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ダブルケア当事者の声から【プライベートケアの可能性について考える】
毎週日曜朝6:00と言えば…
どん。
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本日は、先週に続き「ダブルケアについて考える」
👆先週のnoteにリンクしています。気になる方はポチっとお願いします。
ダブルケアの定義やデータ、統計から見えることについて語り合った前回に続き、今回は実際にダブルケア当事者の声を聞こうという流れに(何も分からない3人だと「あーかな」「こうかな」と想像の世界でしか話ができない事に気づき、やはり生の声を聞きたいと強く切に思いました…)
で、ここで登場していただくのが。
我らが「くろさきあさこさん」😊(知る人ぞ知る。ダブルケアを語る人)
くろさきあさこさんってどんな人
去年から始まった「寝起きでプライベートケアの可能性について語り合う」で度々重要なコメントを残しさっと去るコメンテーター的な存在。
くろさきさん自体、10年前~現在(以前はお姑さん含む)まで舅さんと子ども達のダブルケア(介護と育児)中。
見る視点が「ケアしている人」「サービスを使う側」という事もあり、我々サービス提供側には足りない要素を埋めてくれるくろさきさん。
▶Twitter https://twitter.com/kurosaki_asako
関連Twitter ダブルケア情報局
ブログ ameblo.jp/kuroasa2018
4コマ漫画やイラストでダブルケアでも発信中😊
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約60分という時間のなか全てが大切なお話でしたが、動画60分は見れないよという方のためにまとめました😊
「ダブルケアについて」くろさきさんのお話を要約すると
「服薬の時に、おばあちゃんが薬をうっかり落としてしまった場合、万が一、ハイハイしている子どもが拾って口にいれたら大変!」
そんな場合は、子ども達を別室に移動してその間に薬を探す。
ただ、おばあちゃんからするとわざとではないし、自分でできると思っているからこそ「お薬、落とさないでね」と強く声掛けもできない…。
ダブルケアでなければ、ここまで神経質にならなくても良いと思うけれどと感じる場面が多々ある。「まわりに『大変ですね』といわれても、何が大変という事が自分でも具体的にはわからないし言えない」
何が大変というよりも、日常生活の中で当たり前にある「何かと何か」が重なる事でアップアップしてしまう…。「はたから見ると何もしてないように見える」見守り自体大変。
何気ないスキンシップのひとつである、子どもがおばあちゃん(骨粗鬆症)に抱きつくだけでもハラハラする。
この2年間感染症が流行するなかで、外で身体を動かしたい子どもと、感染症予防を考えると外に出せないおじいちゃん。付き添う側はどうしたら良いか悩む…。
家庭の維持が難しくなるので離職した。仕事を選ぶ際には内容というよりも時間的にできるかどうか。選択肢が難しい。うまくできない怖さがある。仕事をしていて、家族のことを考えるとダブルケアである分だけ、家族が病気になった場合のタスクが多い。
親の病院付添一つでも、子ども達が帰宅する事まで考えないといけない。
もしここに仕事が加わると仕事先へも配慮しないといけない。振替も難しい。謝ってばかりになる。臆病になってしまう。家族にしてほしいと感じている介護を受ける親世代と、制度やサービスに頼りたい子ども世代とのギャップ。
高齢者本人は初めての介護サービスを利用することに不安感、抵抗感があり、開始までに気持ち的にも時間がかかる事がある。入浴一つにしても、できればデイサービスで入浴して欲しいと思う家族と、できれば家でゆっくり入りたいと思う親といった具合で、一つ一つに確認や準備が必要。怒りたいわけじゃないのに、焦っているから話す声が怒り声になってしまう。子ども達の学校の準備など、手伝いたいのに手伝えない。声掛けだけになってしまうけれど、気持ちが焦っているのでついつい「早く」といってしまう。
食事の内容、形態、好みが違う。
ケアが必要な両方から求められるから「待って」という言葉が多くなる。
本当は絵本を読んで欲しい子ども。読んであげたいけれど、おじいちゃんの事をしていると「待ってね」が出てしまう。人にあう機会が減り、情報がはいってこない。
まわりからは「子どもが優しくなるよ」と言われても自分自身がアップアップでそこまで感じる事ができない。
等々…。リアルだ(;_;)思っていた以上に大変かもしれない。
その他コメント欄からいただいた、
ダブルケア当事者と思われる方のご意見
も切実でした。
子どもが一人でおばあちゃんの部屋に行かないかハラハラする。
本当は仕事がしたい
ピリピリな毎日で「ごめんなさい」がいっぱいになる。
各人の体調が日々変化していくので、対応を変えていなければならない。
認知症の義母と1.2歳児と一緒に暮らしたけれど1か月も持たなかった。
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その他の視聴者からのコメントの一部を抜粋
しました。
育児と介護が重なると部屋の環境設定も注意しないといけない事が増える。
子育てと仕事の両立だけでもキャパいっぱいになりイライラしてしまうのに、ダブルケアの大変さ…恐ろしい。
介護課、福祉課等、行政も互いに理解して垣根を越えたサポートが必要。
病院に総合診療科ができ始めたように、介護・福祉にも総合的に対応できる機関が必要。地域包括支援センターにそれを任せようとしているけれど、再構築しないと難しいのでは?
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以下、ナオリアーノのご意見。
仕事には肉体労働、知的労働とあるけれど、くろさきさんの話を伺う限り、ダブルケアは精神労働、心を使う仕事だと感じる。気配り、配慮、見守りしながら危険を察知したり、何かしているわけでなくても精神的に負担が大きいと思う。
自分、子ども、シニア3パターンの生活リズムが重なる中で調整する大変さがある。
心に余裕がないと日常生活で幸せを感じる事ができないと思う。
分散できないかな?ほっとする時間を確保できないかな?空白をもつ、充電する時間をもてると良いと感じる。その他…(ここ意外に重要です)
(Nプラン)市長:縦割り社会を失くし、横にフラットな社会を…
(Fプラン)市長、県知事、国政へ進出
安定のさんかくしおハッカ(ケアマネジャー)のご意見はこちら😊
人によって千差万別。介護では地域ケア会議でケースに関して専門家がアドバイスする。行政でも、ダブルケア、全世代に対して、一緒にやっていきませんか?という仕組みや話し合いの場があれば互いに理解するようになるかな。
多種多様な悩みを抱える人の一括窓口のようなものがあると良いと思う。窓口では専門的に回答できなくても、必要な各方向に繋いでくれるような仕組みがあると良い。
こういったケアをしている人が多くいる事を発信していく事が必要。当事者と代わる事はできなくてもできる事からやっていきたい。
そして私Satsuki(ケアマネジャー、産業ケアマネ)はこう考える😊
ダブルケアを伝えていく必要がある。実際、ケアマネもここまで大変と気づいていないと思う。介護保険制度自体、家族がチームの一員になっている事が多い。家族ができること、できないことをしっかり状況把握して計画たてる。
要介護認定うけてない場合、担当のケアマネもついていない為、当事者主体になってしまう。➡病院ソーシャルワーカー、社会福祉士等、誰か相談できる相手がいたら良いと思う。
当事者の人が「ごめんなさい」という状況を変えていきたい。周りの理解が深まるような社会にしたい。
くろさきさんのような立場を知って、できる事小さい事でも情報収集と発信をしていきたい。
最後に…。
「くろさきさん、これまでダブルケアの大変さをお聞きしてきましたが、実際に悪い面ばかりじゃないという事もありますか?」
私が20代の頃に実母が他界した。
介護が必要であっても生きてくれてその人に会って過ごせる時間が貴重。
大変さがある事が不幸ではない。大変な中に幸せがある。子育てしながらア介護しながらでも、サービスをサポートを受ける中で幸せを感じる。大きなことを変えるのはエネルギーが必要。
小さなこと、ちょっとのことを変えるだけで変わる事もある。
例えば、賞味期限近いお肉を横目に少し罪悪感を感じながらもお惣菜を購入して、時間や心にゆとりができてほっとする。
誰かに相談やサービスの依頼、やってみたいけれどできないなら、小さい事や利用できそうなことから変える事で介護に対してゆとりがもてる。思ってもらえるだけで嬉しい。「当事者から大変さを伝える事が難しいだよね」という理解。ダブルケアで家族を病院につれていく状況のなか、お年寄りと乳児を連れて申し訳ないと感じる事が多々あるけれど、そんな時に「事情があるんでしょ?ダブルケアでしょ?」と知ってもらえたら良いな。
くろさきさん、本日はダブルケアに関する素敵なお話を本当にありがとうございました🙏
また、今回参加させていただきましたダブルケア月間さま、実行委員会の皆さま、ありがとうございました😊
ダブルケアに関する情報はこちら
ダブルケア月間
ダブルケアサポート
くろさきさんお勧め本
ハッピーケアノート、育児・介護のダブルケア
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