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《絵本レビュー》ちいさなトガリネズミ(童話)
20代で勤めていた頃、仕事帰りに駅の構内の〝立ち食いうどん屋〟で、毎日麺をすすったもんです。
それは、退職後も妊娠中も〝立ち食いうどん屋〟と縁がある(笑)なんでなん。もう吸い寄せられていくんです、うどんだけに。
…..。
そんなこんなで、今日はそんな日々を思い出させてくれた童話【ちいさなトガリネズミ】のレビューをしたいと思います。
〔文〕みやこし あきこ
〔絵〕みやこし あきこ
〔初版〕2022年11月
《ストーリーについて》
主人公は、働き者のトガリネズミ。
1日のお決まりのルーティン。
1週間のお決まりのルーティン。
1年のお決まりの友達交流。
ちいさなお決まりをたくさん持ってるトガリネズミ。
ちいさなトガリネズミが、ちいさなお決まりをつくり、ちいさな幸せを私たちに、たくさん与えてくれる物語です。
※ちなみにトガリネズミのこと調べてみました。
・実はネズミじゃなくモグラやハリネズミと近縁の生き物。
・代謝が良く燃費が良くないため1日当たり体重の約2倍~3倍もの餌を食べないと死んでしまうようそうな。
・北海道に住むトウキョウトガリネズミは、世界最小種の哺乳類!
・寿命は1年程度、飼育下では2年程度。
《10コの視点》
【表表紙・裏表紙】
カバー用紙にトガリネズミが見えるように型抜き加工されている。帯も銀刷りで豪華!
【見返し】
赤と緑のチェック柄の用紙。
なんだろう、トガリネズミくんの好みなんだろうか。
【題字の文字】
丸い手書き文字の中に、ぐるぐるっとした装飾がほどこされている。
【絵】
あたたかいタッチで、グレーで統一されたページと色付きのあるページが有る。そのコントラストが読者の感情を華やかにする。童話だけれど絵がたくさん描かれてあって、トガリネズミくんの実直で優しい性格もわかる。
【文】
たんたんと、詩集のように感じる文。心が穏やかになり、深い呼吸の中で読むことができた。
【構成】
トガリネズミのいちにち→トガリネズミのあこがれ→トガリネズミのともだち
【キャラクター】
トガリネズミ・職場のトムさん・遠くに住む友達
【舞台設定】
自宅・職場・パン屋・近所の店
【しかけ】
これってミニマリストなんじゃないかと思わずにはいられないトガリネズミくんよ。
【ハッピーエンド】
1年の締めは、恒例のお友達と過ごしてハッピーエンド!
《読み聞かせをしてみて》
『トガリネズミくんってさ スリッパはくの?』
『ルービックキューブは なかなか むずかしいんだよね』
『わたしたちも うみのなかに もぐりたいなぁ』
と言ってました。
私の感想は、こんな丁寧でルーティン化されてた暮らしを可能にしているトガリネズミくんが眩しかったですよ。
なかなか出来るこたぁ難しいです。
《おしまいの言葉》
なんだか、心地よく読ませてもらっちゃって…童話ということで、71ページあったんですが、肩の力がぬけていくような感覚がありました。
ほんと小さな事って大事なんですよね。
急に大きな事はやれないし、私、数年前までは小さなことが歯痒く感じるこが多かったですが(抱えきれんかったらパンクしちゃう)、この本には小さな事の美しさや幸せがたくさん詰まってるなって思いました。
毎日、毎週、毎年とトガリネズミくんのように、誰しもが自分のペースやベースつくりに日夜励んでるんですよね。
みなさんも小さくファイト!
自分も小さくファイト!
ではまたっ☆彡
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