り部分には寅が鎮座しています。
「壬寅」と刻印されているので、おそらく一年前に作られたものが
セールになっていたんだと思います。

これからの道を強く守ってくれそうな縁起の良い寅ということにして、
心強い御守りのように大事に使っていきたいなと思っています。

「縁は人だけじゃなくて、必要な時に必要なモノとの出会いもある。」

そんなことを強く感じた出来事でした。





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