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パティシエとしての自己紹介と、シュークリームと祖母の思い出
はじめまして。
岡山県倉敷の美観地区のはずれにあるスイーツ店『はれもけも』の店長の加藤泰といいます。
社内では「ちゃい」という昔からのあだ名で呼ばれています。
28年間ほぼ毎日、お菓子がそばにありました
僕にとって、お菓子は日常の喜びでした。
これまで28年間生きてきて、お菓子を何も食べなかった日なんて数えるほどしかなかったと思います。
どんな日にもお菓子があって、思い返してみるとたくさんの思い出があります。
日々のお菓子を作りたい。
喜んでもらえるお菓子を作りたい。
記憶に残るようなお菓子を作りたい。
『はれもけも』のお菓子も、みなさんの暮らしのどこかにあって、いつか誰かの思い出になれたら嬉しいな。
と思いながら、毎日、お菓子を作っています。
シュークリームで自己紹介をしてみます
この初めてのnoteでは、自己紹介代わりに『はれもけも』でも人気のシュークリームについて書いてみようと思います。
「晴れの国」とも呼ばれる岡山にあるお店なので、『はれのひシュークリーム』という名前で特製のシュークリームを作っています。
お店のオープン以来、観光客の方にも地元の方にも人気の商品です。
『はれのひシュークリーム』は、上にアーモンドのクッキー生地を乗せて焼き上げた、いわゆるクッキーシュー。
一度焼いたものを乾燥焼きして、ざくざくとした食感を強調しています。
注文を受けてからクリームを入れるので、ざくざく、ふわとろの食感を味わえます。
ご来店くださった際にはぜひ、すぐに味わってほしいお菓子です。
シュークリームを初めて作ったときの思い出
シュークリームを初めて作ったのは14歳の時だったと思います。
お菓子作りに熱中していた頃で、休みの日には早起きして作っていました。
シュークリームを作るときには、押さえておくべき点が三点あると思っています。
慣れるまでけっこう難しい生地です。
1. まず、小麦粉のでんぷんをしっかりと糊化させること
2. 次に卵の量と生地の硬さの調整
3. 最後に焼成
詳しくは今度、このnoteでレシピをあげたときにでも解説したいと思います。
僕も例によって失敗を繰り返し、うまくいったのは5回目くらいだったと思います。
初めてうまく膨らんだ時の興奮は、今でも思い出せます。
中につめたクリームは、クリームディプロマット(カスタードクリーム+生クリーム)。
カスタードはその時にはすでに何度も作ったことがあり、うまくいきました。
その頃はバニラ棒が今とは比べ物にならないくらい安かったので(1本100円くらい)、贅沢に牛乳1リットルに一本使っていた記憶があります。生クリームはホイップを使っていました。
材料にしても親に買ってもらうばかりだったので、安いものを買ってその分、何度も作っていました。
どんな味だったか、覚えていませんが、そこそこの出来だったと思います。
シュークリームと、祖母
みんなにあげて喜んでもらえましたが、ことのほか喜んでくれたのは祖母でした。
普段あまりお菓子を食べない祖母でしたが、「おいしい、おいしい」と言って食べてくれたのを思い出します。
僕は両親が共働きでよく祖父宅に預けられていたので、祖母には小さい頃からとても可愛がってもらっていました。
その祖母が喜んでくれるならと、その後もよくシュークリームを作って、持って行った覚えがあります。
僕も高校生になるとあまり祖母に会わなくなりましたが、ちょくちょくお菓子を作って遊びに行っていました。
高校の卒業を控え、京都の専門学校に行く準備をしていた1月頃。
祖母は一人で突然わが家を訪問して、畑のことなどを教えてくれました。
普段、来るときは連絡をくれていましたし、誰かの車に乗せてもらって来る祖母が突然、です。
その帰り、祖母と一緒に歩いて、いろいろ話しながら、家まで送っていきました。
その数日後、祖母は突然亡くなりました。
いま考えると、何かを感じていたのかもな…と思います。
その後、僕は京都に行き、パティシエの勉強をして、何か所かで働き、今に至ります。
今でもシュークリームを焼いていると、祖母のことを思い出します。
もっと作ってあげればよかったとか、今の美味しくなったシュークリームを食べさせてあげたいとか、いろいろと思うことはあるのですが、「おいしい、おいしい」と食べてくれたことを思い出します。
シュークリームにはそんな懐かしくて幸せな思い出がある、僕にとっては大切なお菓子です。
シュークリームについて修行中の思い出もあるので、また今度書きたいと思います!
『はれもけも』のことをよろしくお願いします
これから、僕やスタッフのお菓子に関する思い出や考え、レシピなどを投稿していこうかと思っています。
以下が『はれもけも』の公式サイトとSNSです。
公式サイトでは焼菓子やケーキなどの通販も行っていますので、よかったら見てみてください。