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氣まぐれ瞑想日記 #008 木となり、山となれ
2025年が明けてすぐに、瞑想を始めた。
少し前からやろうと決めていた。
薄く白い雲がちぎれながら視界全体に広がっている。
私は空を飛んでいるのか、空でとどまっているのか、目の前の白い雲が時折瞬間に形を変えて通り過ぎていくような不思議な感覚だった。
どこに向かっているのだろう。
この大きは羽はどこまでも飛べそうな気もする。
雲の中を進むのかなと思ったら、突然雨の粒が降ってきた。
少し大きく視えた雨の粒は、一粒一粒がシャボン玉のように艶があり、透明感があって綺麗だった。
晴れてるのに雨かぁ…。
しかし、雨の粒ってこんなに綺麗だっけ。
そう思いながら眺めていたら、
雨の粒がさらに眩しく光り始めた。
下の方から太陽の光が当たり始めたのだ。
太陽が上ってくる。
日の出だ。
上から下へ降る雨と、
下から上へ広がる太陽の光。
交差する姿を見せてもらったのだと思った。
その光景があまりに綺麗で眩しくて、神々しくて嬉しくて、急に涙が込み上げてくる。
瞑る目から涙がこぼれ落ちる。
理由などなくても、ただただ有難かったのだ。
涙する私に、スペードを逆さにしたような形の一枚の大きな葉っぱが、どこかで私を呼んでいた。
「おーい、こっちにおいで」
大きな葉っぱが優しく揺れながら、地面のあたりから手を振るように私を呼んでいる。
私は葛の葉が大好きなのだけれど、どこか似た格好をしていた。
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なんだろう…?
呼ばれたので行ってみると、まるで平たい盃のように大きな葉を緩く丸めて器を作り、その中にたっぷり水を溜めていた。
お皿に溜まった水みたいだな。
さっきの雨が溜まったのかな?
そんなことを思っていると、水が入った葉の器ごと差し出された。
何も言わず差し出されたので、私は反射的にその水を飲み干した。
勝手に飲んでよかったのかな?
後からそんなことを思っていたら、自分の足が木の根っこに変わり、根を張っていた。
これじゃ、動けない!
咄嗟に焦った私は、ジタバタ足を動かしてみるが、全く動じない。
意地でも動けなくするかのように、だんだん私の足は隆隆とした根っこになっていく。
動こうとすればするほど、根っこはどんどん盛り上がり、土を捉え、広がっていく。
“今は、根を張れ”
“ビクともしないくらい、根を張れ”
そう言われた。
さっきまで大きな羽を持って空にいたはずなのに、なぜだかいつもの散歩道の場面の映像が出てくる。
道路の横の街路樹のように、私はそこに佇む木になっていた。
側では車が何台も通り過ぎる。
速度の速い車の往来を横目で視ながら、じっと動けずにそこに佇んでいる。
木になることをなぜか受け入れた私は、そこからの眺めを楽しもうと、ふと顔を上げてみた。
そこには大好きな山が目の前にあった。
この眺めはやっぱり最高だなぁ✨
なんて思っていると今度は、
“山を目指せ”
そう言われた。
どういう意味なんだろうか。
とにかく今はなるべく思考を使いたくないな。
いつも見てくださっているみなさんに何かメッセージはありますか?
と思い切って訊ねてみた。
すると、
“日はどこから上るか(考えてみよ)”
“足元に全てある”
この2つのメッセージが伝わってきた。
これを聞いてピンとくる人に、受け取ってもらえたらと思う。