《絵本レビュー》おこってるんだからね
突然ですが〝推しの子〟っていうマンガご存知でしょうか?
うちの長女は、この物語にでてくる〝星野アイ〟というアイドルの似顔絵を日夜描きまくっております。(そう、取り憑かれたように描いてる)
そんで、うちの脱衣所にはホワイトボードがありまして、フリースペースにしてるんですけども。(なんでも書いていいよ!のホワイトボード)
そこに、ある日わたしが長女を喜ばせようおもて、星野アイを描いたんですよ。
見つけた長女は号泣激怒して…訳のわからない私は彼女にその理由を聞くと、
『なんで、ワタシのほうがまいにちまいにちかいているのに、ママのほうがじょうずなの?ぐやじぃ〜!!!』
ですって。この負けん気の強さ、誰に似たん…ライバル視されてますやん、ワタシ。
まぁ、そんな今日は、怒りの連鎖が続く絵本【 おこってるんだからね 】のレビューをしたいと思います!パチパチパチ。
〔作〕川之上英子・川之上健
〔発行所〕生命保険協会
〔初版〕2011年3月
第3回 家族のきずな絵本コンテスト大賞受賞
《ストーリーについて》
ある日、お父さんがボクに怒ってきました。
ボクからおねえちゃん、おねえちゃんからおかあさんへと、怒りが連鎖していきます。
しまいには、飼ってるネコにまで怒って…
家での日常生活の中で、家族みんなが怒りに怒る、激しくも温かいプンスカプンプンな物語です。
《10コの視点》
【キャラクター】
・ボク
・お父さん
・お母さん
・お姉ちゃん
・飼い猫
【舞台】
・家の中
【構成】
ボクがお父さんから怒られる、ボクはお姉ちゃんに怒る
↓
お姉ちゃんは、お母さんに怒る、お母さんはお父さんに怒る
↓
主人公の男の子は怒ってるんだ!と、飼い猫に熱弁する
↓
何で怒っているのか忘れて、父子一緒お風呂に入り一緒の布団で寝る
【文】
全てが家の中という近距離の中で怒りが連鎖していく様が文体からよくわかる。
主人公の男の子が飼い猫に、自分がどれだけ怒っているのかを力説している表現文が面白い。
【絵】
怒っている絵本なので、どのページもどの人もムッスリとした表情がある。
絵からわかる状況としては、お父さんは息子に対して片付けろ!とおこっていて。男の子はお姉ちゃんが1人だけ何か食べていることに対して怒っていて。
お姉ちゃんは、お母さんに弟から、とばっちりを受けたことを報告しながら怒っていて、お母さんは何も手伝わずゴルフの手入れをしているお父さんに怒っていることが解る。家族あるあるであーる。
【イチオシ】
これはですね、最終的に主人公が何で怒られたのか忘れちゃったというところにある(笑)
【ハッピーエンド】
父子同じ布団で仲良くスヤスヤ寝てハッピーエンド。
【表表紙・裏表紙】
主人公の男の子の、怒りながら歯磨きしている様が描かれている。
【見返し】
朝方を表すキナリの用紙に小鳥が描かれている。
【題字の文字】
〝おこってるんだからね〟の〝る〟の文字が反転している。まるで、ヘソを曲げるかの様に。
《読み聞かせをしてみて》
『わたしたちはさ そんなことないよねー(7)』
『そうよそうよ! ばぁばだけ うるさいけど(9)』
『いやいや、姉妹喧嘩してますやん(母)』
文章力少なめなので、絵をじっくりと見せながら読み聞かせしました。
《おしまいの言葉》
うちの娘たちは、激しい喧嘩はしないのですが、あーだーこーだー口が達者で。もう本当、理屈の天才です!
そしてわたしは、この絵本の中のネコのように彼女たちの言い分を聞くことになります。(笑)
どっちも正義で互いに言い分があるんですよね。そして、その悲しみが怒りへと移行して喧嘩になるという負の連鎖。
でも、ケロッと仲直りして一緒にお風呂に入ります。大抵は些細な事の毎日でございます。
怒りの連鎖でも、いつかはそれが愛しい思い出に変わるのでしょうなぁ〜。
わたしは、そこを希望として育児奮闘します。
現場からは以上ですっ!
☆彡板挟みコボシより
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