【超短小説】年雄の不満
生きていると、それだけで不満ってのがあるもんだ。
仕方がない。
年雄は個人で生活しているとは思っていない。
だから不満は仕方がないと思っている。
社会の中の個人。
団体の中の個人。
個人から見た社会。
社会から見た個人。
年雄の不満は、社会の常識かもしれない。
社会の常識が、年雄の不満かもしれない。
個人の不満は仕方がない。
団体だから。
でも不満だから声を出す。
「ばかやろーーー!!!」
何も変わらない。
その日の空に鳴り響いて終わり。
変わらず明日。
どうせ変わらないなら、もっと全力で・・・
「ばかやろーーー!!!」
浜本年雄40歳。
夏が来る。
きっと"熱い"夏なんだろう。