KIGEN
「きげん」とひらがなで書くと、「機嫌」なのか「期限」なのか「起源」なのか分からない。日本語って複雑、でも面白いと思う。
今回観た映画は「バットマン ビギンズ」、もう15年も前の作品。
新作も控えるクリストファー・ノーラン監督によるバットマン3部作の1作目で、最近のリブート映画をハリウッドに普及させた作品とも言われている。
内容としては、ブルース・ウェインが両親の死後どのようにしてバットマンになったかというもの。これを観ると「そうか、だからバットマンはそうするのか」という行動原理が分かる。あくまでもクリストファー・ノーラン版としてだが。
人間というのは、いかにしてそうなったかという過程を知ると、その人に対しての理解にもなるし、参考になることもある。相互理解を目指すにあたり、そういったことはとても大切だ。
その一方で起源を元にした差別があることも事実だ。
♪生まれた所や皮膚や目の色で いったいこの僕の 何がわかるというのだろう♪
これは私が好きな歌詞なのだが、どこで生まれたとかどこの国の人かによってその人が何者かなんて分からない。
起源は人それぞれ違うのだから、差別を受けている人の気持ちは分からないということも忘れてはならない。
全米を制した彼女はテニスプレイヤーである前に一人の人間であり、ルーツ、起源がある。そのことを踏まえれば、マスクのことだったりそういうことをするのは当然としか言えないのではないか。
そしてなにより、自分が差別しないなんてことはなくて、どこかで差別しているかもしれない。知らず知らずのうちに。だからこそ、そういう意識を忘れてはならない。それを踏まえて、どうすれば差別をしないかを煩悶することが大事だろう。
いつだって自分リブートはできるし、差別に対して意識的になることもできる。映画を観て、自分ビギンズを始めてみたらどうだろうか。