町工場、製造業がブランディングする価値
ブランディングというと、アパレルなどちょっとお洒落な企業がするものと思ってしまいます。ブランドはシャネルやグッチ、アップルやメルセデスなど、大手企業がすごいお金をかけてつくるイメージです。
しかしB2B中心の町工場、製造業でも「市場に旗を立てる」ことができれば、立派なブランドになります。
末端の製造業の場合、取引先の「下請け」として仕事をしていることが多いでしょう。
もちろんそれでもちゃんと仕事があり、利益が出ているなら下請けでも問題はありません。
でも下請けの場合、価格を叩かれるのは当たり前。納期に余裕がない。相見積もりで、とんでもない価格競争に巻き込まれることが多々あります。
例え仕事量が多くても、利益は中々残りません。
そこで出会ったのが、ブランディングという考え方でした。
製造業でも、ブランディングは可能です。もちろんどうするかは扱う製品や技術などによっても違うでしょう。
ブランディンの答えは、自社の中にあります。自分たちが普段つくっているモノや使ってる技術は、当人に取っては当たり前のことです。日々、普通にやってることですからね。
その当たり前のことも実はすごい技術だったり、モノづくりの考え方も他社と違ったり。世間に向けてアピールできることはたくさんあります。自分では気づかないだけであり、それを表現する手段もわかりません。
それにはやはりその道のプロの手が必要になりますし、経営者の思いがないと絶対にできません。
弊社は10数年かけて、自社のブランディングに取り組んできました。それは決して平坦な道ではなかったし、途中で何度もくじけそうになりました。
同じ製造業の人たちからは、「カッコ付けてる」と言われることも。
それでも、「自分がやってることは間違いではない」と言い聞かせて今まで進んできました。
とても長い時間がかかりましたが、最近はある程度のカタチになってきたと実感できます。
今は、お客様から選んでもらえるようになりました。
「これつくったら、いくらですか?」はまだまだありますが、「御社に相談したい」というお声も多くいただくようになりました。
この「いくらですか?」と「相談したい」には、内容に雲泥の差があります。
「いくらですか?」は値段を聞きたいですが、「相談したい」は単に値段だけではなく「困ってるから相談に乗って欲しい」ということ。
相談からはじまったらすべて仕事になる訳ではないですが、相談つまり頼って来られるのはこちらから色々と提案ができますし、話も比較的こちらのペースで進められます。この差は、すごく大きいです。
単に下請けだと、「相談」されませんからね。笑
こうなると、いろいろな業種から相談が舞い込むようになります。
今までだと全くつながることがなかった業界、こんな業界があるのかと驚くような業界からも相談が寄せられます。
また小さな町工場では、考えなれないような相手からの相談も。
普段お客様も中小零細企業が多いですが、たまに驚くような大きな会社からもオファーをいただきます。
固有名詞は出せませんが、その業界で世界トップの超優良企業だったり、はたまた世界的なラグジュアリーブランドの本社(日本法人ではなく)から直接オファーだったり。
私たちはこんな存在ですと市場に旗を立てると、今のネット社会ではお客様から探して来てくださいます。
すごい世の中ですね。
ブランディングするのは、企業の規模の大小もどんな業界かも関係ありません。
「市場に旗を立てる」ことです。じっとしていても、誰も見つけてはくれません。
どんな小さな会社でも自分ができることや自分の存在、考えていることを発信しなければみてくれません。
でもちゃんと表現ができれば、自分の存在価値を世界中の誰かがみてくれます。
町工場、製造業であっても、ブランディングする価値があるのです。
<お世話になっているクリエイター、そしてクリエイティブパートナー>
株式会社ランデザイン 浪本浩一氏
https://www.hakoya.biz/creators-network/namimoto-langdesign-2.html
株式会社田中有史オフィス 田中有史 氏
https://www.hakoya.biz/creators-network/tanaka-tanakayuujioffice.html