【超短小説】年雄と曇りのち雨
曇りのち雨。
年雄が好かない天気だ。
降りそうで降らない。
降らなそうで降る。
空の色もそう。
暗くて明るい。
行動の判断が鈍る。
雨を準備して、出かければ降らない。
準備した物が荷物になる。
逆に準備しないと雨に降られる。
どちらにしても、後悔しそうな感覚。
好かない。
雨の話題にもならないし、晴れの話題にもならない。
モヤモヤ。
好かない。
年雄は"どうせ降るでしょ"と雨具を準備して家を出た。
結果・・・晴れた。
浜本年雄40歳。
ほらね。
いつもそう。
行動と逆の天気。
笑っちゃえ。ははは。