【超短小説】年雄、雨に見られる。
完全にそうだ。
絶対だ。
年雄は雨に見られてる。
天気予報は曇り。雨は降らない。
年雄は自転車で出かけた。
一応レインコートをカゴに入れて。
自転車を走らせてすぐ、雨がポツリ。
これくらいなら大丈夫。
しばらくすると、霧雨。
まだいける。
でもすぐに雨になった。
年雄は自転車を止めて、レインコートを着た。
レインコートを着てすぐ、雨が止んだ。
また降るかもしれないので、レインコートは着たまま自転車を走らせた。
しばらくすると、暑くなってきた。
雨も止んだし、年雄はレインコートを脱いだ。
レインコートを脱いですぐ、霧雨。
霧雨ならこのまま行こう。
でもすぐ雨になった。
年雄はもう一度レインコートを着た。
着てすぐ雨が止んだ。
雨に見られてる。
浜本年雄40歳。
雨よ、俺が何した?