【超短小説】年雄の足裏にアルコール
年雄は蚊に刺されやすい体質だ。
多分。
人より刺されている。
多分。
一歩公園に入ると、大量の蚊が年雄を発見し、刺しにやってくる。
「おい!見ろ!年雄だ!年雄が来たぜ!」
なんて噂が蚊の世界に広がっている気がする。
もちろん虫除けスプレーで全身をコーティングしている。
でも刺される。
ある日、年雄はテレビを観ていた。
足裏をアルコールで拭くと、蚊に刺されないと言っていた。
試したい。
年雄は足裏をアルコールで拭き、公園に出かけた。
この日は虫除けスプレーはしていない。
検証する為。
服装も半袖に短パンにした。
「おい!蚊よ!俺を見つけて見ろ!」
年雄は挑発した。
公園から帰って年雄は驚いた。
ちょっとしか刺されていない!
気がする。
浜本年雄40歳。
刺されるは刺される。
今年も戦うか。