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地元の方との出会いが楽しい悪天候の三宅島【2】
すっかり曇り空となった8時半ごろ、2500年前の噴火によってできた、島唯一の池「大路池」を訪れた。最近の噴火による火砕流を免れてきたため、池を取り囲む照葉樹の森はうっそうとしていた。
「なんか油絵みたいだね」
森の中にポツンと静かに佇む池は、空の灰色を映しながら不規則な波紋を水面につくっていた。
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池から森を散策し、迷子椎を目指した。
多様な植物の住む森で圧倒的な存在感を放つ「迷子椎」は、見つけたら、この深い森の中でも迷子にならないと言われ、信仰の対象ともなっているそうだ。
噴火によって裸地となった場所も、時間をかけてこのような豊かな森に姿を変えていく。新芽をのぞかせた木々の中を歩きながら、四季という時間の流れと、植生の遷移という百年単位の時間の流れの双方を感じていた。
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迷子椎を後にした私たちは、七島展望台へと向かった。真っ黒な溶岩と低木が続く、異世界のような道を上る。天気の悪さが玉にキズだったが、赤と黒の溶岩地が広がる展望台の眼下には海が見えた。
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展望台を後にする頃には、雨が降り出した。未舗装の山道を何とか抜け、「ギャラリーカフェカノン」に向かった。島で採れる明日葉のカレーや島イチゴのパフェのランチを楽しんだ。
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しかしこの間に天候は益々悪化し、暴風が吹き荒れてきた。
そこで、島の観光を断念し、宿近くの立ち寄り温泉に向かうことにした。火山の恵みである温泉は
薄茶色。異様なほど体が温まる温泉で、すっかり体の力が抜けた私たちは、「ペンションサントモ」にチェックインした。
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宿の夕食には島の食材が多く使われ、三宅島産のカツオの刺身やシイラのホイル焼き、里芋のポトフ、イカのマリネ、明日葉のお浸しなどを堪能した。
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