《絵本レビュー》さんまいのおふだ
こんばんわ(^^)
今日は、大雨時々雷でした。Apple Watchは、曇り時々晴れっていってたのに。
(ウソツキ!キツツキ!)
うちの家は湿度が高くて大事な絵本が少しうねるんですよね。だから、梅雨は嫌なんですよまったくっ。
…んさっ、今宵もやっていきましょう!
レビューするのは【さんまいのおふだ】です。
文は、千葉幹夫さん。
絵は、早川純子さん。
初版は、2010年7月です。
《ストーリーについて》
むかしむかし山に栗拾いに行った、小僧さんが、恐ろしいヤマンバに捕まってしまいました。
小僧さんは、和尚さんにもらった三枚のお札に願いを託して必死になって逃げます。
小僧さんは逃げ抜くことができるのでしょうか?
とにかく、ヤマンバがおっかない様子がたっぷりとみれる日本を代表する昔話の絵本です。
《10コの好きなところ》
①表紙は、ヤマンバが表紙いっぱいに描かれていて、とにかくとにかく恐いところ!
②見返しは、小僧が栗拾いに行くその栗がたくさん描かれていて唯一カワイイ♡
③題字の文字は、お札みたいなデザインで筆で書いたような書体が物語とマッチしている。
④絵は、もうひたすらとにかくヤマンバがこわい!ヤマンバが赤みの強い肌で、口が耳まで裂けて白い髪も逆立っていて、おどろおどろしいところ。
⑤文は、いや…文もヤマンバの言葉がこわいこわい。話す一つ一つの言葉に、性格が現れている。
⑥小僧だけに言い出したら聞かない性格というところも可愛いし、そこがキーポイントかもしれない。(しかも、時間も忘れて、たんまりと栗を拾っているところもハラハラする)
⑦ヤマンバが裸足で小僧さんを追いかけているところが、さらに恐いし、三枚のお札は時間稼ぎにしかならないところも良い。
⑧こういう一方では小僧が追い込まれているのに、一方では和尚さんの焦らない余裕のある対極している体感時間の差がおもしろい。
⑨ヤマンバが、餅が大好物っていうところが知れたのと、歯が黒いから歯磨きしてないんだなぁって推測できるところ。
⑩最後は、和尚さんの頓知でハッピーエンド。
《読み聞かせをしてみて》
娘たち(7才・5才)は、
『わたしだったら、めちゃくちゃににげて、おふだで、おーきなやまでろっ!っていう!』
『あとは、ちいさくさせて、かわにながれさせる!やっつけれるやん?』
『やまんばを、まほうつかいをおふだでよんで、ちきゅうのそとにとばす!』
って、言ってました。(笑)
ヤマンバっておっかないんですが、その結末たるやいなや和尚さんの華麗な頓知で、あっけなく終わるところに、ヤマンバの気持ちを考えましたね。それでいいのかいって。
《おしまいの言葉》
このお札のように、何かの方法で化け物などから逃げる話を〝呪的逃走〟と呼ぶそうです。
たしかに昔話には、こういう話がいくつもあるように感じます。
なんか、昔話に現代を生きてるウチの娘たちがめちゃくちゃ食いついて聞いているんですよね。
これって、物語や絵の力なんだと改めて昔話の凄みにうなってしまいました。
さぁ、おそろしい姿のヤマンバさんよ、どうか成仏してくだされっ!
☆彡
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