共同キッチンの暮らし
あくまでここは「宿泊施設」
さて、ワタシの滞在のほとんどを過ごした部屋にはキッチンがない。
アニがこの宿泊施設の、キッチン付きの広めの部屋に滞在できた時は、ワタシがその部屋のキッチンに食事の準備をしに訪れたが、途中、アニもキッチン無しの部屋に移動、滞在した時には、三度三度、ワタシが共同キッチンで作った料理をアニの部屋まで『上げ膳据え膳』しに行っていた。
共同キッチン仁義なき戦い
同じフロアに共同のキッチンがあり、そこには流し台と3口のIHコンロとオーブンレンジが備わっている。
残念ながら大型の共用の『冷蔵庫』などは無い。
また備え付けの『まな板』『食器用洗剤』『食器洗スポンジ』があったにはあったのだが、私は、不特定多数の方々が使ったものを使用するのが苦手だ。
翌日には近くのコンビニで、自分専用の『食器用洗剤』と『食器洗スポンジ』と『キッチンハイター』とを買ってきた。
始めはそんな長居をするとは思っていなかったので、『まな板』に関してはこの『キッチンハイター』で毎回使う前に『漂白洗浄』して、使わせていただいていたのだ。
ところが困ったことがあった。
何故かいつも、ワタシと調理時間がだだかぶりの中年男性宿泊客がいて、毎回『まな板争奪戦』になるのだ。
そのうち『まな板争奪戦』を繰り広げるのにも疲れ果て、1週間も経つ頃には、結局自前のまな板を購入した。
ちなみにその方は、毎食毎食『アルミ鍋炊飯』で炊きたてご飯を召し上がるのだが、その際必ずIHのコンロをダイナミックに焦げ散らかして『そのまま』、自室にお戻りになられるため、私が、キッチンを使う前にはまず『コンロ清掃』をしなければならなかった。なのでそのための清掃用具も買った。
増えていくモノたち
『包丁』はアニが以前使っていたものを拝借した。
『鍋兼用の深いフライパン』も買った。
『菜箸、オタマ等最低限の調理器具』も買った。
『食器とカトラリー』もアニの分だけ買った。
『乾物』『調味料』『缶詰』『瓶詰』もアニのリクエストに応えて買った。
日に日に『食料品』と『調理器具』が増えていくことになり、それを収納する場所を確保するため、備え付けのテレビはコンセントを抜きベッドの脇に押しやり、備え付けの棚には100均のファイルボックスに、『食器』『調理器具』『調味料』と分けて入れ、まるで最初からそこにあった収納ケースかのように整然と並べた。仲良くなったお掃除のスタッフさんからも『スゴいなぁ〜!!』と笑われた。
クーラーボックス冷蔵庫
生鮮品の食材は『毎日』、モノレールと徒歩で片道30分かけて買い出しに行っていた。
部屋に備え付けられている冷蔵庫は、よくビジネスホテル等で見かけるアレだ。
『冷凍庫』などは勿論なく、容量サイズは『大型クーラーボックス』と同じくらい。その冷蔵室の形も旧式なのかいびつで狭く、四分の一カットの白菜すら入らない。
そこで仕方なく、毎日毎日『使い切りの量』の、
『生鮮品』と『果物』と『カット野菜』と、その他もろもろを買い出しに行くことになった。