ベルギー ブリュッセルのフラワーカーペット
お隣の国ベルギー、ブリュッセルの思い出を少しだけ残しておきたい。
ブリュッセルを最初に訪れたのは、学生時代。外国人学生のためのレクリエーションの一環で、それから何度か足を運んでいる。
ドイツからそれほど離れていないにも関わらず、建物も言葉も違う国がある事が、私は今でも少し感動してしまう。
ブリュッセルではフラワーカーペットのイベントがある事を知り、いつか出かけてみたいと思っていた。
2020年のフラワーカーペットは、コロナの影響により中止となったが、2022年は先週の8月11〜15日に開催されたそうだ。
情報を知った時にはすでに遅く、別の予定を立てており、訪れる事ができなかった。
さて、ブリュッセルは、言わずと知れたベルギーの首都。
そして、EUの政策執行機関である欧州委員会本部がある事でも知られている。
外国人学生のためのレクリエーションとして参加した際には、建物の内部見学もさせて頂いた。
シュトラスブルクにあるEU欧州議会会場にも、別の機会に訪れたことがある。
建物の前に、ずらりと国旗がはためいていたのが印象的だった。
街はそれほど大きくなく、中心地だけなら徒歩で充分回れるほどで、その観光の中心がグラン・プラス。
この場所は、1998年に世界遺産にも登録されている。
また、ここがフラワーカーペットの会場でもある。
ここが花の絨毯で一杯になることを想像し、いつかフラワーカーペット開催中に訪れようと決めた。
ブリュッセルと言えば、小便小僧が有名だ。
初めて訪れた時は、その小ささに驚いてしまった。
そして、この小便小僧は、あまり名誉ではないものにリストアップされている。
それが、世界三大ガッカリ。
ブリュッセルの小便小僧
コペンハーゲンの人魚姫の像
シンガポールのマーライオンだったろうか。
しかし、この小便小僧は大変な人気で、彼のためにたくさんの洋服が寄付され、それが博物館になっているほどだ。
一度だけ、洋服を着ているのを見たことがある。
もう一つ、小便少女もいるのを、レクリエーションの時にガイド役をしてくれた学生が教えてくれた。
その姿はあまりにもリアルで、写真を撮る事はしなかった。
インターネットにはその姿がたくさんあるので、興味のある方はご自身でご確認いただきたい。
その他、郊外にはブリュッセル万博の名残であるアトミウムというモニュメントがある。
ブリュッセルはスイーツも有名で、観光途中には、大好きなベルギーワッフルで体の疲れを取る。
ワッフルが焼かれる時のあの甘く柔らかい香りが、気持ちを高揚させる。
ベルギーワッフルには、実は二つの種類がある。
ブリュッセルのワッフルは四角く、柔らかく焼かれ、生クリームやストロベリーなどをトッピングして頂く。
もう一つは、リエージュという街を中心としたワッフルは、まん丸で硬く焼き上げられ、シナモンなどを振りかけたりする。
こちらは、手に持って食べられるものだ。
私はリエージュワッフルの方が好きで、ワッフルを食べるためにリエージュまでお出かけした事もある。
その時の事も別途記事に残してみたい。
他には、チョコレートのゴディバ本店も、このグラン・パレス内にある。
サブロン広場は、グランパレス同様にチョコレート店が多く、お散歩するだけでも楽しい。
ピエール・マルコニー二本店もここにあり、足を運んだことがある。
本店は2階がカフェになっているので、そちらで休憩したのだが、店内がチョコレートの甘い香りに包まれ、店内に入るだけでワクワクしてしまった。
さて、旅の目的のフラワーカーペット。
1971年から始まったこのイベントは、現在では2年に1度開催されている。
花が美しい姿を残せる間だけなので、このイベントは数日間のみ。
初日は花を敷き詰める作業をするので、実際には3日間しか、その美しい姿を見ることはできない。
8月という時期でもあり、花を長く保つことは難しく、時間との戦いなのだそうだ。
ちなみに、広場は110m×70m四方で、周りは建物にぐるりと囲まれている。
うち、77m×24mのフラワーカーペットが敷かれるが、使われる花の数は60万本とも言われている。数日だけのために、どれほどの時間をかけて準備するのだろうかと思うと、頭が下がる思いだ。
毎年その模様が変わるというカーペットは、年々のテーマがあり、2016年は日本とベルギー友好150周年を祝い、日本らしいデザインがその広場を美しく飾ったそうだ。
フラワーカーペットは、ベルギーだけでなく各地で見る事があるが、これはキリスト教の聖体祭の行事の一つが起源だと言われている。
それがフラワーシャワーと呼ばれるもので、13世紀頃には司教達が教会まで歩く間、市民達が花でその道中をお祝いしたという。
その後その形は少し変わり、市民が教会までの道のりを花で飾り、その上を司教達が歩きお祝いをするようになったそうだ。
更には、サン・ピエトロ寺院では、花絵として芸術を競うようなものになっていったという。
フラワーカーペットはつまり、市民達の手によって、神に捧げる芸術。
そして崩される事が目的で作られたと知り、その一瞬の美しさがより際立つように感じた。
桜が美しいと思うのは、その儚さ故だと感じるのだが、このフラワーカーペットも同じなのかもしれない。
その巨大な花のカーペットを目にして、鳥肌が立つほどに感動してしまった。
そして、昼間と夜は全くその様子が違う。
市庁舎の上からは、ライトアップされた様子を見ることができる。
大変な行列で混雑していたが、やはりこの景色を見てみたかった。
これを見るためだけでも、デュッセルドルフから来た甲斐があるというものだ。
次のフラワーカーペット開催年に、またお出かけしてみようか。
エフェメラル・アート 儚い命の芸術を堪能するために。
もしくは、また美味しいベルギーワッフルを食べるために。
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