【超短小説】年雄は大人です
年雄は考えた。
自分はいつから大人になったのだろう。
歳で言うと20歳になった時。
でも、実感は無かった。
大人になったと言うより、させられた感覚。
行動は無責任なまま。
・・・責任か。責任を感じた時か?
無責任な大人もいる。
自立した時か?
18歳で一人暮らしを始めたから、その時か?
実感はない。
いつ大人になった?
税金を払った時か?
借金が出来た時か?
返済出来た時か?
貯金した時か?
欲しい物を買った時か?
欲しい物を我慢出来た時か?
ムカつくアイツを許した時か?
ムカつくアイツに許された時か?
社会を意識した時か?
社会に流された時か?
年雄は今、拾った財布を持って考えている。
大人なら届けるよね?
浜本年雄40歳。
財布を交番に届けた年雄は思った。
拾った財布を交番に届ける事は、大人も子供も関係ないか。
ちぇ!