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言葉は凶器。
『言葉』
それは、この世で無ければいけない存在になってしまった。
そう、必要なこと。
、、、違う。
ここで猫を被るのはやめておく。
今でさえも、自分にとっては最大の暴力で、刃物で刺されるよりも、痛く苦しいものだと感じる。
ほんの些細な出来事だった。
それなりに年を重ねた今は、考えれば馬鹿馬鹿しく思えるほどのこと。
でも、その頃はひどく残酷で、抗えば地獄の幕開け。
時代の変化に伴って厄介になっていく。
見えるものに憎しみを覚えて、堪えることに必死だった。
コミュニケーションアプリに書かれた一言。
誰のことを言っているのかは、明かされることはない。
それでも、この状況で打ち込まれた文字は、どう考えても自分への脅迫だ。
「うざい、きもい、消えろ」と、分かりやすい文字列ならすぐに理解して、泣き喚くことができただろう。
しかし、そこに書かれたことは捻れすぎていた。
当事者たちにしか理解できない。
ガツンと金属バットで殴られたようだった。
あぁ。これは自分のことだ。
そしてそれは、始まりの合図だったみたいで、しばらくして少しずつ状況が変化し始めた。
これは、、、
いじめと呼ばれるような大層なことだろうか?
いや、まだ、陰口と目の前での暴言しか吐かれていないから、ただの喧嘩か?
でも、あれ?
自分のロッカー、、学校指定ジャージ、、、、ない。
誰か間違えて持っていったのか?
仕方なく仮病を使って体育の参加を拒否。
まぁどうせ、自分が仲に入れることもないからラッキーって思えば大丈夫。
あ、まただ。
こっち見て何か言ってる。
笑われた。
気にしない気にしない。
帰宅後、すぐに好きなアニメに没頭する。
想像と妄想で現実なんてそっちのけ作戦発動。
スマホは常時サイレントモード、もちろん通知オフ。
だけどさ、明日も授業あるしクラスグループの通知だけは一応確認しなきゃじゃん。
そして視界の端にチラつくよね。
また変わってる。
一言。
自分にしかわからないはずの些細な行動に関する、、、文句?
毎日変わる一言。
自分のなすことが全て監視されている気分。
何がダメなの?
何が気に入らない?
毎夜の夢でさえ悪夢の連続で、いい加減疲労をごまかせなくなってきていた。
気づくと、腹痛に襲われて学校への道のりさえ歩けなくなった。
目に見える文字。
記憶に残る発言。
『言葉』って難しい。
自分も力をもらって救われたことは数え切れないほどあるけど、初めて恐怖を覚えた存在でもある。
軽々しくも、重々しくもなる。
SNSの進歩によって、さらに厄介極まりない事態に陥っている。
自分は幸いにも、手を差し伸べてくれた人間がいた。
だから、こうして今ちゃんと自分で選択して道を進むことができている。
それでも、目にして紡いでいくことがいつまでも恐ろしい。
だから感じる。
『言葉』はこの世で最大の『武器』であり『凶器』であると。
傷ついて糧にして成長することもできるけど、一生背負って息をしようとする者もいる。
どちらも持ち合わせているから、ちょっとだけ、、
ほんのちょっとだけ、敏感になってしまう。
誰にも見えないように、それでいて見えてしまった時の傷跡を想像して。
自分にできる『言葉』を吐き出そう。