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クロアチア③ドゥブロクニク 海と山の美しさ

ドゥブロブニク記事の最後は、海と山に纏わる場所を。

⑭旧港 Old port

旧市街の中にある港。
今は主に、数時間のクルーズ用小型船が乗り入れる。

⑮グルズ港 Port Gruž

旧港に対し、大型の船舶が入港するため、とても大きい港だ。

ちょうど、大型船が港を離れるところに居合わせた。
このような大型船が、頻繁に出入りしている。

ドイツ人の夏の休暇、平均的な取得日数は2週間から3週間。
このようなクルーズ船で近隣諸国を周る船旅は、ドイツ人にとても人気だ。
私の同僚も、クルーズ船でイタリアから出発し、各地を訪れる途中にドゥブロブニクに立ち寄ったと話してくれた。
このようなクルーズだと、市内にいられる時間は数時間しかないという。
早朝に到着し、夕方にはまた出発するそうだ。

また、近隣の街からも、日帰りで訪れるかたが多いと聞く。
街はこじんまりしており、一日で見て回れる大きさだ。

⑯ラパッド地区の海 Lapad

街の西側は、主に海水浴を楽しむために訪れる方が多い。
美しいビーチが広がっていた。
旧市街の辺りは岩場が多く、また小さな石がゴロゴロしているが、ここには砂浜もあり、まさにリゾートという雰囲気だ。

⑰ホテル近くの海

岩場が多いけれど、海の水はとても綺麗だった。
久しぶりに海で泳いだ。

水族館のように、小さな魚がたくさんいたので驚いてしまった。
まるで水族館みたいだと言うと、水族館は海を再現しているだけだよ、とパートナーに笑われた。

本当だ。
私はこんなに綺麗な海を見慣れていないため、水族館がまるで造られた空間のように思えてしまう。
しかし、水族館というものは、このような美しい光景を切り取って再現した、小さな海なのだ。

美しい水の中で泳ぐ魚を見ているだけで、あっという間に時間が過ぎて行ってしまう。

みなが数時間しか滞在しないこの小さな街で、私達は約一週間過ごした。
慌ただしい旅は、私は少し苦手だ。
休暇の日の朝は、目が覚めてもベッドの上でゴロゴロしていたい。
美味しい朝食を、ゆっくり食べたい。
地元のスーパーや市場に出かけて、知らない食材を買ってみたい。
地図にも載っていない場所を、案内もなく彷徨ってみたい。
見た事のない景色を見てみたい。
気に入った場所を、もう一度訪れたい。
そして、何もしないという、なんとも贅沢な時間を楽しみたい。

海が青く、そして碧い。

⑱スルジ山 Srđ /Srd Mountain

山頂までは、ケーブルカーで登ることができる。
もちろん、歩いて登ることもできるそうだ。

まさにここが、魔女の宅急便を思い出させる場所だった。
城壁が、街をぐるりと一周しているのがよく分かる。

ここは、旧市街と同じくらい観光客が多かった。
みな、山肌に腰を下ろし、旧市街の景色を楽しんでいる。
そして、夕陽が落ちる時間には、みなが一斉に夕陽の方向を見るようになった。

右側に少し写っているのが、ケーブルカー。
夕陽が海に吸い込まれていくのを、ゆっくり見守った。

海に沈む夕陽は、なぜこんなにも綺麗なのだろうか。

頂上にはレストランもある。
ここで街を見ながら食べた夕飯は、とても美味しかった。

最後に、少しだけ食事編。
食文化は、トルコやハンガリーの文化、イタリア文化のちょうど間のようだ。

チェヴァプチチ Ćevapčići

ケバブは、小腹が空いた時に食べられるので、嬉しい。 

お魚料理もたくさんいただいた。

この地方のカスタードプリン ロジャータ Rozata

旅の最終日には、民族博物館で見た銀細工を探しに行った。
『銀のボタン』と呼ばれているものだ。
銀のボタンは、嫁入り道具や結婚の約束として贈られるものが多いそうで、また銀細工は幸せを運ぶと広く信じられているそうだ。
旅の思い出に、最も相応しいと思った。

色々と迷った挙句、ピアスを買うことにした。
お店のかたに、これをくださいと言ったところで、パートナーがプレゼントしたいと言い出した。
そんなつもりはなかったので、自分で買うと断ると、幸せをプレゼントさせて欲しいと言われた。
そんな気遣いが嬉しくて、私は素直にプレゼントを受け取った。

今でもこのピアスをするときには、ドゥブロブニクの美しい景色を思い浮かべる。

ドゥブロブニクは、古くより魅力的な場所であったのだろう。
荒々しい岩肌を持つ地形は、他を寄せ付けない孤高の雰囲気があり、自然の地理が既にこの街を守っていたようにも思える。
その場所に街ができ、その魅力に吸い寄せられるように人々が集まり、交流し、商業が栄えた。
しかし、他の強国の脅威から街を守り続けなければならず、次第にそこは戦いの地に変わる。

ドゥブロブニクは、ヨーロッパだけでなく、アジアの文化が色濃く混ざっている。
この街が、スラブ人とラテン人の調和から出来上がったということが根底にあるのだろう。
人々の交流があったというポジティブな面だけでなく、支配下に置かれたという歴史のネガティブな面を含まざるを得ないのかもしれない。

海と山に囲まれた街。
また、ポジティブとネガティブの両面を持ち、また西洋と東洋の魅力を持つドゥブロブニクを、とても美しいと感じた。
この街の自然が作り出す美しさだけでなく、この街が背負っている歴史を知ることで、この街の美しさが一層際立ったような気がする。

何よりも、二度も街が崩壊したのにも関わらず、この街を都度復興させたことを、忘れてはいけないだろう。

人は、たとえ過ちを犯しても、それを修復する力と知恵を持っているのだ。

そして、この街が、遠い未来もこの美しさを保ち続けることを祈っている。

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